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「妻に負担が偏りすぎる」と悩む共働き男性社員の話
既婚子持ち女性の少ない職場で働いているので、婚活、不妊治療、子育てなど様々な相談が舞い込んでくるのだが、最近よく
「妻に負担が偏りすぎているのをなんとかしたい」
という男性の声を聞くようになった。
平等に家事育児したい夫たち
女性側の「夫が家事育児をしない」「こちら(妻)への配慮が足りない」という怒りの声は各種メディアでよく取り上げられているが、実は夫側も、いかに家事育児を不公平感なく分担し、妻を労わり、良好な家庭環境を築くかに心を砕いていたりする。
これは、実はあまり理解されていないのではないだろうか。
いまや共働き家庭が専業主婦家庭の2倍以上、妻が64歳以下の世帯に限れば、専業主婦家庭は夫婦のいる世帯の23.1%にすぎない。
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共働きがマジョリティだ。共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回ってから20年以上経つ。経済の停滞が長く、共働きでなければ家計を維持できない。にもかかわず、そのような家庭環境の変化が理解されていない職場も多い。
私も、「旦那さんいるからお給料上がらなくてもいいよね」「役職上がらなくていいよね」「簡単な仕事の方がいいよね」という周囲の思い込みに困っているが、男性も実は「本当は家事とか育児とかやりたくないでしょ」と思い込まれているのではないだろうか。
もちろん、家事育児やりたくないわー、俺は仕事一本でいく! という方もいるだろうが、私の周囲には「家事も育児も仕事も、夫婦で等しく負担して支え合っていきたい」というタイプが多い。
似た人が集まっているのもあるだろうが、首都圏住みに限らず、地方在住でもそういう方がいる。
夫婦仲良く良好な関係を築こうと思ったら、共働きを選択した時点でそうなるのは自然とも言える。
だから、柔軟な働き方ができず、妻に負担が偏ってしまうことを、心から困り悩んでいるのである。
転勤はイヤ。柔軟な働き方希望です
私が聞いた相談、あるいは愚痴を具体的に挙げよう。
・子どもが体調を崩した時在宅勤務が認められず、中途採用なので有給が足りない。コロナ禍で、子どもがちょっとでも体調を崩したり、兄弟どちらかが体調を崩すと全員登園できないので、保育園を休む日が増えた。結果、妻に極端に負担が偏ってしまう。在宅勤務なら働けるのに。
・勤務を始めると途中で抜けられない業務内容(配達関係)で、人手不足もあり、子どもの体調不良対応が妻に偏ってしまう
・フレックス制があれば、妻が体調を崩し代わりにお迎えに行く際などにも、仕事と両立できるのに、制度がないから不便
・転勤の可能性があるのが嫌で、転職することにした。妻も扶養内とはいえ今良い職場で働けているので、自分の転勤で辞めることになるのは忍びない。転勤がなくなって、妻も大喜び。
特に最後の方は実際に転職したうえ、扶養控除範囲内(つまり正社員ではない)で働く妻の仕事も大事にしているのが印象的だった。
令和の生き方を尊重して欲しい
「亭主元気で留守がいい」は1986年、「24時間戦えますか」は1989年。
昭和から平成初期のいいお父さん・旦那さん像は「とにかく家族のために働き、稼ぐ」ことであった。
実際それで何とかなる時代であった。
しかし令和の理想像は、「ともに働き、ともに育て、ともに築く」といったところだろうか。
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パーソルキャリア株式会社の「男性育休に関する意識調査第1弾」(2021年)によれば、将来子どもができた場合に育休を「取得したい」と回答したZ世代(20歳~24歳)は84.6%、ミレニアル世代(25歳~39歳)は80.1%。
これを「まぁ今はそういう時代だし」「そうきかれたらそう答える人が多いんじゃない」「とはいえ現実は違うよね」程度に流してはいないだろうか。
もちろん家庭や個人によって理念や理想は異なるが、今はマジョリティの思考が変わってきている。
「男は本当は家事も育児もしたくない」は、周りを見る限り、誤った思い込みではないかと思う。
しかも今はSNS等で良い会社の情報はどんどん入ってくる。私にも、第一子、第二子ともに9ヶ月くらい育休を取って特に不利になることもなく働いている男友達がいる。
さらに、仮面夫婦、熟年離婚、家庭で存在感の薄い父、そのくせ重要な場面ではやたら口を出してくる父、仕事がないから離婚できない女性、無理をして身体を壊し早く亡くなる方、といった上の世代もみてきた。
踏襲したくない文化もある。
優秀な人ほど、柔軟に働ける企業に移っていくことだろう。気がつけば若手・中堅のいない会社がどんどん取り残されていく。
男性もまた、どう家庭と仕事を両立させ、妻と不公平感なく負担を分け合い、子育てを行うか悩んでいる。
その前提に立って、男も女も老いも若きも既婚も独身も、誰もがライフステージに合わせて柔軟に働け、心身共に健康で、それでいて生活に充分な賃金を稼げる環境が普及することを切に願う。
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