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自社CMからみる京都アニメーションという会社

アニオタなので、事件以降、「京都アニメーションってどんな会社?」と訊かれることが増えました。

京都アニメーションはコンテンツメーカーですから、その制作物を見てもらうのが一番。しかし、全12話のアニメやシリーズものに手を出すのはなかなかハードルが高いもの。

いかに素晴らしい作品をつくり、ファンに愛され、従業員を大事にしていたかは、報道や集まった支援金の額、世界中からの悼む声などで伝わっていることと思います。今回は、できればもう少し踏み込んで知りたいという方に、京都アニメーション制作の自社CMをご紹介します。

■京都アニメーション CMライブラリ

■花編(2010年6月 ON AIR)

子ども達が、大地を耕し、花を植え、育て、それが京都アニメーションのロゴマークになるというもの。とても愛らしく、創作への姿勢が伝わる作品です。

ロゴマークは京都の「京」をあしらったものですが、花のようにもみえますよね。

2010年6月ON AIR。この頃すでに自社ブランド確立に向けてこのような動きをしていたんですね。

■空編(2010年7月 ON AIR)

動きの気持ちよさを感じるCM。個人的に好きです。見ていて気持ちよく、楽しくて、わくわくします。躍動感あふれる画面、アングルもかっこよく、よく動く。アニメの魅力が詰まっています。

ちなみに「花編」「空編」は今回犠牲になった武本監督の絵コンテ・演出によるものです。

本当に素敵なクリエイターでした。大好きでした。

■あじさい編(2011年6月 ON AIR)

動く動く、まーとにかくよく動く!

何もこんなに動かさなくてもいいんですよ、と言いたくなるくらいです。前向きなメッセージがいいですね。
京アニはたまにこういう過剰な技術力でぶん殴ってくることがあります。

会社のCMではありませんが、同じように感じたのが『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のCM。

なんだこの、緻密で、美しく、情報量が多すぎる映像は!と衝撃でした。もっと引き算して!とすら思いました。本編もヤバイです。内容はヘビーめ。

ちなみに大人で京アニ作品を観てみようかなという方にはこの『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を、映画1本くらいで、という方には『映画 ハイ☆スピード! Free! Starting Days』をお勧めしています。(共にNetflixで配信中)

■星編(2011年8月 ON AIR)

いいですよねぇ……。台詞がなくなって映像と音楽で魅せる形になりました。

描いてる内容は制作風景にまつわるありがちなもの、とみせかけて、独特のたたずまいや空気感が魅力的で、あたたかさを感じさせながらもよく動き、引き込まれます。見ていてわくわくしちゃうんですよねぇ。作風の幅広さから、人材の層の厚さを感じます。

■発想編(2012年4月 ON AIR)

また作風がガラッと変わりまして。こういうのもできるんだ!と感じたのを覚えています。

男性の妄想を描いているので、ちょっと引いてしまう方もいるかもしれませんが、アニメーションだから出来ること、発想の無限さを描いているように感じます。

途中白い鳥がばっと画面を横切るところがめちゃくちゃ好きです。ベテラン木上益治さんの作品です。

■メガネ編(2012年5月 ON AIR)

ここから、京アニオリジナル作品が入ってきます。後の『境界の彼方』へと連なるCM。

(京アニは自社開催のコンテストで原案を募集、受賞作をアニメ化するという流れをつくっています。)

とにかく「なんだ何だ、これは何だ!?」「何が起こってるんだ!?」「このメガネの子はな誰!?」となりました。

わずかな時間でも、背景にしっかりとしたストーリーがあることを感じさせ、ひっかかるCMでした。

■傘編(2012年6月 ON AIR)

これは放映当時「好き!」と言ってる方が多かったのを覚えています。

かっこいいですよねぇ。30秒という短さでも世界観がきっちりできていて、カラクリロボットがめっちゃかっこいい。

ズバズバ動くかっこよさと、振り向く時の緩急がもう、ぐっときます。たまらん。

こういうオリジナルアニメが来るのかと思ったら来なかった。

■行きたくなるお店編(2012年7月 ON AIR)

これも好きという声が多かったような。
とにかく可愛いですよねぇこの女の子。

これは京都アニメーションの関連グッズを扱う「京アニショップ」(ネット、実店舗共にあり)のCMになりますが、こう、「なんか素敵」な雰囲気と「扉の向こうに素敵なものが絶対にある!」という予感を、すごく丁寧に、ちょっとした動きや演出の積み重ねで描いているように思います。

全体的な色合いや、もごもごしているおばあちゃんが好きです。

■水泳編(2013年3月 ON AIR)

後の『Free!』シリーズに連なるCM。

京アニは、美少女を描いた男性向け作品で名を馳せていたので、男性キャラクターがメインの女性向け作品がきた!!と大変話題になりました。

これまでとは違うパキッとしたスタイリッシュな作風も印象的です。

なんかわからんけど水着の男の子に水かけられた!と思いました。
Free!ファンは、このCMから、という方も多いはず。

実際のFree!シリーズとはキャラクターデザインが若干異なりますが、最後のスタート台から飛び込むシーンはずっと作品に続いていて、なんだか泣けます。

長く続いて、もはや大河ドラマの様相を呈していますもんね……あの頃はこんなハマるとおもってなかったな……。


京アニが制作した自社CMはここまでです。
いかがでしたでしょうか?

6〜9年前でこのクオリティ、機動力。
私は見返していて楽しくなってしまいました。

全CMとスタッフ名はこちらで見れます。

■CMライブラリ

他にも動画を見てみたいな、という方はyoutubeの京アニチャンネルをのぞいてみてください。
PVや特報動画、制作風景などが上がっています。

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しいなかおる
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