出席番号1番じゃない人生
クラス発表で息子の名前を探すのに苦労し、入学式で列の真ん中らへんを歩く息子をみて、
「あぁ、この子は"出席番号1番"じゃない人生なんだ……!!」
とはっとしました。
というのも、私の旧姓は「あ」から始まるものだったので、ほぼ「出席番号1番」の人生を歩んできたんですね。
男女別名簿の時代だったので、より1番になりやすかった気がします。
「出席番号1番」だと何が起こるかというと、
入学式では何もわからないのに先頭を歩かされます。
1組1番だと完全なる先頭なので大変緊張します。
自己紹介も、最初にやらされがちです。
とりあえず前の人が話す内容に合わせよう、ができません。
席もしょっぱなから1番前です。
先生からちょっとした頼みごとをされがちです。
さらに廊下側だと、〇〇さんいる?みたいな他クラスからの来客窓口にもなります。
そのくせ端っこの1番前だと授業中クラス全体が見えないので、なかなか顔と名前が一致しないんです。
頼らないでくれ………!!
と思いつつもちょこちょこ頼られがちなのが「出席番号1番」の宿命かもしれません。
そんな出席番号1番人生でしたが、これまでに1、2回出席番号2番だった年がありました。
その年は小躍りして家に帰り、「聞いて!!今年出席番号2番だったの!!」と家族に報告したものです。
なにしろ兄弟みな「出席番号1番」人生なので、この喜びを理解してもらえるのです。
兄たちも人生で何回かは「出席番号2番」になったことがあるようでした。
それぞれ「自分がどの苗字に抜かされたか」を持ち寄った結果、かなり強い「出席番号1番」は「あいうら(相浦、合浦)」さんではないか、ということになりました。
調べると「あい」という名字もあるようで、こちらはもう完全に1番!という感じですが、出会ったことのある、聞いたことのある名前で出席番号1番最強説は「あいうら」さんでした。我が家では。
そんな苗字も結婚して変わり、我が息子は出席番号1番ではない人生なわけです。
いいな!新学期に妙なプレッシャーがなくて羨ましい!!
と思った入学式でした。
ちなみに出席番号1番だと、度胸がついて積極的な性格になるかというとそうでもありません。
私が何度か2番になれたときの出席番号1番の方は、割と控えめで目立たない印象の方でした。
まぁ人間そんな単純ではないのでしょう。
でも最初にやらされる自己紹介も、急に先生に何か頼まれるのも、そつなくこなしていました。
もう諦めにも似たような貫禄で。
ただただ「出席番号1番という立ち位置」に、生きているうちに慣れていくんだと思います。
良いことといえば、名簿で自分を見つけやすいことくらいでしょうか。
でも、「入学式でいきなり先頭を歩かされても、何でもかんでも最初にやさられても、案外なんとかなったな」と今では思えるので、それなりに良い思い出かもしれません。
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