JAPAN BUILD in大阪 2022
~管理組合が使える技術を求めて~
2022年9月28日~30日の3日間に開催されたジャパン ビルド (建築の先端技術展) へ、勉強のために足を運んだ。
当日は開催初日の午前中であったにもかかわらず、予想したよりも人手は多く活気があった。
■ ジャパン ビルド 参加の目的
ジャパンビルドは複数の展示会の複合体で、その一つに「不動産テックEXPO」があった。わたしの目当ては、そこでマンション管理組合が活用できる新しいIT技術を発見することだった。
管理組合と各種業者さんとをマッチングさせるようなサービスを開発してくれそうな会社と話が出来たらいいなと考えていた。
■ 管理組合が使えそう!?
まだ、来場客は少なめだったのか、進むごとに各ブースから呼び止められる。その都度説明を聞き名刺交換するため、なかなか前に進まない。
そのうち名刺が切れかけたが、最近の展示会は入館証に名刺内容を記憶したバーコードが印刷されていて、そこをピッッと読み取ってもらえばいい。便利になったと感じる。
後半はかなり駆け足になったものの、一回りして「使えるかも?」と思った技術内容は大きく4種類だった。
・大規模修繕工事に関するもの
・駐車場に関するもの
・WEB会議に関るもの
・置き配に関するもの
■ 管理組合で活用できる!技術4選
①大規模修繕工事関連のヒント
マンションには賃貸と分譲の2種類がある。
今回出展されていた大規模修繕工事に関する業者さんのほとんどは、主に賃貸マンションの修繕を取り扱われていた。
管理会社や設計監修が業者選定をコントロールする分譲マンションの工事は、ある特定の業者で構成されていて、入り込むことが難しいという話を聞いた。
また、ワンオーナーの賃貸マンションと異なり、多数の所有者がいる分譲マンションでは顧客対応が特殊で、ゆえに賃貸と分譲の工事業者はすみ分けされているという話も聞くことが出来た。
しかし、コスト意識が高いワンオーナーマンション(=賃貸マンション)の修繕を受注できる業者さんなら、分譲マンションの管理組合が修繕を発注する価値はあるのではないかと思った。
むしろメリットが大きいかもしれない。
また、賃貸マンションの大規模修繕を手掛ける業者さんが分譲マンション修繕に参入することをIT技術で促進できないかと考えている。
②空き駐車場管のためのオンラインシステム
マンションの多くは、機械式駐車場を所有している。マンションが財政難になる要因の一つが、この機械式駐車場の点検・修理・再塗装等の費用だ。
そこで、民間駐車場管理のための新しいオンラインシステムを管理組合が活用し、自ら貸し出しを行い収益を上げることが出来れば、この空駐車場問題解決策の一つになるのではないか。
このシステムでは契約手続きから集客までシステムを活用できるという。(カスタマーセンターと顧客対応を除く)
管理組合主導で駐車場空き区画対策をするためのツールとして検討できるのではないか。※税金の申告業務は別途必要
もし管理組合自らが直接貸し出しできれば、サブリースより高くで貸し出せそうだ。
③WEB会議システム
理事会をWEB上で行いたいという組合は多いのではないだろうか。
展示会に出展していた商品に、「グダグダ会議を撲滅!」と銘打った、音声認識技術があった。
本当に、グタグタ会議を撲滅できるとしたら、相当に画期的だ。
WEB会議だけでなく、対面会議でも録音すれば発言者を自動識別し、誰が何分話したかも分析できる。もちろん、議事録作成のための機能も付いている。
「議事録は誰が書くか問題」も解決できるかもしれない。
費用の問題さえクリアできれば、管理会社を入れなくても会議は進めていけそうだ。
④置き配対応技術
最近「置き配」なるものが登場したが、受取人の不在時にマンションのオートロックをどうやって突破し玄関前に置き配するのか疑問だった。
その疑問を解決する技術があった。
その商品は、マンションのオートロックに小型機器を取りつけ、認証を受けた荷物のバーコードを専用端末で読み取ると、オートロックが自動解錠されるという仕組みだ。これで、部屋の前まで荷物を運べる。
画期的!! 運用コストの心配もなし!
NET通販の爆増を受けて、マンションの”宅配ボックスが足りない問題”が起こっているが、既存のマンションには宅配ボックスを増設するような場所はない。
導入検討の価値は大いにある。
■ マンション管理の技術導入は”所有者”次第
上記の他にも、アプリで解錠できる玄関扉の鍵など、様々な技術があったが、「分譲マンション」を意識して作られている商品は少ないと感じた。
分譲マンション数は、賃貸の1/4程度と推定されるが、それでも全国に十数万棟存在している。
分譲マンションを意識した商品開発もしてほしいものだ。
しかし、所有者間の同意形成が難しい分譲マンションでは、新しい仕組みの導入が嫌われる傾向があり、ビジネス相手として敬遠されるのだ。
良いものを積極的に取り入れる精神がなければ、分譲マンションには取り残されると思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?