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承認欲求を捨てたら、人生が楽になった話
大学1年生のとき、初めてホリエモンの『ゼロ』を読んだ。そこから「何にでもなれる」「絶対に成功する」と意気込み、成功者の本を読み漁った。
ホリエモンが提唱するように、大学を辞め、ヒッチハイクをし、フィリピンへ1年間語学留学にも行った。
さまざまな経験をし、それが今の自分を形作っているのは間違いない。
ただ、20代前半の自分は生き急いでいて、どこか生きづらさを感じていた。
その原因は、「何者かになりたい」という強烈な欲求だったのだと思う。
この「何者かになりたい欲求」の正体とは何なのか? どうすれば終止符を打てるのか?
アドラー心理学の視点から、これを紐解いてみようと思う。
承認欲求はなぜ生まれるのか?
アドラー心理学の観点では、承認欲求は「他者との比較」や「優劣の競争」から生まれるとされている。
アドラーは「人間の基本的な欲求は共同体感覚(社会との調和)である」と考えた。
しかし、多くの人は他者と比較し、認められることで自己価値を確かめようとする。
これがいわゆる 「承認欲求」 だ。
承認欲求が生まれる理由は、大きく2つに分けられる。
1. 比較と競争の中で育つから
• 幼少期から「褒められること=価値があること」と教えられると、他者の評価を基準に自己価値を測るようになる。
• 「◯◯さんより優れている」「◯◯さんに認められた」といった比較を通じて、自分の存在意義を見出そうとする。
2. 劣等感の裏返しだから
• アドラーは「人間は誰しも劣等感を持つが、それを克服しようとするエネルギーが成長の原動力になる」と考えた。
• しかし、劣等感を「他者に認められることで埋めよう」とすると、承認欲求が暴走する。
承認欲求から解放されるには?
では、この承認欲求から解放されるためには、どう生きればいいのか?
アドラーは、「他者の承認を求めるのではなく、自分の価値を自分で決めることが重要」だと説いている。
具体的には、次の2つの考え方が鍵になる。
1. 課題の分離
• 「他人が自分をどう思うか」は、他人の課題であり、自分にはコントロールできない。
• 自分がコントロールできるのは「どう生きるか」だけ。
2. 他者貢献
• 「人にどう見られるか」ではなく、「自分が誰かの役に立つこと」に意識を向けると、健全な自己肯定感が育つ。
「自分が納得できる生き方」を持つこと
承認欲求をゼロにする必要はない。
ただし、「認められるために行動する」のではなく、「自分が価値を感じることをする」 という姿勢が大切だ。
「承認されること=幸福」ではなく、
「自分が納得できる生き方=幸福」と考えられるようになれば、承認欲求に振り回されることはなくなる。
そもそも、承認欲求に振り回される人の多くは、「自分が納得できる生き方」を理解していない。
例えば、
• 「年収1000万円稼ぎたい」
• 「上場企業の社長になりたい」
• 「プロスポーツ選手になりたい」
こうした目標を掲げている人も多いが、
「なぜそれを実現したいのか?」 を深く理解できている人は少ない。
もし目的を理解しないまま目標を達成してしまったら、
燃え尽きてしまうのが関の山だろう。
まとめ:まずは「自分を理解すること」から
人生を苦しめる承認欲求から解放されるために、
まずは「自分が何を大切にしたいのか?」を理解することが必要だ。
「認められるため」に生きるのか?
それとも、「自分が納得できる生き方」をするのか?
まずは、その答えを探してみることから始めてみよう。