【Service Cloud】2024年度第3回 Service Cloudユーザー分科会 まとめ
こんにちは、Sharing InnovationsのCRMチームです!
11/19 (火) に実施された第3回 Service Cloudユーザー分科会についてまとめていきます。
ユーザー取り組み事例
コンタクトセンターが作るSalesforce
~導入から現在まで 内製化の実践~
(オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ソリューション営業本部 カスタマーサポート部 企画推進課 山岸 欣也 氏 / 山本 真央 氏)
カスタマーサポート部が運営する「お客様相談室」
国内顧客に対し、最寄感の高いサービスで、仕事に必要な情報を、正確に早く届けることをモットーに相談対応を実施している。
商品:生産終了含む 30万 種類以上
問合せ: 20万件/年 以上
対応時間:月~金曜日 9:00~17:00
人員:約100名体制
第1フェーズ
チャット問合せ、FAQサイトをSalesforceに移行、統合ナレッジ基盤を新たに構築
<学び>
①はじめてのSalesforce導入のため、設定・構築が想定より大変だった
パートナー様から設定内容の確認依頼をされても影響範囲を判断できず、お任せしてしまっていた
②業務要件、要求仕様が見えていないと、上手くいかない
③「〇〇のために、何とかしたい!」という強い思いが出発点であるという気づき
第2フェーズ
PJスコープ:相談システムの他、音声基盤・ネットワークインフラを含むシステム全機能刷新
PJ関係者:社内外含め総勢50名規模で実施
<課題>
プロジェクト期間
FY22 4月 プロジェクト発足、7月Salesforce構築パートナーベンダーを迎えリスタートした
⇒年度内必達のプロジェクトのため、この時点でリリース納期まで残り9カ月!
業務要件
Salesforce機能要件は120件を超えていた
<「リリース成功」の秘訣>
★「お客様相談サービスを止めない」サービス維持の業務要件見極めと絞り込み★
業務影響と開発工数の大小で要件をエリア分け
3つの観点での絞り込み
ビジネスベネフィット
組織受入態勢
技術的容易性
★パートナーベンダー様任せでは無い、『自分事』でプロジェクトに参画★
業務要件定義
As-Is業務フローの棚卸し(未更新のシステム仕様書や属人化された業務プロセス)
To-Be業務増からの業務要件
システム要件定義書
必須要件「こだわる箇所はとことん」:オムロン自らパートナー様に実装内容を提案
ケース画面レイアウト:操作性・視認性を重視
2画面表示のこだわり:ユーティリティバーを活用
ユーザー受入テスト:要項作成からオムロン主体で実施
機能テスト:構築メンバが実施
シナリオテスト:相談員メンバが実施
システム移行から本番リリース
本番移行作業も必須タスクとし、パートナー様とカットオーバーを確認
★現場相談員メンバ主体の「使いこなしPJ」を発足★
使いこなしPJメンバが全チャネルを「使いこなし」
使いこなしメンバがシナリオテスト(UAT)参加
相談員向け操作マニュアルを作成
使いこなしメンバ自ら実運用に沿った業務マニュアルとして制作
使いこなしPJメンバによる全相談員トレーニング&定時後フォローアップ
相談員トレーニング 各チーム×2回開催
トレーニング後のアンケートで新システムの操作理解度を確認
個別サポートを定時後毎日開催し、本稼働までに不明点・不安点を残さない
リリース成功の裏側 「失敗」と「学び」
<失敗>
UAT(受け入れテスト)でNGが多発
UAT環境(Full Sandbox:更新間隔 29日)の再構築が必要な状態
⇒アプリ遅延の皺寄せで「リリース」は1ヵ月遅延
<学び>
「作らないもの」を決める
業務理解とシステム理解
両方理解することが大切!
PJメンバーの内2名はアドミニストレーター資格を保有しての参画
⇒パートナー様と対等に会話ができる
仲間づくりの重要性
パートナー様との関係構築、社内部門間の関係構築など
内製化の実践
本稼働以降、ベンダー保守に頼らない内製化運営に注力
<内製化PDCAサイクルの仕組み化>
週1回の課題会議(課題方針の確定やSandbox環境での課題管理)
内製化促進の観点(レポートダッシュボード、入力規則、レコード操作画面の構築、フローの作成・更新)
<内製化の注意点>
属人化にしない(リリース内容をドキュメント化、調査経過の共有実施)
<内製化のメリット>
対応スピードと柔軟性(不具合情報は即時キャッチできる、すぐにリリースできる)
ベンダー保守コストの削減(内製化で30%減)
お客様・相談員の為を実感できる
テクノロジーの進化に伴うCSチームの変遷
(ウィーメックス株式会社 CRM戦略企画課 前澤 秀彦氏)
CS業務の変化
Phase1 1972年~約30年:個別管理 内製CRM導入前
各部門で問い合わせ対応情報を紙で個別管理
問い合わせを受ける各部門で問い合わせ管理と応対の実施
問い合わせを受ける人の人脈または経験の量に依存したサポート体制
Phase2 2000年~約15年:社内共有 内製CRM導入後①
各部門の問い合わせ対応情報が電子化され相互参照可能に!
システム導入により、会社単位の問い合わせ事例の共有ができるようになり、各部門での自己解決率が向上
→解決手段は増えたが、人に依存した体制であることは変わらず
Phase3 2015年~約5年:役割分担 内製CRM導入後②
社内の問い合わせ応対ルートのルール化と一本化
メーカー開発部門は極力開発に集中できる体制とするため、サポート部門での問い合わせスクリーニングとエスカレーションルール運用の開始
2018年にはORACLE CRMを導入
Phase4 2020年~約2年:業務効率化 新CRM導入後①
問い合わせ応対情報のナレッジ化とFAQ公開情報化
Salesforceの導入を開始
CTI連携開始・メーカサポート部門でのKCS(ナレッジ・センター・サービス)運用開始
販売店向けFAQサイト公開とエンドユーザ向けFAQサイト公開
Phase5 2022年~約1年:センター化 新CRM導入後②
拠点別問い合わせ窓口の地域センター化
各営業所で個別に受けていた問い合わせを地域別コールセンターで受ける体制に変更
コールセンターからメーカーエスカレーション等の運用の変更はなし
Phase6 2023年~約1年:全国集中化 新CRM導入後 一社化①
問い合わせ窓口の全国集中センター化
地域別のコールセンターを1つの組織化し、全国の問い合わせを相互に受ける形に変更
特定の商品の問い合わせを専門に受けるコールセンターを設立し、既存の業務への影響を回避
Phase7 2024年~約1年:商品専門家 新CRM導入後 一社化②
特定商品の専門センター設立
子会社化した組織のCSセンターでもService Cloudを導入し、共通運用開始
Phase8 2025年~ :関係構築 CRM導入後
CS起点の顧客関係構築
全国統一コールセンターで販売店ユーザの問い合わせも対応
販売店は独自の追加カスタマーサポート・サクセスプランを展開
PhaseX 2025年~ :CS&CRM AIAgent導入後
ユーザ対応でフロント業務に携わっていたメンバーはAI Agentを指揮する立場に変化
問い合わせ対応後の積極的フォローアップも含めてアクティブな対応を拡大
自律型AIエージェント Agentforceのご紹介
~最新のカスタマーサービス動向~
(Salesforce社 プロダクトマネジメント&プロダクトマーケティング部 三宮 健太 氏)
急速なAIの変革は新たな時代に入っている
第1波:予測
第2波:生成
第3波:自律型AIエージェント
⇒1~3年以内に自律型AIエージェントの統合を計画している企業の割合:82%
生成AIから回答を得た後のプロセスをすべて人が行うべきなのか?一部をテクノロジーに任せられないのか?というところから生まれたのが自律型AIエージェント
Agentforceが実現する
人+AIエージェント+データ+CRM
Agentforceは、Customer 360全体にわたり利用可能な、すぐに使える自律型AIエージェントのスイートと、それらのAIエージェントを作成およびカスタマイズするためのツールセットのブランド。
また、Agentforceには、個人にパーソナライズされたアシスタント型のAIエージェントも組み込まれ、データを検索・分析し、行動計画を作成し実行することで、従業員が行う具体的なタスクをサポートし、業務の効率を向上させる。
Agentforceの詳細はこちら
一番最初は、、
Service Agent(カスタマーサービス領域のエージェント)
日本語提供予定:2024年12月末~2025年1月(英語は正式提供済み)
従来のチャットボットを自律型AIに置き換え、事前にプログラムされたシナリオがなくても幅広いサービスの問題に対応でき、カスタマーサービスの効率を向上できる。
企業のナレッジベースなど信頼できるデータに基づいているため、顧客と正確で流暢な会話を行い、必要に応じて人間の担当者に問い合わせをエスカレーションする。
24時間365日あらゆるチャネル
自然な会話を自律的に顧客対応
テンプレートを用いて速やかにセットアップ
人の担当者へシームレスに引き継ぎ
Agentの基本的な構成要素
トピック:実行するジョブの定義を行う
例)
注文管理
インストラクション:各トピックに具体的な説明を与える
例)
注文番号またはEメールを使用して、いつでも注文状況の確認ができるようにオファーする。
返品ラベルを受け取る前に、必ず返品状況を確認する。
返品処理前の最初のステップとして、ナレッジ記事を使用して返品処理についてお客様にプロセスを説明する。
アクション:構築&アサイン可能
例)
注文状況の確認
返品ラベルの生成
知識ベースで質問に回答
他社様の取り組み事例や最新AIエージェントの情報など、刺激的な内容が盛りだくさんでしたね!
今後もユーザー分科会の内容を随時まとめていきますのでお楽しみに!
Sharing InnovationsではSalesforceの運用支援を行っております。
興味のある方はこちらからお問い合わせください。
https://go.sharing-innovations.co.jp/inquiry/20241217