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(夏の風物詩)ETF換金売りの要点解説

<読了目安時間:12分>



✅ ETFの換金売りこなし日本株は一段高

2024年7月8日の週における日本株イベントで最も注目され、夏の風物詩でもある国内パッシブETFの決算と分配金捻出に伴う換金売りは、1日目の7月8日(月)こそ影響が見られましたが、2日目の7月10日(水)は踏み上げ相場とも取れる様相を呈しました。

日経平均株価の推移(5分データ)

7月8日(月)は上図①に示す後場から株価は下げ調子となり、大引け時には窓を開けて下落。この特徴的な動きからはETF換金売りの影響が見てとれます。この日は前営業日比▲0.3%と小幅に下落しましたが、それでも過去の推移と見比べれば下落幅はかなり小さい方でした。

その後、例年強い決算の中日に日経平均は前日比2.0%の大幅上昇。そしてETF決算2日目となる7月10日(水)には上図②に示すように後場から力強く上昇し、終わってみれば前日比0.6%上昇という堅調さを見せました。大引け時の売買高は約1兆円と巨額だったことから、ETF換金売りの影響はあったものの、それ以上に相場を押し上げる要因が強かったと言えます。

もともと2日目は例年強弱まちまちの動きになるため上昇自体は不思議ではありません。が、今年は特にETF決算の前週から外国人投資家の買いが旺盛で強い動きが続いていたために、本来はETF換金売りによる相場下落を狙っていた売り方が、思わぬ株価上昇で買い戻しを強いられ、それが株価を押し上げるという所謂「踏み上げ相場」になったのではないかと考えられます。その翌日にあたる7月11日も好調な推移でしたからね。

今回のETF決算に絡む動きには「日本株に強気の見方」というポジティブな解説も出来なくはないですが、それ以上に「売り方の踏み上げ」がキーワードになるでしょう。


✅ ETF決算と換金売りの影響は?

7月8日と10日に決算を設定している主な国内パッシブETF

少々基本的な話にはなりますが、ETFの決算と換金売りの影響について要点を解説していきます。まず、7月8日と10日に決算を迎える主な国内パッシブETF(指数に連動するもの)は以下の通りです。

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