組み合わせ論に基ずく素数ペアの無限性の証明(preprint)
組み合わせ論に基ずく素数ペアの無限性の証明
「素数ペア」とは、双子素数やゴールドバッハ予想のように、特定の条件下で「ペア」を形成する素数の組を指します。これらの素数ペアが無限に存在するかどうかは、数学における重要な未解決問題のひとつです。本稿では、素数ペアの無限性を組み合わせ論的な視点から簡潔に示します。
素数の分布と素数定理
まず、素数定理により、素数の分布は次のように近似されることが知られています:
$${y ∼ \frac{n}{\ln(n)}}$$
ここで、$${y}$$ は $${n}$$ 以下の素数の数を表し、$${\ln(n)}$$ は自然対数です。この式は、$${n}$$ が大きくなるにつれて素数の密度がゼロに近づくことを示しますが、それでも無限に素数が存在し続けることを示しています。
奇合成数ペアと素数ペアの関係
「奇合成数ペア」とは、奇合成数(奇数かつ合成数)同士でペアを形成する場合を指します。奇合成数の数を $${x}$$、素数の数を $${y}$$、奇合成数ペアの数を $${z}$$ とすると、奇合成数ペアの最小数は次の式で表されます:
$${\frac{x - y}{2}}$$
これは、すべての素数が奇合成数と混合ペアの場合に、奇合成数ペアの最小数を意味します。一方、奇合成数ペアの最大数は単純に $${\frac{x}{2}}$$ で表されます。これらの間に実際の奇合成数ペアの数 $${z}$$ が位置します。
次に、素数ペアの数 $${a}$$ を次の式で定義します:
$${a = z - \frac{x - y}{2}}$$
この式は、奇合成数ペアの数から奇合成数ペアの最小数を引くことで、素数ペアの数が求まります。
例えば [1]、 $${n=10}$$ までは、奇合成数の数が $${x = 1}$$ で、素数の数が $${y = 4}$$ 、奇合成数ペアの数が $${z = 0}$$ なら素数ペアの数は $${a =1.5}$$ 以上(※組み合わせなので同じ素数のペア数はカウントしない)です。
$${n=100}$$ までは、奇合成数の数が $${x = 25}$$ で、素数の数が $${y = 25}$$ 、奇合成数ペアの数が $${z = 6}$$ なら素数ペアの数は $${a =6}$$ 以上です。
素数ペアの無限性
素数定理により、$${y \sim \frac{n}{\ln(n)}}$$ であるため、無限の極限でも次の関係が成立します:
$${\frac{x}{2} > z > \frac{x - y}{2}}$$
ここで、$${y}$$ は素数定理の通り増加し続けるため、$${a=z-\frac{x-y}{2}}$$ も無限に増加することが示されます。この結果、$${n=6}$$ 以上の偶数を当てはめた場合、ゴールドバッハ予想の素数ペアが無限に存在することが数学的に証明できます。
比例定数の役割
ここで重要な点は、素数ペア数 $${a}$$ の厳密な増加率が比例定数によって決まる可能性があるという点です。例えば、双子素数のような特定の条件下では、比例定数がその条件を満たすよう調整されるでしょう。この比例定数は未解決の課題ですが、議論の本質を損なうものではありません。
具体的には、次のような式で表されます:
$${a ∼\frac{nC}{ln^2 (n)}}$$
ここで、$${C}$$ は比例定数です。この定数は双子素数のような特定の条件に基づいて決定されます。具体的な値としては、$${ \approx 1.3}$$ [2]や $${ \approx \sqrt{2}}$$ [3] などが提案されています。
結論
以上の議論により、素数ペアの無限性が必然的であることが示されます。この説明は、合成数ペアの分布と素数定理を組み合わせることで得られるものであり、比例定数の存在を否定することなく、その可能性を含んでいます。比例定数の具体的な特定や双子素数に特化した証明は今後の研究課題ですが、素数ペアの無限性自体はここで明確に示されました。
数学の世界では、無限性に関する議論はしばしば困難を伴います。しかし、この簡潔なアプローチは、素数ペアの無限性を理解するための新たな視点を提供します。
参考文献
[1] 素数と合成数の割合からゴールドバッハ予想の証明(プレプリント)|Hyama Natural Science Research Institute (アクセス日:2024年11月17日)
[2] 双子素数 - Wikipedia (アクセス日:2024年11月17日)
[3] 素数と合成数の割合から双子素数の無限存在を証明(プレプリント)|Hyama Natural Science Research Institute(アクセス日:2024年11月17日)
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