地域のつむぎ手の家づくり|いつまでも愛着の持てる、資産価値のある住まいづくり<vol.42/空間工房:長野県長野市 >
今回の<地域のつむぎ手>は・・・
住まい手に寄り添い、そこに暮らす人がほっとくつろげるような家づくりを行っている空間工房(長野県長野市)。2005年に創業した同社の岡本竜人社長は、徹底したお客様へのヒアリングを行います。それを元に住まい手のライフスタイルに合った設計が得意な建築家をピックアップする、設計施工分離方式を採用しています。
設計施工分離方式とは、施主は設計者(設計事務所)と設計監理契約を行い、工務店と工事請負契約をするもの。設計図書がきちんと整備され、建築のクオリティも確保され、設計監理者と施工者とのダブルチェックにより品質も確保されるなどといったメリットがあります。
同社は複数の建築家と提携し、フルオーダーで住宅をつくり上げます。敷地の自然条件や周囲の環境などを考慮しつつ、住まい手の多くの要望を整理し、それでいて意匠デザインにもこだわったプランニングで、いつまでも色褪せない美しい佇まいをつくり出します。建物のクオリティにもこだわっており、原則として構造計算に基づく耐震等級3の構造躯体を推奨。温熱環境についても、床下断熱、壁内充填+付加断熱、天井断熱を施すことで、HEAT20・G2基準相当の断熱基準をクリアし、寒冷地である長野でも快適に過ごせる住まいを創出しています。また、無垢の木や漆喰などの塗り壁仕上げ、造作建具や家具を用いて、素材本来の持つぬくもりや柔らかさが感じられる、心地よさも大切にしています。
長野県長野市のN邸は、2019年秋の台風19号で被害のあった住まいを復旧させたもの。「また住めるようになるのか…」と落胆されていたご夫妻にいち早く心強い言葉をかけたのが、同社の岡本社長だったそう。再生した住まいは、間取りを変更することなく、木目が美しい屋久杉のフローリングや建具や家具なども造作。ご家族の想いにこたえる形で改修しました(詳細は「和MODERN14」に掲載)。
また、YouTubeチャンネルも積極的に取り組んでいて、住宅事例をはじめ、職人による作業の様子、家づくりについての基本講座などを公開しています。「プレカット工場にて一本の梁材が加工されるようす」、「[家づくり雑学]地場工務店では珍しい!? 設計施工分離方式に切り替えます!」、「東京都小池都知事発表の”新築住宅への太陽光設置義務化”につき、一言、言っておきたい」など、岡本社長ならではの切り口でさまざまな動画をアップしています。
リノベーション専門のブランド創設
資産価値の高い住まいを増やしたい
2021年10月には会社のロゴを刷新。新築は「まっさらな土地の上に建てていく、上に上に伸びていく、価値創造していく」という象徴で[ ]は縦に配置し、「価値ある、美しい佇まい」というコンセプトをロゴに添えています。あえてずらしているのには、「固定観念にとらわれず、自由にのびやかに発想するものづくり」という意味が込められているそうです。
また、リノベーションの新ブランド「リノベ工房」を創設。リノベ工房では、戸建て住宅やマンションはもちろん、別送や空き家再生を対象にして、資産・省エネ・心地よさの3つの価値を生み出すリノベーションにも力を入れています。全国的に深刻になっている空き家問題やコロナ禍により増えている移住者への提案にも取り組んでいきたいと岡本社長は話します。
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