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専門職としての立ち振る舞いとバランスの話
ここでの専門職とは、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士をイメージしています。ちなみに僕は社会福祉士をもっているので、自分にも言い聞かせるつもりで書いています。
専門職が障害福祉のチーム内で働く際、よくあるトラブル話は、「自分の専門性を相手に押し付けること」です。
「心理ではこのように学んだ」「ソーシャルワークとして〜〜するのが一般的」など、書くと柔らかく感じますが、多様性のある職場で会議等での発言を聞くと、「専門性を押し付けられた」と感じるスタッフがいることもよくある話で、それが積み重なってチーム内がギクシャクすることはよくあるように思います。
(あくまで、勝手な私見も含んでおります。)
専門職とは、専門的な知識や技術を有している人で、上記の資格は国家資格なので、公に認められた資格(人)でもあります。
もちろん、大学等での学びを経て、いわゆる受験勉強をして国家資格取得のための合格を得ないと資格を名乗れないわけなので、専門職は人一倍努力されてこその有資格であるかと思います。
ただ、自分の努力で得た知識と技術は、相手に意見を押し付けるためのものではないこともまた、確かなことでもあるように思います。
普段から、親しくさせてもらっている就労支援の専門家であり精神保健福祉士のベテランでもある人は、「精神保健福祉士としてこうあるべき」と飲んだら必ず熱弁されます(笑)。まぁ、知った中での飲み会ですから、楽しく話したり、時には議論したりでよいものの、これを会議で何度も言われると、専門職ではない、もしくは国家資格を持たない職員にとっては、反論もできないし、チーム内の合意形成もやりくくなります。
何が言いたいかというと、タイトルのとおり、「専門職としての立ち振る舞いとバランス」は専門職としてなにより大事かと思います。
謙虚に振る舞い、説得よりもチーム内の納得を大切にして、「〜すべき」「心理では〜が一般的」などと専門性を押し付けることには人一倍の注意が必要です。
むしろ、専門職として、バランスよく相手やチーム内の事情に合わせて柔軟に対応するぐらいがちょうどいいわけです。
前にも書きましたが、専門性よりも「心理的安全性」がチーム支援をより良くするためのキーワードであるように思います。
心理的安全性とは、⼤まかに⾔えば「みんなが気兼ねなく意⾒を述べることができ、⾃分らしくいられる⽂化」とあります。
チーム内で多様なスタッフがそれぞれの意見を言うことができ、それが否定されることなる尊重され、結果として恐れのない組織となり、チームの力がより良くなる。そこに専門性が加わることで、より質の高い支援になるはずです。
専門職は、障害福祉の現場でたいへん重要な存在であることは間違いないですが、福祉の現場(支援チーム)も、地域社会も、多様な人で構成されています。
これからの専門職は、一人ひとりが自問自答しながら専門性を磨き、多様なチームで自分の専門性をどう活かしてもらうかが求められるように思いますし、きっと、専門職としての根拠さを忘れずに働くことが大事なんだと思います。