色褪せぬグレイグリーン

もう2年前のことである、ニューヨークを歩き回ったのは。

小説の冒頭みたいである、でも本当のことである。2年前の2月から3月にかけて、修士論文の一次資料を手にするために私はニューヨークを訪れた。事前に下調べしてみたら、およそ3箱ほどの資料であった。どのくらい大きい箱なのか、紙の束はどれほどなのか、全く見当もつかなかった。滞在期間は2週間。遊びじゃねぇからな！とイキリ散らしていた私であったが、準備の良さ故にあれよあれよと気付けば4日ほどで資料を集め終わり、あまりにあまった時間で私は遊び惚けたのであった。

ほぼ完璧な旅程であったが、一点惜しかった。ねこちゃんを連れて行かなかったのである。旅行ではなく研究のための資料集め、また初めての地へ行くという理由から自身のことでいっぱいいっぱいになり、失くしてしまうことを恐れてのお留守番であった。次は連れていきたいが、如何せんコロナ禍故いつ行けるようになるか見当もつかない。そこで私は閃いた、旅先で撮った写真にねこちゃんを合成すればよいのでは........？？

ねこちゃんよ、時と次元を超えるんだ。君ならできる。私が手伝ってみせよう。

Crownまで登るチケットは売り切れだったけど、女神の肩の上は特等席だぞねこちゃん……！

4年に1度の記念すべき2月29日、私は自由の女神を見に行った。遊びの方はノープランのままニューヨークへ行ったため、自由の女神がリバティ島にありフェリーで向かうことを前日ホテルにてチケット予約をしている際に知った。恐ろしい。見物時、すごく寒いなと思っていたら雪がちらついて死ぬかと思った。本当に恐ろしかった。

ブルックリン橋、手前の駅で降りちゃってDUMBO方面へ丸々橋を渡ったね。

滞在中、マンハッタンのみならず、ブルックリン方面にも遊びに行った。ブルックリン橋を眺めながらストロベリーアイスを食べて凍えかけたのも、今では良い思い出である。橋が見えるカフェで食べたチョコレートケーキをInstagramに投稿したら、なんと同じカフェに行ったことがあったと高校の先輩からコメントが届いた。嬉しかった。

ひとつひとつの駅が素敵でした。

地下鉄を下車するねこちゃん

地下鉄の駅はひとつひとつが個性的で全部降りればよかったなと思う。タイルによるモザイクアートが多く、写真の花や、はたまた犬や、チャイナタウンの最寄り駅は漢字のモチーフとなったアートもあった。また、走る電車内や駅にて楽器の演奏を目にすることが多くそれも新鮮であった。
メトロカードはスライド式で、上手くいかず何度も列を詰まらせてしまった。シュッと速すぎたのだ。

楽しかったMoMA

METとMoMAといった美術館にも行った。METは地域や時代により展示品を分類して……..いるとおもったらいきなり刀！甲冑！と東西南北問わずに並べられている展示品もありちょっと面白かった。MoMAは空間を使った作品や、ヒトが動く作品にも遭遇し、芸術の多様さに驚かされた。

以上、思い出と写真の合成による記憶の改ざんでした。次に訪れる際はラガーディアやもうちょっと足を延ばしてニュージャージ州の方にも遊びに行ってみたい。
地下鉄の駅でJazzAjiloに遭遇したいな、勿論ねこちゃんと一緒に。

シミズ