
開発生産性Conferenceに参加しました
7/13に行われた開発生産性Conferenceに参加しましたのでその参加レポートになります。
From Metrics to Mastery:Improving Performance with DORA and the SAPCE Framework
最初は『LeanとDevOps』の科学で有名なDr.Nicoleの講演でした。
この講演が基調講演であり、本イベントの目玉になっていたかと思います。
日本でもかなり広まりつつあるDORAの4keysですが、Dr.Nicoleは4keysに加えSPACEフレームワークを紹介されていました。
SPACEフレームワークについてはこの講演を聞くまで正直知らなかったのですが、開発者の健康や幸せについてもスコープに含まれていて興味を持ったので、これから勉強してみたいと思いました。
ランチタイム
お昼はなんと今半のお弁当が3種類も用意されていました。

スポンサーさんのブースを回るスタンプラリーもあり、色んなスポンサーブースを回りながら沢山の人とお話ししました。
スポンサーブースは各企業工夫があり、とても楽しめました。
途中でアジャイルコミュニティでよく見かける人に会えたり、その週行われた別のイベントでお会いした人に会えたりとオンサイトのイベントならではの楽しみができました。そんなこんなで廊下を楽しんでいたら12:10の開始時間を過ぎてしまい、次に参加したのは12:45の講演になりました。

なぜFour Keysを改善するのか?〜HowではなくWhyを重視したメトリクス改善活動〜
プレゼンがとても上手で笑いどころもあり、聞き入ってしまう講演でした。
メトリクスを達成することだけが目的になってしまうと所謂グッドハートの法則(講演の中でこの言葉は出てきませんでしたが)に陥ってしまうということで、実際に組織の中でWhyを重視したメトリクス改善をどのように進めているかというお話はとても参考になりました。
The Metrics Key:Connecting Product,System,Team
マネージャーの目線でチーム、プロジェクト、プロダクト、事業の戦闘力をメトリクスをとって観測し横断的に見れるようにしているというお話でした。中々普段上位のマネージャーが大きな組織の中で個々のチームやプロジェクト、プロダクトをどのように見ているかという話は聞けないと思うので、とても貴重なお話を聞けたと思いました。
大手企業の開発内製化事例〜東急×KINTOが語る内製化の3ステップ〜
共に大手企業として内製化に取り組む2社がどのように組織づくりに向き合ってきたかというお話をされていました。
中途採用を進める中で、SIer出身の人はどうしても作らせる立場で考えてしまい自分たちの組織で作っていくという思考にならないというところはグサっと来ました。
For Keys を超えて〜信頼性はいかに開発生産性を高めるのか〜
『LeanとDevOpsの科学』は2017年までのDevOpsレポートをまとめたものになっているので2018年に追加された可用性(2022年には信頼性に置き換わった)という5つ目の指標が語られていない。この5つ目の指標である「信頼性」について主にお話をされていました。
SREやSLOについては勉強不足だと感じたので、書籍を読むことにしました。
行政府の開発生産性向上のアプローチと、目指す未来
以前デブサミでも登壇されていてその際にとても面白かったので今回も楽しみにしていたデジタル庁CTOの藤本さんの講演です。
デジタル庁での開発生産性を考えた時に
調達
ROI
外製
この3つの難しさがあるというお話をされていました。
公共系プロジェクトは調達仕様書というものが存在し、事前に作るものがかっちり決められている。それは、税金が無駄遣いされることがないように一般競走による契約が必要という考えが元になっていてといも意味があることな訳なのですが、一方でアジャイルな開発をするとその価値観とは合わないという難しさがあります。(最初から要件定義が終わっているような状態になるので、フィードバックをもとに当初計画を変えていくということが出来ない。)
そこで外注せずに内製化を進めているのですが、そこで肝になるのは
スポンサー
コアプロジェクト
カルチャー → 計測 → チーム
ということで、この部分はアジャイルを最初に組織に展開していく時にも同じことが言えるので、めっちゃわかるなぁと。。。思いました。
大規模言語モデル時代の開発生産性
最後実は聞けなかった講演なので後日スライドを見たのですが、開発生産性についてとてもわかりやすくまとめられており、参考になったスライドでした。
最後に
1日を通して開発生産性について向き合うことになった訳ですが、4keys+信頼性やSPACEフレームワークといった考えや、単に従来からある開発者の出来高だったり、人や組織によって生産性が何を指すものか全く異なると改めて考えさせられました。私個人としてはチームで働く時代になってきているのでやはり個人ではなくチームにフォーカスしてその生産性をどう測るか、そこにはチームのメンバーの幸福指標のようなものも含まれていて欲しいななんてことを考えました。
今回初のイベントということで準備含めとても大変なことだったと思いますが、どのセッションもとても満足度が高く、当日の運営やスポンサーの皆様のホスピタリティも高くと非常に有意義な時間を過ごすことができました。運営の皆様お疲れ様でした。