オルクセン落語『シルヴァン浜』(オルクセン王国史二次創作)
ヴィルトシュヴァインに住むグスタフ・ファルケンハインは、腕のいい国王だが浮いた話ひとつなくて臣民に気を揉ませてばかりいる。
その日も縁談をほっぽりだしてシルヴァン川の近くまで狩りにでかけていると、なにやら浜辺に黒いものが落ちているではないか。
「なんと、なんと、闇のエルフじゃないか」
グスタフは一目散に闇エルフを抱えて国に帰ると、我が王が女を抱きかかえてきたと国中飲めや歌えや大騒ぎ。
グスタフもしこたまカルヴァドスを飲まされたあげく、酔いつぶれて寝てしまった。
翌朝、女房に起こされると、さっさと戦争に行くように言われるグスタフ・ファルケンハイン。
はて、自分に女房なんていただろうか?と首をひねると、
「女房の顔も忘れちまうなんて、まだ昨日の酒が残ってるのかい?コーヒーで顔を洗って、さっさとエルフィンドを滅ぼしちまいな!アンファングリア旅団の準備だってもうできてるよ!」
そうケツ叩かれながら汽車に飛び乗ると、オルクセン軍を率いて連戦連勝。
またたくまにエルフィンドを滅ぼして凱旋してきたグスタフ・ファルケンハイン。
官邸に帰ると、ボロボロの服を着て待っていた女房が。
「お帰りなさいませ、我が王。私はあの時浜で拾ってもらったディネルース・アンダリエルでございます。あの後、我が王が寝てしまわれた後に、ゼーベック上級大将に相談して昔からの女房ということにしてもらいました。」
「てぇことは、あん時お前さんを拾ったのは夢じゃなかったってぇのかい?」
「はい、私と闇エルフ12000人を拾われたのは夢ではございません。」
「いやいやいやいや、多い多い多い多い!」
お後がよろしいようでm(_ _)m