人が育つ環境・人を殺す環境
「人が育つ環境」という言葉が、私の中で大切なものとして意識され始めたのはもう25年以上、昔のことです。
当時、私は、解毒目的のサプリメント販売をしていて、後輩指導にあたっていました。
商品の理解、必要性、競合他社との違い、一般的なサプリメントとの違い、健康産業の周辺知識、
そんなものを一生懸命教えていました。
でもなかなか実績が上がらない、
思ったように後輩が育たない、
今から考えるとWHY+否定形という、まさにサポーティングスキルでは絶対に使ってはいけない、質問という名の批判をずっと胸の中で、いえ、時には口に出して、言っていた気がします。
今から考えると、これでうまくいくはずがありません。
でも当時はわからなくて、どうしたらいいのか散々悩み、売上の上がっている
他府県のチームを見にいったことがあります。
そして、空気の違いに驚いたのです。
先輩後輩の区別が薄い、というか、言葉遣いも、後輩がやたらとへりくだるということもなく、
でも月商1000万というレベルを超えていくことが当たり前という空気、
そのためにみんな協力しあってがんばる、という空気、
時には先輩がチーム全員のお弁当を作って差し入れしていたり、
足踏み状態の続いているメンバーに、ハッパをかけるのではなく、
大丈夫、大丈夫、頑張っているね〜、無理しなくていいよ、との声掛け。
どうしてこんな空気が作れるのか、と、そのリーダーに尋ねると
仕事をして行く中で劣等感を持ったり、自分を責めたりする人を1人も出したくない、
ああ、また「劣等感」という言葉が出ました。
叱られたり、責められたりして、なにくそと反発して伸びる人がいた時代はもう終わった、と、その方の言った言葉に、何かが私の中で反応し始めました。
そのリーダーはまさに「心理的安全」な場を作ることが人が育つ場所であることを、Google社よりも早く知っていたのかもしれません。
人の能力開発よりも、環境なんだ、と、その頃私は、強く思い始めました。
開成高校からは毎年たくさんの東大合格者が出ます。
開成高校の卒業生に聞いたことがあります。
なぜ、こんなにたくさんの東大合格者がでるのか、なにか特別な授業をしているのか、と。
すると彼は、
「いいえ、何も特別なことはしていません、ただ、開成高校に入ると東大へ行くことが当たり前のような雰囲気があるだけです」と笑って言いました。
雰囲気、空気、風土、それらは何気なくあるわけじゃなくて、その環境を作ろうとしてきたリーダーたちが共有する価値観ではなかったのか、と、気が付きます。
どんな人も否定されない居場所を作る、それが8年まえ元気塾のスタートでした。
自分の主治医は自分、誰かに自分の健康を任せて誰かの指示で動くのではなく自分が自分のリーダーになる、どんな小さな事も能動的に行動を起こす、そんな人を温かく見守る。
そんな環境を作りたかったのです。
「人が育つ環境を作る」
振り返ってみると、それが私のこの25年間のテーマだったのか、と思います。
昨年、コミュニティなるものを初めて作りました。
10人からスタートし、今20名になりました。
何百人、何千人という規模のものは最初から目指していませんでした。
一人ひとりをきちんと見れるのは、30人くらいまでかなぁと感じています。
そして一人ひとりが、昨日より今日、今日より明日と
自分の成長を実感できるような場にしよう、
そんな環境を、私だけではなくメンバーと一緒に作ろう、
少しずつイメージができてきた1年でした。
人が育つ環境、あなたにはどんなイメージがありますか?
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