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どこまでいくのか、ゲノム編集ビジネス

コオロギ食のこと

先日の「みんなの元気サロン」の勉強会の日。

前回の地元元気塾でも使ったコオロギ食の資料を使い、食そのものについて、参加者の皆さんとあれこれ、意見交換をしました。

その中で、コオロギ食、つまり昆虫食が気持ち悪いとか、いやいや実はタンパク質がとか、そんな問題以上に大変なことが出てきました。

飼育されているコオロギ自体にゲノム編集が使われていること、飼料には遺伝子組み換えの大豆の油を搾った後のカスが使われていること、

それどころか、なんと今、ゲノム編集はだれでも簡単にできること!

クリスパー・キャス9のキット


つまり遺伝子の一部をカットする技術、クリスパーキャス9というシステムがキットになって市販されている、という事実。
そっちの方が問題じゃないか、と驚愕でした。


ゲノム編集とは、他の生物の遺伝子を持ってくる遺伝子組み換えとは異なり、簡単に言うと、その生物の遺伝子の一部をカットすることでその生物本来の特徴を大きく変化させる技術です。

GAVAの含有量を大幅にアップさせたトマト、
短期間に倍ほどに成長させた真鯛やトラフグ、これらはすでに市場に出ています。

しかし、その安全性に関しては、まだ、分かっていない部分がたくさんあります。


遺伝子組み換えについては、少なくとも、カルタヘナ法という規制があり、チェックされることになってますが、ゲノム編集の方はノーチェックです。

なので一気に広がる可能性がありました。

でも2019年10月に解禁されてから、たった3年で、その技術がキット化され一般人の手の届くところへ来るとは・・・・・


コオロギ食の根拠になっていたのが
地球温暖化対策と将来の食糧不足解決、ということで、SDGsとも絡み、官産学あげての押せ押せムードですが、これって、本当にサスティナブルと言えるのですか?

はじめてのカルタヘナ法違反、光るメダカ

そう言えば今年3月、はじめてのカルタヘナ法違反で逮捕者がでましたね。

イソギンチャクモドキの遺伝子をメダカに組み込み、暗い場所でピンクに光るメダカを作ったそうです。もちろん未承認なのでカルタヘナ法違反ということになり、しかも1匹10万円で販売したことから事件が発覚し、関わった5人が逮捕されたという話。

RNA農薬がもうすぐ目の前に

ついでに、もうひとつ遺伝子がらみの話。
RNA農薬という新しい農薬が出ました。

今年3月です。

味の素が量産系を確立、事業化するため農薬企業との連携を模索中とのことです。

ワクチンと同じくRNA、つまり遺伝子の一部を操作、自らのたんぱく質合成をストップさせることで害虫(?)を死に至らしめる、というもの。

背筋が凍る思いがします。

マンモスを蘇らせるスタートアップ

最後にもう一つ、4000年も昔に絶滅したマンモスを蘇らせるというスタートアップ企業があります。

今、1年間で4万種以上の生物が絶滅しているという、ちょっとその桁違いな数字に驚かされました。

そしてそれより驚いたことに、人間は自分たちが絶滅させた生物を科学の力で復活させようという、そんな動きがあるそうです。

例のゲノム編集技術で、です。

シベリアで冷凍遺体が見つかったマンモスはゲノム解読が終わっていて、これを手掛かりにDNAを人工合成し、像の胚に導入し子どもを産ませるとマンモスが生まれることになる、と。

これはすでに米企業、コロッサル・バイオサイエンスが「脱絶滅」事業としてスタートしていて、4000年前に絶滅したマンモスの復活を2028年までに行う、と言っています。


うそ~~~!

まるでSFじゃないですか。


と思ってたら、すでに絶滅した生物の遺伝情報をコピーしたクローン動物が、すでに現れているそうです。

中国のスタートアップ企業が北極オオカミを作ることに成功、
アメリカでは2020年にモウコノウマのクローンが生まれたと発表。

「生きる」ことを考えさせられたドラマ


こんな話を聞くと思い出すドラマがあります。

カズオイシグロ氏の書いた『私を離さないで』という衝撃的な小説をもとに、日本では2016年にドラマ化されています。


ネタばれになるので詳しくは書きませんが、クローン人間と臓器移植をテーマにした衝撃も衝撃も、とてつもなく驚愕のドラマでした。

カズオイシグロ氏は日系イギリス人でノーベル文学賞を受賞された著名な作家です。


彼は今年「生きる LIVING」という映画の脚本を担当し、アカデミー賞の脚色賞にノミネートされました。これは黒澤明監督の代表作「生きる」を原作にした映画、となっています。

イシグロ氏自身が黒澤監督の「生きる」にとても影響を受けたそうで、彼の代表作、『日の名残り』『私を離さないで』なども、テーマは一貫して「生きること」でした。

なので今回のノミネート作品『生きるLIVING』は、頷けるなぁと感じました。


私たちがこれから、希望や夢をもって生きていくためには、この先、どこへ向かうかわからない「科学」なんかよりも、今は「哲学」か、良質な「文学」や「音楽」「絵画」こそが、本当に必要なのかもしれませんね。



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