第一交通産業、次世代型営業所
第一交通産業と言えば、日本で最も車両数が多いことで有名な北九州にあるタクシー会社です。
保有車両台数は2024年3月末時点で8,893台です。
うち、200台が電気自動車(EV=Electric Vehicle)となり、今後は保有台数を更に増やす予定で直近で100台を追加するそうです。
今回は次世代型営業所について説明し、EVの普及を海外と比較しながら、今後の予測についてご紹介します。
次世代型営業所
福岡県北九州市小倉にある、第一交通産業門司営業所は、建て替えと同時に
「次世代型営業所」となり、2024年6月20日に出発式を執り行いました。
次世代型営業所に生まれ変わると同時に、保有する50台のLPガス車のうち12台をEVに乗り換えました。(内訳→日産 LEAF:11台、テスラ model Y1台)
建て替える(+充電設備や車両購入)ために投じられた額は約5000万円。
電気料金の高騰でEVタクシーを導入できないタクシー会社が多い中、思い切った事業展開です。
どれくらい発電・走るのか
次世代型営業所には、屋上に太陽光発電設備を導入し、一日200km走るEVを3~4台分発電分の電力で賄えるといいます。
また、発電のみで足りない場合は、系統電力を利用した充電を予定しているようです。
EVタクシーのデータ
第一交通産業が福岡県で行ったEV車の稼働実験では、月間8,800km走行という結果が出ました。これはタクシーの中でも上位の方の走行距離で、充電などを効率的に行えばLPガス車並の稼動ができる証明となります。
同社は、次世代型営業所でEVタクシーの運用ノウハウを磨き、さらにEVタクシーの運用を拡充していく予定だと話しています。
今後の予測
脱炭素に向けた環境意識の高さでいうと日本は世界で19位という位置づけ。(以下、他国の環境意識ランキング)
インバウンドが増えてきている今、環境意識の高い外国人の利用が多く見込めます。
海外との比較
海外では、2019年からEVタクシーが広まっています。
海外と日本ではそもそもEVの普及率にかなりの開きがあります。
2010年にEVが量産され始めたころは、日本が普及率トップだったのにも関わらず、今や主要各国のうち下位に低迷。大きな遅れをとっています。
日本の今後
読者の皆さんは、2035年にガソリン車の新車販売が一切禁止になることをご存じでしょうか。
(PHEV、HEV(HV)FCEV等、水素、電気と兼用で走るガソリン車は除く)
(筆者:私もつい最近知りました💦)
化石燃料を燃やさない。いわゆる”脱炭素”に向けた、日本の電動化社会への取り組みです。
まだあと10年と少しの猶予がありますが、私たち一人一人が、今の内から環境問題に対し当事者意識を持つことが大切です。
次世代型営業所のこれから
今後は三菱商事や三菱オートリースが第一交通産業に協力し、太陽光発電設備の拡充や蓄電設備の導入を検討するそう。
田中亮一郎 社長は「カーボンニュートラルとかGX(グリーントランスフォーメーション:脱炭素化社会の構築)にどう取り組んでいくか。公共交通として我々が積極的に取り組んでいかないといけないと思って始めました。」と話しました。
太陽光パネルや電気自動車のタクシーを増やすだけではなく、発電した電力を一般の方にも充電できるよう設備を拡充していくことや災害時の電力供給を次世代型営業所で行っていきたい。と今後の目標についても語っていました。
編集後記
毎年夏になると「史上最高気温」と騒がれている気がします。
温暖化の影響が顕著に表れてきている証拠ですね😿
日本の夏は特に湿度が高く、じめじめしているので、乾燥地域よりも体感温度が高くなります。(今年の夏も熱中症に気を付けましょう💦)
夏の猛暑日は、タクシーの利用が急増するというデータがあります。
なので今回タクシー会社が先陣を切ってEVを導入することは、電動化社会を目指す上でかなり効果的だと予想しています。
2010年のEV量産時に懸念されていた、航続距離やバッテリー劣化等はほとんど解決されています。
更には、EVの補助金・家庭用充電インフラ(V2H)の補助金も、予算が増額され、より広く給付できるように工夫されています。
今回第一交通産業の次世代型営業所について触れましたが、
「こんな社会貢献している会社があるんだ。」と感心するだけではなく、
この先の温暖化対策を国民一人一人が考え、実践していくことが未来を生きる私たちに与えられた使命です。
電気自動車は、ガソリン車とは違う乗り心地です。癖になります。
決して安いものではありませんが、あなたも試乗・検討してみませんか?
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