政治についてまじめに考えてみた⑪ 東京一極集中 其の壱
全国の知事会を経て小池都知事が「(他の知事たちは)違うコミュニティの方」というような発言をしたと話題になっています。
正しく東京の一人勝ち状態を如実に表した発言だなと少し冷めた気分になりました。個人的には4年前の「排除」発言といい、小池都知事のバランス感覚が狂ってきている、これも加齢によるところかと思いますが、ような感じがして気にはなります。御年71歳、恐らくあと20年くらいを逃げ切れば良いお立場なので、そりゃ自分が可愛くなるよなと独りごちております。
小池都知事に関することは今回の記事には直接関係がありませんので、この辺りにして本題に移ります。
先の都知事選で話題になりました「東京一極集中」。
この国家的な問題提起を、当選した現職ではなく落選した候補者が掲げていたことにも色々と思うところはありますが、これも本題ではありませんので詳しくは触れません。
今回の記事で最も力を入れたいのは、
「どうすれば東京一極集中を解消できるの」
という私なりの考察です。
これから記事を書きますが、恐らくかなりの長文になります。もしかしたら連続3回くらいになるのかな、と思いつつ、執筆を進めます。
東京一極集中の何が問題なのか
恐らく東京にお住まいの皆様のうち、少なくとも一部の方は
「東京にヒト、モノ、カネが集まって日本の経済を回すことの何が問題なの?」
という素朴な疑問をお持ちではないかと思います。
これは「農村部から都市部への人口の流入によって資本主義が成り立っている」という図式と大いに関係があります。
必ずしも労働力を供給するのは農村とは限らないだろうとお叱りを受けそうなので現代の日本に当てはめた表現にすれば、「地方から東京に人が集まることで日本の経済が回っている」という図式に課題がある、ということになります。
もちろん地方の人口が今後も増え続けるのであれば、この図式のままで全く問題はありません。ところが既に周知のように、日本は少子高齢化が進み、人口も減少期(オーナス期と言うようですが)に入っています。
地方の実情としては以下のような感じでしょう。
地方から若者が東京に出ていってしまう。
地方には高齢者ばかりが残る。
高齢者向けの施策が充実する。
若者には魅力のない町が形成される。
若者はますます東京に出ていく。
地方の人口減少に拍車がかかる。
地方の税収が下がる。
地方の行政サービスが低下する。
ますます人がいなくなる。
正に地方は既に死のスパイラルです。
当然、人がいませんから出生率もだだ下がりです。
結果として地方から都市部に流入する労働力が少なくなるのは明らかで、その傾向はこれからますます加速すると考えられます。
だったら東京に流れた人で出生率を上げて労働人口を確保したら良いではないか、という話になりますが、何しろ東京は物価高、特に住宅事情は最悪です。つまり日々の生活に手一杯で子どもなんか作っている経済的なゆとりがない。ましてや二人、三人と子どもがいる家庭は少ないし、そもそも結婚していない成人男女も多い。
これらを総合すれば、東京で働く人がそもそもいなくなる、という結論を導き出すのはそれほど難しいことではなくなります。必然的に東京の経済が回らなくなり、日本の経済は大打撃を受けます。
日本という国が衰退、最悪の場合はお隣の国にチベットやモンゴルのように自治区として占領されて日本の国体そのものが危うくなることすら視野に入れねばなりません(このようなタイミングでご皇室の後継者問題が勃発していることにも大いなる危機感を覚えます。これもマスコミによる印象操作だと憤りすら覚えますが)。
地方の衰退と少子高齢化の恐ろしいところは「目に見えないところで、しかし着実に進む」というところにあって、意外と実感がわかない。
そうは言っても着実に日本の労働人口は減少していて、20年と経たないうちに、外国人労働者に頼らなければ日本の経済が回らない(もしそうなればクルド人問題どころの騒ぎではなくなっているでしょうが)、などという状況を思い描いておかねばならない、というのが日本(特に東京と地方)の置かれた現状だということです。
案の定長くなりましたので続きは次回の記事にて。
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