政治についてまじめに考えてみた⑮ 石丸伸二考その拾弐
選挙というと某アイドルグループの総選挙なんかではいわゆる「人気投票」となっていて、現代の政治家でもちょっと話題になったとかバズったみたいな人が出馬すると「人気投票だ」などと揶揄する向きがあったようです。
確かに芸能人とかスポーツ選手とかYouTuberなんかは知名度では一般の政治家のそれを上回るでしょうから、「知っているから」「名前を聞いたことがあるから」投票する、という人気投票的な側面があることは否めません。
もちろん政治家以外のバックボーンのある方であっても立派な政治家として活躍されることもありますので一概に悪とは言いませんが、ただ、やはり政治の素人ではなかなか「国民のための政治」を実現するのは難しいというのが一般的な理解ですし、私もその考えには一定の理解を示します。
随分下火になりましたが、都知事選で石丸伸二さんへの投票行動を「人気投票になった懸念がある」などと報じたメディアもあるようです。むしろ人気投票で当選を目指したのは、これまでの政治家ではないかとふと思い立ちましたのでテキストにすることにしました。
いわゆるバラマキだとか目先の利益だとかをチラつかせて議員の席を確保してきたのがこれまでの政治家ではなかったかと思うわけです。
実際問題、日本の国力は確実に低下しています。はっきり言ってジリ貧です。その苦い現実を国民の前にさらけ出して、それでもなお日本を良くしたい、痛みは国民で分け合わねば日本が駄目になる、などと訴えた候補がこれまでいたでしょうか。
ほとんどの候補が子育て支援だとか消費税廃止だとか目先の利益にまつわることか、脱原発みたいな不安を煽る形で投票を呼びかけてきたのではないでしょうか。
これら目先の利益の獲得や不安の解消を訴えることは結局は人気投票に過ぎないのではないか、というのが私見です。
政治家のお仕事は大きなビジョンを描いて、それを国民に示しつつ、現在の生活とのバランスをどう取るのかを考えることであって、目先の支援だとか不安解消だとかはそれこそ官僚や自治体職員のお仕事です。
そもそも「政治家というのは人気商売だ、国民に分かり易く説明をしなければならない!」みたいに強弁する人が、時を変えて「政治家は人気投票で選ばれてはならない!」みたいなことを訴えていたりするので、翻訳すると「自分の価値観に合わないやつは全部だめ」ということなんだろうな、というのは何となく分かったりもしています。