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#06 【読書記録】考具

ちょっと前、どこかで話題になっていた本。

博報堂に勤務する著者が「アイデアの生み出し方テクニック」を「考具」と名付けて20種類ほど解説しています。テクニックとしては、カラーバス、マインドマップ、ブレインストーミングといったおなじみの方法が解説されています。詳しい方法論は読んでいただいて、ここでは、そもそもアイデアというものに対する考え方を3点まとめました。

⑴アイデアは「わがまま」デザインは「思いやり」

みのまわりの課題に対して「ああしたい!」「こうしたい!」という『わがまま』が、アイデアの源泉だと著者は解説しています。そして、そのわがままを相手が使いやすいように整えてあげる『思いやり』が、デザインであると。

だから、アイデアを出すということは、とにかく『わがまま』である方が良いということです。誰かが気にするから、きっと笑われるから、自分には自信が無いから、、と臆病になってるのでは、良いアイデアは生まれないです。

この『わがまま』論は、ワークショップの場で子供たちの思考を見ていても納得できることでして、学校の教室では多分煙たがられているなーという子からの方が素敵なアイデアが出やすいのに対して、普段から空気を読んでいるような子からは、なかなか出にくいと感じています。集団に合わせることを良しとする、昔ながらの日本社会、その縮図である学校にいるのでは、アイデアは生まれにくい、、という悲しい現実なのでしょうか。

また、ワークショップデザインの観点から考えて見ると、『わがまま』とはいっても誰もがわがままになることは(特に初対面の場、大人同士の場では)難しいので、その点を考慮して「わがままになってもいい」環境をデザインすることが大切です。ワークショップ屋さんが小難しく言う「心理的安全性が担保された空間」の必要性ということです。

⑵アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ

この一言、とても好きです。その要素全てが新しいアイデアは(ほとんど)存在せず、世界を動かすようなビックアイデアであっても結局は既存の要素の新しい組み合わせだということです。

その他、著者の言葉からは、

・少しだけ違っているだけで「新しい」ものである

・最初の段階から完璧さは不要

・量が質を生む

こんな素敵なものがありました。

どれも大切なのですが、特に最後の「量が質を生む」は日々言い聞かせたい言葉です。

「行為には正解が存在する」そんな教育?習慣?を持っている大人は、ついつい完璧さを求めすぎて「量より質」をねらいがちです。正解が存在するという発想からは間違いが生まれます。自分のプライドと自分の発想・発言を過度に結びつけてしまうと、一発で「正解」に辿り着かなければいけない強迫観念に取り憑かれて、、自らの身動きも良いアイデアも失ってしまうのでしょうか。

⑶拡げるときは奔放に、絞るときはシンプルに

著者が言うには、人間は思考を拡げるときには放射状にランダムに動き、まとめるときにはアイデアが一直線にまとまるそうです。

脳の特性から、アイデアを出すときは奔放に、なるがままに任せて、まとめようと思わない方がいいのではないでしょうか。

アイデアを拡げるときの頭の使い方と、それらの実現可能性を検討していくときの頭の使い方は異なるので、二つを同時にすることは良質がアイデアが生まれにくい、、ということでしょうか。

時間をおく、場所を分けるなど、二つの行為を意図的に区切ってやってみるのがいいのではないでしょうか?


私は全くおもしろいアイデアが浮かばない人間、、なので、様々な発想法を知りつつ、自分に合ったものを活かしていきたいです。







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