孤独感とのある時間

私の中にはいろいろな住人がいる。

その中に、孤独感のボーイがいる。


彼の名前は「勿忘草」からとってなぐさ、と名付けた。

なぐさはたまに私から少し離れた壁にそって、体育座りをしている。

私も彼に合わせて、若干遠めに、体育座りをする。

お互いに同じ方向を向いたまま、口数少ない会話をして、ぼーっとしている。そんな間柄である。


たいてい、私が落ち込んでいるときにあらわれる。

今回は、柔らかいひよこのぬいぐるみを握った手を私に向けて

「いる?」と言ってきたので、とりあえずもらった。

お風呂上がりだった私は、洗面所の床に、彼と、いつもの間隔をあけて座った。


はたから見たら、ただ私だけが床に体育座りして落ち込んでいるだけなんだろう。でも、彼らは私にヒントをくれるし、いい子だ。

そんな彼が、今日は隣でこういった

「……君と相手は違うからね。僕らはずっと一人なんだ。でも、君だけじゃなくて別の人もそうなんだって、わかってるだろう?」

わたしはもちろん知っている。

でも悲しいという気持ちは消えない。

そう彼に言うと、彼もなんとなく哀愁が漂う目で私を見て、その後は私も彼もぼーっと壁を見ながら、考えてるのかもわからず、時間を過ごした。


「なでようか?」とか、彼は言ってきたけど

空気が撫でても何にもならないから、断った。

その心遣いはうれしかったから、お礼だけ言った。

まあ、そのあといなくなっちゃったけれど。



きっとみんなからしたら意味が分からないんだろうなあ、なんて思いながらこの文章をここに書く。

状況が伝われば、うれしい。

共感する人がいたことはないけど、いたらもっと嬉しいよ。えへへ。






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