推し活
昨今では"推し活"という単語が流行し、オタク文化に接点が無かった人たちの間でも有名人やアニメのキャラクターなどを"推し"の対象として日々の癒しを得ることが一種の趣味として認知されるようになりました。
元来、"推し"という単語は主にアイドル界隈で使われていたものだと思いますが、SNSなどを通じて世間に浸透し、楽しみ方の幅も広がったのですね。
流行として広まっている"推し"というフレーズは単に自分の好きなものを指す単語のように聞こえますが、アイドル界隈では本来、自分の好きなメンバーの子を"応援する"という意味で使われるのが一般的かと思います。
応援するというのが具体的にどんな行動かと言われれば、地上アイドルではライブに行ってペンライトを振る、コールをするといった盛り上げ方、配信での課金やSNSの拡散、CDやグッズを買うといったことが挙げられると思いますが、こと地下アイドル、ライブアイドル界隈ではその点ハッキリしていると思います。
この界隈での応援する行動は主に二つ。
1番に現場に行くこと。
2番にお金を使うこと。
だと思います。
この点は、ある程度長くオタクをしている方なら全体としてそのような価値観が浸透していることに共感してくれるかと思います。
もちろん、他にも先ほど述べたペンライトを振る、コールをする、SNSで活動を支持する等も応援する行動の一つにはなりますが、これらの行動には明確に序列があり、1番と2番の行動をよりしてる人が優遇される場面が多いです。
対バンイベントでの「お目当て入場特典」や都市ツアーなどで多くみかける「全通特典」、ワンマンライブで実施される「招待特典」、リリースイベントの「購入ポイント特典」等の類いは1番と2番の行動がアイドル側・運営側への貢献度が高いものとして評価されていることから実施されるものです。いくらペンライトを振っても特典は受けられませんし、SNSでの応援をいくら頑張ったところでせいぜいリツイート企画と称したものでショボめな特典を受ける程度です。運営が客側にコストを割いて還元するに値するものが1番と2番の行動であり、それ以外の行動はせいぜい「いつも応援ありがとうございます」の一言で片付いてしまう程度の行動ということです。
特典を例に挙げましたが、それ以外の形でもこれらの行動の効果が現れるケースは多々あります。私が目にしたケースでは、月に10~20回開催されるイベントのほぼ全てに足を運ぶオタクが、推しメンの生誕ライブのチケットについて運営から整理番号の優遇を受けたという例や、月に100万円単位でチェキの売上に貢献するオタクが推しメンと喧嘩し、推しメンが運営へ出禁の申し出をしたにも関わらず、運営が出禁措置を却下するどころか謝罪までさせたという例もありました。
こういった特別扱いは運営側からのものだけに限らず、客側の空気感にもそれとなく浸透しており、毎回ライブに足を運び、4~5年単位で継続しているオタクが周囲のオタクに尊敬されるといった現象や、最もお金を使っているオタクがTO(トップオタク)と呼ばれる現象からも、応援度合いとして重視されていることが見て取れます。
なぜ、1番と2番の行動が評価されるかというと理由は簡単で、グループの発展に最も効果的であり、かつ難易度の高い行動だからです。
もちろん、無理をすることは良くないと思います。
個人個人のできる範囲で応援し行動に移すことが一番ですが、
この2点の行動が頭一つ抜けて評価されるという点は、地下アイドル界隈で"推し活"をする上で頭に入れておくべきだと思います。