チケ発
私が女性地下アイドル界隈でオタクとして活動していた頃、最も得意な分野がこの"チケ発"でした。チケ発といっても大きく2種類、先着販売と抽選販売があり、先着販売を「叩き」、抽選販売を「投げ」とこの界隈では呼びます。どちらも人によって得意・不得意がありますが、私はこのどちらも得意としており、自分が遊びに行くライブ以外のライブについても知人からの協力依頼を引き受けてはこのチケ発を行っておりました。
まず、この「叩き」と「投げ」の違いについてですが、ご存知の人も多いと思うので細かい部分は端折ります。
「叩き」
先着販売のチケットは、販売開始時刻に早い者勝ちで整理番号が1番から順に売れていきます。整理番号が早いチケットは争奪戦となるため、人間が手動でチケットを取得するスピードを遥かに凌駕する所謂"bot"が横行します。botは一種の不正アクセスに当たりますが、アメリカのようにbotの使用を取り締まる法律は無く、販売サイト自体もbotによるチケット取得かどうかを判定することが難しいため、bot使用者にとっては無法地帯となっています。チケ発にある程度詳しい方ならわかると思いますが、ここではもはやbot同士の対決となっており、よりスピードの高いbotが重宝される世界となっています。
「投げ」
抽選販売のチケットは、チケット申込期間中に申し込まれた枚数に対して整理番号がランダムに振られる形式です。複数アカウントで大量に申込を行い、整理番号の早い番号を入手、その他の余分なチケットは定価手数料で他人に譲渡する形が一般的なため、叩きと比べて手間とお金がかかるのが特徴です。購入枚数が多すぎると譲渡前の入金額が多額になる上、譲渡が全枚数きっちり成立しなければ値引き等の対応で赤字を生む可能性もあります。また、整理番号がランダムで振られるため複数申込をして赤字を生むリスクを背負う上に早番が入手できないという可能性もあります。あくまで、入手確立を上げる行為にすぎないという点がポイントです。
この2種類のチケ発ですが、それぞれに得意・不得意というものが存在します。どちらも一朝一夕で上手くいくものではなく、安定するまでには相当な期間と労力が必要になります。
まず、叩きですがそもそも自動購入botがなければ話になりません。手動購入で早い番号を入手することも可能なケースはありますが、その場合は常にbotより不利な立場でチケ発に挑むことになるのは避けられません。
私は職業柄、プログラムコードをいじることが多いためbotを自ら作成していました。このbotも販売サイトごとに特徴が異なるため、画面操作を自動で行うプログラムを作っただけでは上手くいかないケースも多々存在します。botを動作させる端末、通信回線のUP/DW速度、ping値、メモリ、CPUコア、IPアドレス、botの起動タイミング、標準時時刻とのズレの調整、販売サイトごとの設定知識等々、botの精度を向上させるために研究を重ねる必要があります。
自らbotを作成する知識や技術が無い場合は、botを所有している人に依頼をする方法もあります。自らの友人、知人にbot依頼をできる人がいれば話が早いですが、なかなかすぐには見つかりません。また、そういったbot所有者も維持費や管理コスト、設定の手間等がかかっているため依頼料を払う必要も出てくるでしょう。SNSで検索するとチケ発代行業者がいくつか見つかるかもしれませんが、その中にも優劣があることと依頼料の差があったりと様々ですので、どの依頼先に頼むのが一番よいのか見極めるための時間的、金銭的コストを伴います。
長期的に叩きを行うのであれば自らbotを作成ないし購入するなどして所有し、メンテナンスを行っていく。短期的にスポットで叩きを行うのであれば
依頼を受けてくれる知り合いなり業者をいくつか探っておき、ここぞというときの依頼先を何件かストックしておく。というのがおすすめです。
投げについては、いたってシンプルです。抽選販売のチケット申し込みをアカウントを複数用意するもしくは友人、知人に申込を依頼するなどして複数申込します。このときの申込数は、イベントごとに異なるためイベントの人気度合、チケットの需要を見極めて決めるのがポイントです。申込が完了したら、抽選結果を確認し、入金をします。チケットが発券されたら番号を確認して不要なチケットは友人、知人やXで譲り先を見つけて個別でやり取りをし、定価手数料で譲渡します。この方法でチケットを必要枚数分購入し、早い番号のチケットを入手することがゴールになります。ここで注意しないといけないことは、申込数が多すぎて当選しすぎてしまうことです。当選が多すぎると、その分入金額が膨らみ、チケットの譲り先が見つからなかった際に無駄に多くチケットを買ってしまうことになります。この点については、"人間関係"を作ることでそのリスクを減らすこともできます。例えば、「この人からチケットを買っておくと良いことがある」「この人は前もチケットの取引をしたことがあるから安心」といった具合に信用ポイントを貯めていくのです。例えば、余ったチケットの中でそこそこ良い番号のチケットを渡すであるとか、別の何かでその人のチケ発を協力するであるだとか様々です。この点については人によっては難易度が高いかと思いますが、こういった日々の取組みを継続していくうちに投げについても他の人よりも良番を手に入れる確率を上げることができるわけです。
ここまで「叩き」と「投げ」について語りましたが、販売サイトによってはある裏ワザが使えることがあります。普通の人では知りえない、チケ発を長年する中で発見したものですので有料公開としようと思います。
この内容については後日、別の記事で個別に書こうと思いますのでチェックして頂き、今後のチケ発に役立てて頂ければと思います。