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VJ中の脳内(v1.0.1)

導入

本記事は #VJアドベントカレンダー Day25の記事となります。

いつもお世話になっております。VJのScreenSaverです。今回はScreenSaverのVJ中の脳内(考えてること)についてまとめてみたいと思います。
2024年10月18日に開催された「ビジュアル演出概論#001」でお話しさせていただいたことに、ほんの少しだけ補足をした内容になります。

前提

本記事の内容はいわゆる「個人のVJ論」というやつになりますが、これを語るにあたってひとつとても大切な前提があります。それがこちら↓

一番大切なやつ

これからお話しすることは、個人が体感として得てきたものをさっくりまとめただけにすぎない、数ある説のうちの一つです。人には人のVJ論ということです。そういう意見もあるんだなあ、くらいでお読みください。

❶箱と窓

ひとつめのテーマは「箱と窓」です。
ScreenSaverはVJする際、画面を箱に空いている窓と考えている事が多いです。

「空の映像」というより「窓の外に空が広がっている」感覚

プロジェクターでもLEDでも、ちょっと変な形のマッピングでも「そういう形の窓」としてやってます。
屋外だとちょっと変わって壁になることが多いですが、屋内が多いので基本的には窓で考えてます。
あんまり映像とか画面とかのイメージではやってないです。

その時使用する映像は、窓の外に広がる音楽の世界を視覚化するようなイメージで選んでいます。
音に合わせて世界に青空が広がってたり、宇宙だったり、みんなが乗ってる箱自体が音と同じスピードで動いてたりします。

アーティストロゴとかカメラ映像とかを使うこともありますが、基本的には同じ考えです。
このDJでかい〜〜〜とか思った瞬間は、窓の外にでかく名前を出すイメージでロゴを出したりしてます。

みんなが入ってる箱を音に合わせて振ることもあります。

振るとよく酒が回っておもろい

例えば、前進している絵と後退している絵を交互に出したり、右に流れる絵と左に流れる絵を交互に出したりします。
箱の代わりに窓の外を動かすことで、箱が振られてるような錯覚を体感してもらって、心身共に音楽と一体化できるような空間を作っています。

とは言っても、映像は映像です。
そこで次に、どんな音をどんな世界観に変換しているかについてお話しします。

❷色と音

色と音については、このように考えています。

視覚化だから揃えたり寄せたりする

私はVJを、音の可視化行為だと考えています。なので、VJする時は、耳から聞こえた音を目に見える形に頭の中で変換しています。
先ほどの箱と窓のイメージで言うと、音を景色に変換したものが窓の外に広がる形です。
音を映像に変換する際に気をつけているのがこの、色数と音数です。

映像は情報量が多く、様々な要素があるため、他にも、BPMと動きのスピード、音数とオブジェクトの量、テンションと光量などを揃えるようにしていますが、ここでは色数と音数について書いていきます。

画面の例を出していきます。(なんか見たことある映像だなと思っても気にしないでいただけると助かります。)

音数が少ない時は暗めで作ることが多い
音数が多い時は明るめで作ることが多い

基本的には、鳴ってる音に対して頭の中でハマった色を使っています。
ただ実は、感覚ではカバーできない部分というのがあります。
それがこちら↓

ジャンルに既に色がついてるパターン

音楽のジャンルには、既に色がついてることがあります。

その色は、カルチャーの歴史を由来としています。
わかりやすいところだと、例えばレゲエなら赤黄黒緑とかのラスタカラー。(知らなかったら私だったらなんかオレンジとか出しそう。)
全然イメージ無いけどドラムンベースは赤だそうです。私だったら青黒とかでまとめたくなるのですが、カルチャーの歴史を紐解くと、なんか赤なんだそうです。
各カルチャーの歴史と色については勉強中なのでこれ以上の言及は控えますが、音と色は感覚以外でも紐づけられる、ということです。

❸光と音

次に、光と音についてお話ししていきます。照明さんとかも関わってくるやつです。VJの醍醐味のひとつでもあると思ってます。光と音については、ざっくり大枠で、以下のように考えています↓

めっちゃ感覚の話

外側を向いて聞きたい音は明るく、内側を向いて聞きたい音は暗く。こういったことを意識して、その時の音を聞きながら画面の光量を調整しています。
先ほどお出しした画面の例で言うと・・・

己の内側を向きながら聞きたい音の時はちょっと暗めが多い(感覚)
己の外側を見ながら聞きたい音の時は明るめが多い(感覚)

こんな具合で映像を組み合わせてることが多いです。
このへんは突き詰めましたがどうしても感覚の域を出られませんでした。理論にしたかった・・・

❹黒と音

最後のテーマは、VJにおける黒色についてです。一番大事なやつです。

全然使わないでいるとなんだか締まらないし、使いすぎると映像トラブルだと思われることで名高い、黒色。こちらについてお話ししていきます。
VJにおける黒色は、2種類あると思ってます。それがこちら↓

(#ARGB)でアルファも書けるの初めて知った

黒色と透明です。

VJでは黒色というひとつの色が、場面によって黒色と透明の2色に変化します。

ScreenSaverは基本的に、透明はVJ消えたくなった時に使います。
VJ消えたくなる時は、主に逆光とかスモークとかで、とにかく先ほどの「窓」の形、枠を意識させたくなくなった時です。
窓ではなく、画面の枠が浮いて見えてしまう場合があります。そういう時には、消えます。
音のキメとかに使うことも多いです。照明さんとハマるとめっちゃ気持ちいいアレです。

黒色は全部の色の中で一番深くて大きいので、とにかく空間を深く沈めたい時とかに面積を多く取ります。先ほど書いた❷色と音❸光と音で使ったようなやり方が多いです。

まとめ

今回のお話をまとめると、こんな感じ↓になります。

ScreenSaverのVJ中の脳内では、窓の外に広がる音を可視化した環境の構築が行われ続けている。

また、音の可視化は主に色・明度等、映像に含まれる様々な要素を組み合わせて行われている。

冒頭でもお伝えした通り、VJってほんとにかなり諸説あります。なので定説とか基本あんまり無いと思ってます。今日お話しした以外にもいろんな要素があり、それぞれのVJさんで考え方や捉え方、感じ方が違うと思います。
今回お話しさせていただいたのは、ScreenSaverの頭の中ではこういうことが起こっています、という、あるひとつの例でした。

質問コーナー

LT後に参加者さんからいただいた質問の中で、印象的だったのとお答えした内容を書いていきます。

❶本VJ論を組むにあたって、影響を受けた作品等はありますか?

→影響を受けたと言うよりは途中で出会ったという形に近いのですが、ジェームズ・タレルさんの作品が非常に好きです。箱と窓の考え方は、ジェームズ・タレルさんの作品を拝見して「そうそうそういうこと〜!」となり明文化に成功しました。本来枠外であるはずの世界そのものを作品として捉える感じがめっちゃ好きです。新潟にはジェームズ・タレルさんの作品に泊まれる施設があるらしい、生きてるうちに絶対行きたい。

あとなんか一個あった気がするんだけどド忘れしたので思い出したら追記します・・・・・・・・

お読みいただきありがとうございました!

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