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なでしこリーグ入替戦予選大会を終えて
毎試合後twitterにて発信するようにしていますが、到底140文字では収まらないほどの日々・感情でしたので、初めてnoteを利用してみます。
非常に長文になりますが、ぜひ最後まで目を通して頂けると幸いです。
まずはレノファレディースに関わる全ての皆さん、いつもご支援・ご声援をありがとうございます。
予選大会が終わって2日経ち、今の率直な気持ちは「とても前向き」です。
これは「結果に満足しているから」ではなく、結果も踏まえて「前を向くしかない」からです。
遡ること約1ヶ月半。
予選大会参加のための全ての審査を通過し、参加権を手にすることが決まりました。
少しSNSでも話題になりましたが、南葛SC(関東1部)やVONDS市原(関東2部)などの強豪チームが審査を通過できずに参加できないとのことで、この環境は決して当たり前ではないということを改めて実感しました。(選手も感じているでしょう。)
組み合わせ抽選会を経て、
・ヴィアマテラス宮崎(九州L1部)
・ディオッサ出雲FC(中国L)
・FC今治レディース(四国L)
との対戦が決定。
参加チームの中でどこも容易な相手ではないことは重々承知していましたが、それでも相当な覚悟が必要だと感じました。
それに出雲・今治とは今シーズン、公式戦・練習試合でともに敗れている相手で、それもただの敗戦ではなく、どちらも大差をつけられての完敗でした。
特に今治との試合は今シーズン"ワーストゲーム"と言って良いほど、心が折れそうになりました。
そんな強豪相手だからこそ、むしろ気負いし過ぎずにこの大会に臨めたのかもしれません。
そして初戦。ヴィアマテラス宮崎。
フィジカルを活かしたパワーのある相手に対して、どれだけチャレンジできるか。
・初戦の重要性
・支援して頂いた方々のために戦う
・山口に残っているメンバーの気持ちも背負ってプレーする
全て当たり前のことですが、とても大事なことです。
前半開始直後から我慢の時間が続きますが、これも想定済みではありました。
入りから全員で体を張り、耐え忍んで何とか踏ん張りました。
しかし、FKのこぼれ球から押し込まれてしまい先制点を奪われ、CKからのチャンスもありましたが、カウンターの矢を放てないまま、0-4で敗戦となりました。
2戦目。ディオッサ出雲FC。
言わずもがな、中国リーグの絶対的チャンピオン。スカウティングからボール保持されることも想定していましたが、引き込み過ぎずに、前から奪いに行く回数を増やそうと準備しました。
アップ前、ふと感じて選手たちに「根拠は無いけど良い試合が出来そうな気がする。」と伝えました。それに対する19.浅田梨花の「根拠の無い自信は大切だから」という返答に全員が引き締まったような気がしました。
試合開始直後から、ボールを保持され続ける展開。その中で前線の3枚を中心にプレッシングで奪いに行こうとしましたが、あと少しのところで逃げられ、高い位置では中々奪えず。
1試合目同様にカウンターから攻撃の糸口を見出しますが、決定機は作り出せず。
しかし、1試合目と確実に違ったのが、守備の強度。何度もゴール前に侵入されても、何本もセットプレーを浴びせられても最後の最後全員で踏ん張ってゴールを死守しました。
しかし、相手の熱がどんどんと上がっていく中で、PK戦の準備も考え始めた70分。残すところAT2分で試合終了という時間にCKの混戦から失点してしまい、そのまま試合終了となってしまいました。
本当に僅かなワンプレー。
だけれどこの1点がそれ以上の大きな差なんだと実感しました。
選手たちの涙する姿に何と言葉を掛けて良いのか、分かりませんでした。
というより、言葉を掛けた瞬間に自分も涙してしまうのが分かったので、声を掛けることが出来ませんでした。
甘いと感じる方もいるかもしれませんが、過去と比べると
この強豪相手に「悔しい」という感情になることは、それだけチームが成長している証だと思います。
勿論、こういう試合でも勝ち点を積み上げられるチームにならないといけないのも理解しています。
ここまでの2試合と他チームの結果によって、順位決定戦進出の可能性は無くなりました。
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3戦目。そして最終戦。FC今治レディース。
お互いに順位決定戦進出が無くなった状態での試合。
事実上、所謂"消化試合"となってしまいましたが、
選手には
「来年のリベンジに向けての最初の試合」
という意識づけで戦うように伝えました。
「終わりよければすべてよし」という言葉や
「スタートダッシュが肝心」というどちらにも当てはまる試合となりました。
台風の影響でピッチコンディションは悪く、水溜りでボールが止まる状態。
中々思うような試合にはならないことが想定される中、
前半15分に狙った形から先制点を奪うことができました。
3日間を通して唯一の得点。
勿論、これまでのどんな得点も嬉しいゴールでしたが、この1点は数字的価値以上のものがある。そんな印象深い得点となりました。あの瞬間は一生忘れません。
その後、セットプレーから失点してしまい、1-1でPK戦へ。
結果は3-5で敗れてしまいました。
サポーターの方のツイートで「PK戦は勝者を決める儀式のようなもの」というお言葉を見かけましたが、まさにその通りでPK戦自体に後悔はありません。(責任はありますが)
こうして、2022年レノファレディースのなでしこリーグ挑戦は、勝点1・Bグループ4位で幕を閉じました。
「観ている方が楽しいと思えるサッカーだったか?」と問われれば、決してそんなことはなかったと思います。
ただ、格好悪くても必死になって掴んだ、1ゴールと勝点1は必ずレノファレディースの未来に繋がります。
前回の挑戦(2018年)から4年。
選手が1人になったこともありました。
私が就任した昨年頭は、社会人選手3人のみでした。
そこから約1年半でこの舞台に戻ってこれたのは、紛れもなく選手・スタッフ・パートナー企業・サポーターの方々を含め、レノファレディースに関わる全ての皆様のお陰です。本当に感謝しています。
今大会対戦した、渡邊玲奈選手(今治)・渡部豊子選手(出雲)や観戦に来てくれた、元レノファ戦士たちにもレノファレディースが息を吹き返したところを見せられたのではないかと感じます。
この大会を通じてご協賛頂いた皆様。
そして何よりこの3日間、遠い静岡の地へ駆けつけて頂いたサポーターの方々に改めて感謝申し上げます。
参加8チームのどのチームよりも多い横断幕が、1番輝いていて、苦しい状況のチームを何度も救ってくれました。あの後押しなくして、我々は戦えません。
これからも変わらぬご声援をよろしくお願いします。
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レノファレディースの今季の闘いも残すところあと4試合となりました。
来年のリベンジに向けての4試合です。
選手とともに結果で恩返しできるように闘います。
皆さんも一緒に闘ってください。
改めまして、この重要すぎる大会において、月並みではありますが、ご支援とご声援を頂きました皆様に感謝申し上げます。
来年こそ必ず静岡で歓喜の瞬間を。
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