罪悪感

祖母が鬱になったと聞かされた。話は聞いていたが、実際に祖母に会うのはそれからしばらく経って去年の暮れのことだった。

久しぶりに見た祖母の顔は思っていたより元気そうだった。昼間台所とリビングを動き回る姿も私の知っている元気な祖母そのものだった。短い滞在で私が祖母のためにしてあげられることは少なかった。
ある夜、家族が寝静まった後で祖母とリビングに2人きりになった。眠れないからと寝室から降りて来た祖母の肩を叩きながら1時間だけ話をした。
私の祖母は背の高い人だった。中学に上がるまでずっと小さかった私はこれまで祖母を見上げ続けてきた。
背中を丸めて肩を揉まれる祖母は小さく、俯いたまましきりに申し訳ない、もったいないと私に謝っていた。

祖母はきっと真面目に生きてきたと思う
なぜ、そんな祖母が私に謝るのか
祖母の憂鬱は私には理解できない
ただ体を丸めて頭を下げる祖母のイメージがいつまでも消えない

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