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死で堕ちたオタクがようやくマーキューシオに会えた話 ー前編ー

2021年5月2日、星組『ロミオとジュリエット』某ウイルスのせいで急遽B日程千秋楽となってしまった公演のライブ配信を見ました。

やっと会えた!!!!!!!ぴーマキュに!!!!!!!!!!

3月の人生初宝塚、Aパターン観劇から2ヶ月弱。この2ヶ月間、1人キャトルデビューをし、友の会に入り、おとめを読み込み、家族には引かれる日々を過ごしておりました。

Twitterで日々流れてくるぴーマキュツイートを見ながら私もぴーマキュに会いたくて会いたくて震えていた頃、全Bパターンの亡霊が渇望していた円盤化が決まり狂喜乱舞しながら予約。
Aパターンの円盤と千秋楽の配信を楽しみにBパターンは大人しく6月まで待とう、なんて思っていたところに突然舞い込んできたライブ配信決定のお知らせ。もちろん今回このライブ配信に至った経緯は決して喜べることではなくて、思うことはたくさんあるのですが。

これが見られる世界線でよかった!!!!!!!本当に!!!!!!!!!!!宝塚歌劇団さま本当にありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そろそろ本編のお話へと移りましょう。今回は配信を見ながらスマホのメモに感想を書き殴ったので、それをもとにストーリーに沿ってつらつらと書いていきます。今回は前編として一幕のお話を。
主に天華えまさん演じるマーキューシオと愛月ひかるさん演じる死、このお二人のことばかり書いていくと思いますしおそらくながーーーーくなりますがお付き合いください。

・プロローグ

これが「愛ちゃんの死」………!度々世間を騒がせたやつですね。
天華えまさんの死、以下ぴー死と呼びますが、ぴー死には感じられた甘美さがまっっったくない。美しくはあるんですよ。めちゃくちゃ美だけど、甘さがひとつもない。天華さんご本人もラジオで仰ってましたが、愛さんの死はまさにヴェローナの全てを操っている存在で、とにかく冷たく恐ろしかった。あれはロミオも怖いわ。

愛、希沙薫さん。めっっっっちゃ可愛い!!!!!男役さんとはとても思えん……本当に可愛かった………基本ぴーマキュと愛さん死で発狂してるスマホのメモに一言「きさちんかわいい」って書いてありました。書いた記憶全くないんですけどね。愛なので優しくふわふわしてるんだけど、「この2人は私が絶対幸せにするんだから…!」っていう意思の強さと言いますか、芯がしっかりあったなあと感じました。

・ヴェローナ

待ち続けたぴーマキュ!!はじめまして!!!
ルサンクの写真より剃り込みライン増えてるし、ま〜〜見た目からすごいインパクトですよね。瀬央ティボのところに行って「お前頭おかしいなあ」みたいに頭トントンしながら煽ってはあかベンに制されてむすっとしてあかベンの肩に顎を乗せて大公を小馬鹿にした目で見ていて。

「俺を呼んだ?おじ上」なんてもう舐めてる以外何物でもない。彼にもきっと良家の子らしく大人しめに暮らしていた時期があったんだろうなあと思うと、ロミオやベンヴォーリオに出会えてよかったなと思う反面、若者をもこう変えてしまう大人たちの罪はやっぱり重いなと思います。

そう、この場面といえば大公役、遥斗勇帆さん。何期なんやろ〜って調べて、99期って出てきたので見間違いだと思って3回検索かけました。盛ってない、ほんとに3回調べた。歌の安定感もさることながら大公としての貫禄がすごすぎる。たぶん専科ですって言っても通る。

・憎しみ

マーキューシオくん。ちゃんと人の話を聞きなされ。
頭掴まれてるベンヴォーリオを見ては爆笑し、女たちの言葉に耳を傾けてと怒るモンタギュー夫人に対しては「もぉ〜〜。」って言ってましたね。
誰かへの憎悪という感情が幼い頃からあまりにも身近にありすぎて、これがネガティブな感情だということに気がついていないかのような振る舞いに見えました。

ティボルトはその感情を持つ自分は本当の俺じゃないと言っているし(本当じゃないはずの俺に飲み込まれてしまうのだけど)、ベンヴォーリオはこれがいけないことはわかっていて(どうすればいいかわからないから行動に移せない、特に決闘)、かつモンタギュー三人衆の中では一番現実を見ている感じかなあと。ロミオが夢見すぎなのはあるけど。

そして死。2番手だからなのか(そうです)カメラさんが愛さん大好きなのかはたまた両方なのか、全編通してめちゃくちゃ抜かれてましたね。ぴー死がふにゃっとした気持ち悪さだとしたら、愛さんの死はべっとりした気持ち悪さだった。
気温が高くて鬱陶しい暑さと、湿度が高くて鬱陶しい暑さみたいな。

「蛇のように蠢き続ける」のときの身体中の骨という骨を無視したかのような柔らかい動きでゾクっとしました。この上なく美しいのにこの上なく気持ち悪かった。

・いつか

ことさーん!!綿毛多めに飛んでましたね!!「綿毛多め」ってメモが残ってました。
ロミオに限った話じゃないんですが、本当にこの役ハマりすぎじゃないですか?夢見がちなおぼっちゃまで、純粋で優しいけど繊細で。
そして本当に歌が上手い……安定感の権化。

なこちゃん。かわいい。彼女を形容する言葉にかわいい以外の単語が存在していることはもちろんわかっているんですけど、もう視界に入るとかわいい以外出てこないんですよ。
今日のジュリエットはね、最初からちゃんと16歳に見えたんです。芯の強い子ではあるんだけど、子どもに見えた。観劇した時は天国のシーンまで子どもに見えなかったんですが。

ロミオが「どこにいるの 本当の恋人 僕のためだけに生まれてきた人」とだいぶ妄想の世界に入っているのに対して、ジュリエットは「愛がなければこの世は闇よ」と彼女なりにヴェローナの街では愛より憎しみの方が強いと理解しているような感じがしました。両親の愛のなさには気づけなかったのか、気づかないようにしていたのか…

さて、綺城ベンヴォーリオ。さっきからあかベンと呼んでおります。このシーンのあかベンは、ブーツのデザインの矢印が気になってしょうがなかった。笑 
ベンヴォーリオに関しては決闘〜でまた語ると思います。

・キャピュレット家にて

パリスがあまりにも美形。「ヴェローナ中でティボルトのことを知らない者はいませんよ」の言い方がうっぜえ〜〜。笑 差し出された手を弾き飛ばしたティボルト、正解だと思います。
髪の毛に緑の三つ編みがあって、そういう劇場ではオペラロックオンしないと気づけないような細かいところに気づけるのは配信のいいところかなあと思いました。逆に自分がロックオンしたいところが見られないのはあれだけどね。

「お前は家を守ることだけを考えるのだ」の天寿パパ。目が怖すぎる。ティボルトの目力もみなさんご存知の通りですが、私がティボルトだったら「こんな怖い人の跡なんて継がれへん…」ってなります。毎日化けて出てきては説教されそう。
あと髭の似合い方が尋常じゃないですね、なんかもう日頃からそのお髭で生活されてます?ってくらいの馴染み具合でした。一緒に見(させられ)ていた家族も天寿さんのお髭に反応してた。

さっきまでパリスにガンを飛ばしていたティボルトがジュリエットのことを考えた瞬間に表情が柔らかくなっていて、こっちが本当の彼というか、こっちがあるからティボルトという人間が保たれていたような。こっちが無くなってしまったのがジュリエットの結婚を知った時で、そこでティボルトという人間が崩壊したのかなと思いました。あとで詳しく書くけど、目がイってたもの。
あとバラはドンマイでした。笑

・世界の王

ここが楽しければ楽しいほどこの後が辛いってわかってるのに、「ロミオはまるでお前の王様だな」っておしりふりふりしてるマキュちゃんでめちゃくちゃに元気になってしまいました。ロミオの前だと本当に3歳児。

神父様の言う通り本当に女たらしで、ほんっっっとにずーっと女の子触ってましたね。でもボーイズとも仲良さそうに絡んでて、やんちゃだけどみんなに好かれる存在、男女関係なく憧れられる存在なのかなと思います。ガールズは憧れ≒好きみたいなところもあるのかな。『歌劇』4月号のあかさんのえと文での女子からのマーキューシオ人気がそれを物語っている気がする。でなきゃ決闘で刺された時に全員が瞬時に戦いを放棄して駆け寄らないよね。

・マブの女王

「今夜ヴェローナの〜」のヴェの発音!!!ちゃんとBじゃなくてVで耳が幸せでした。
今夜「は」付き合えよ!ってことは今までもそういうバレたらヤバいようなことを2人は画策していて、ロミオは断り続けてきたけれど何かするたびに(主にマから始まる方の人が)色々やらかしてくれるのでこれはさすがに行って監視しないとヤバい、と思ったんですかね。

そう思わせたのも死なのかもしれない、愛さんの死ならやってそう。ぴー死は割と受け身でロミオの心の中を覗き見しながら「そろそろかなあ〜?スルッ」って心の中に入っていく感じだけど、愛さんの死は能動的に心をぐいぐい操って、隙間を作ってからそこに身体をねじ込んでその中で膨れ上がる感じがしました。それが膨れ上がったからすぐに僕は怖いなのかな、とか考えています。

・僕は怖い

ロミオを前にして恍惚とした表情をするのはぴー死と同じだけど、愛さんの死はそれにプラスで獲物をとらえたかのような鋭い目を向けていたのがすごく印象的でした。カッと見開いて後ろから見つめていたその目力が凄まじい。
魂を食べる振りのところだったりロミオの顔を手で覆うところだったりの、指の曲げ方っていうんでしょうか、関節一つ一つを自由自在に動かしている感じ。愛さんって人じゃなかったのか…って思うくらい、人間味を感じなかった。関西なので放送がまだなのですが、カフェブレでの役作りのお話が今から楽しみで仕方ありません。

・仮面舞踏会

ここまでで約4000字書いてしまいました。まだ仮面舞踏会なのに。

仮面舞踏会のマーキューシオを初めてちゃんと見ました。本当に君って子は……って思ってたらベンヴォーリオももはやスカートめくりなんて呼べないくらいガッツリスカートの中覗いてた。彼にどことなく真面目さんなイメージを抱いていた(隣が破天荒すぎる)ので思わず吹いちゃいました。

パリスの「じゅりえっとぉ〜〜、見つけたぁ〜〜」はどこぞのホラー映画だという気持ち悪さだし、ジュリエットと踊りに行くんじゃなくてパリスを阻止する方に徹するティボルトを見てきっと彼は昔からこうだったんだろうなと。ジュリエットが困っている時、手を取って導いてくれる王子様的存在ではなく、身を挺していつも隣で守ってくれるお兄ちゃん。だからジュリエットが彼に恋愛感情を抱くことは今までなかった、そしてこれからもない気がします。たとえロミオと出会っていなくても。

・本当の俺じゃない

すぐに拳を握り上げて戦い始める自分が本当の俺じゃないってわかってるんだったら、どうかそれを忘れないでいてほしかった。本当の俺はジュリエットを愛する1人の青年だって、そう胸に刻んでいてほしかった。

銀橋でナイフを鞘から取り出して見つめながら憂いだ表情を見せたんですよね、瀬央ティボ。ジュリエットへの想いと、自分が自分じゃないことへの恐怖と、憎しみを植え付けた大人への怒りと、そんな風に思ってしまうことの悲しみと、全てが混ざったような何とも言えない顔。
マーキューシオの死もこたえるのだけど、個人的に一番「可哀想」だと思うのはティボルトなので、この時ばかりは彼を救ってあげたいという気持ちに駆られました。

・バルコニー 〜綺麗は汚い

この辺りは登場人物について色々考えるよりも先に個々の可愛さで脳がやられてしまってまともな感想が書けないので、同じくまともではないスマホのメモを貼り付けておきます。

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もし今後、万が一しっかり書く気になったら加筆訂正しているかもしれませんが、今のところバルコニーのことを考えれば強火礼真琴推しのなこちゃんが、教会のことを考えれば神父様に抱きつくロミオが、綺麗は汚いを考えればベンマキュ乳母が頭から離れないので…

本物の両手ドンが見れて大満足です。ごちそうさまでした。

・あの子はあなたを愛している

うるうるしてたのに何も知らない家族が乳母の帽子?を見て「スイカの妖精」とか言うので一気に涙が引っ込んでしまいましたが。

みほちゃんも歌の迫力がすごい。あと意外と小麦肌なのがびっくりでした。観劇時は気がつかなかった。
あの子はあなたを愛している、それ以上にあなたがジュリエットを愛して育ててきたんですよね。この私にも勇気をくださいって言うけれど、十分勇気しかないと私は思います。ロミオなんざ雑巾発言も、パパの気持ちがわかっているからこそだったのだろうなと。ちょっとストレートすぎたけどね。

・結婚式

出てきた時の死の顔!!こっっっっっわ!!!!!!!前髪がかかり気味なのだけど、その奥で睨みつけている目が怖いったらありゃしない。
ただそれに負けじとというか、そもそも愛と死は戦っているわけではないと思っているので負けているわけではないんだけど、愛もまた2人が結ばれたことの喜びと幸せを爆発させていて、こちらはこちらで感情がダイレクトに伝わってきました。

エメが本当にこのあとの色んなものを吹き飛ばして現世でこのまま2人生きていけるのではないかと錯覚するほどの生命力を持っていて、神父さまもいけるかもしれない、と思ってしまうのも無理はないと思いました。
2人が抱き合った顔が幸せそうで幸せそうで……
ここで話が終わればいいのにね。

ってことで。一幕だけで5000字超の悲劇です。
ここまで読んでくださった方なんている気がしませんが……
頑張って二幕も書いていきますので、また近いうちに更新します。

最後までお読みくださりありがとうございました!

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