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#66 「子持ち様」の炎上を図で考える / Jumping Into the Fire

こんにちは…っ!

さて…、自分自身がこの問題の渦中にいないもんですから、
SNSで炎上しているらしいこのワードを知ったのは、つい昨日のこと。

うっかり覗いてみたら、まぁドロドロで…、嫌な気持ちになりました。
でも、昔から存在する社会課題なのは認識しています。

なので嫌な気持ちの払拭がてら、飛んで火に入る夏の虫の如く、この問題について考えてみます…!( •̀ω•́ ; )


【重要】「子持ち様」とは、誰か

まず、ありがちなのは、セグメントを全般化しすぎて、争いを複雑化すること。炎上の様子を覗き見ると、「子持ち様」とは、単に「子持ち」の方を指し示しているのではなく、主に、当事者意識や他者理解等の発達が弱い人が「子持ち」の正規雇用労働者である場合に、「子持ち様」と呼ばれている傾向がなんとなく見えてきます。

つまり、「子持ち」=「子持ち様」ではない。

精神的に発達した人なら、自分の負担を他人に負わせるということに抵抗を感じますから、自分の分まで過剰に働いている同僚が体調不良で苦しんでいるのを見たり、家庭を築く余裕さえなく自己犠牲しているのを見たら、家庭内での解決、業務の創意工夫、会社との交渉等で解決できない場合には、フルタイムの仕事を辞める選択をすると思います。

この場合は、「子持ち様」ではなく、別の社会的課題となります。
なので、同じ子供のいる家庭でも、そこは明確に線引きしたい。

家庭のニーズを満たせない責任を負うのは誰か

そもそも、共働きの歴史自体が浅く、今この瞬間、全ての家庭のニーズを満たせないことは明白です。世の中の頭の良い人たちが日々、より良い社会について研究しているにせよ、その結果がただちに世の中に反映できるわけではありません。

そのニーズのギャップを満たすのは誰なのか?

「子持ち様」の世界では、それは家庭ではなく、子供がいない同僚となります。(会社の責任を主張している場合でも、会社が変わるその日まで負担を負うのは同僚となる)
なぜなら、自分たちはとても大変な子育てを頑張っているから。
なぜなら、子供がいない人間には、その大変さが想像できないから。

だから、幼子を抱えながら「もっと優しい世の中になってほしいと思います」と優しい雰囲気で、他者の優しさの欠如が問題であると語る。
あるいは、「将来うちの子の税金をこんな人たちに使って欲しくない」と、医療・教育等、今受けている恩恵を無視してマウントを取る。

つまり、既に存在する他者の優しさやサポートの存在を認識できていない。
あるいは、他者も困難な状況にあることが想像できない。

否、焦点を当てたその瞬間だけは、他者の優しさも見えているのかもしれません。もしかしたら、エピソード・バッファのようなものが弱くて、焦点をずらした瞬間に他者の優しささえも忘れてしまうのが実態なのかも。

こういうことも、ドロドロの炎上のポイントなのかもしれません。
よく言えば、子育てが大変すぎて余裕がない。悪く言えば、そもそも精神的発達が未熟だから、自動処理するためのシナプスあたりが形成されておらず、子供のような他力本願な理屈を築いてしまう。

そういう発達の問題が潜んでいるかもしれないと考えると、事態は単純ではなく、想像以上に複雑です。

社会的に救済する優先順位が高いのは誰か

一口に「子供がいる家庭」と言っても、その世界は千差万別。
病気で働けないのに子供も育てなければならない、
自分は健康だけど子供が病気で働けない、
そもそも子供が欲しいのに自分の人生を生きられない。

それと比べたらはるかに恵まれた、働く「子持ち様」を優先的に助けていいのかという道徳的な問題もあります。社会に生きる私たち人間には、誰を優先的に救うのかというトロッコ問題といつも隣合わせだと理解する必要があると思います。

子供がいるという特権を神聖化して、なんでも最優先にするのは間違っている。それが許されてしまうと、病気なのに扶養という選択肢を持たない独身が、自己犠牲を強いられることにもなりかねず、責任転嫁された人が人知れず社会からドロップアウトするなんて悲劇をも生むことに繋がります。

そればかりか、「子供がいる家庭」でさえ、「子持ち様」にならないように無理をしすぎて休職になった、なんて話も聞きます。テイカーがいると、(テイカーにも事情があるのはわかりますが、)協力し合えない社会になってしまうから困りものです。

【結論】週4日労働という選択肢

以上のドロドロした話を濾過すると、全員を救えるわけではないものの、週4日勤務が当たり前の社会を実現するというのが、より多くの人が幸せになれるよね、と結論づけたいです。

これなら病気の人も、介護の人も、勉強したい人も、副業がしたい人も、働ける可能性が広がるし、そもそも昔よりも仕事の負荷自体が上がっているので、健康を損ねて働けなくなる社会の損失も減らすことができます。(週5で働いている時点で「働きすぎ」である可能性)

お子さんがいるご家庭にとっても、病弱な子が月1で高熱を出したとしても、パートナーと協力して交代すれば、そんなに職場に迷惑はかかりません。
調整する同僚側の負担は確かに発生しますが、そのくらいの協力ならなんとかなる場合の方が多いんじゃないでしょうか。

それを実現するために努力するべき人間は誰か。
動かす力を持っているのは、「大企業・子あり・男性」みたいな属性になってくるかもしれませんが、例え力がない属性であっても、一人一人が建設的に、今は無力でも、風向きを変えていけたらなぁと思います。

それまでは、仕事の押し付けからは逃げましょう。
自戒も込めて。


Jumping Into the Fire
飛んで火に入る夏の虫





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