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#65 芸術の街の開会式に泣いた / Art Brings Strengths

こんにちは。

遅ればせながら、
パリ2024オリンピックの開会式を見ました。

ちょっと思わず感動して、泣きました。

シンプルだけど力強くて美しい。

さすが、アートに力を入れている国です。

その感想を。


【前半】セーヌ川を駆け抜けた鋼鉄の意志

空っぽな競技場から街に飛び出して、
舞台はセーヌ川へ。

これだけで元・旅好きとしては、ワクワクするオープニングです。

個人的にスッカリ失った旅への意欲ですが、各国の選手団を乗せた船が通り過ぎる度に、残りの人生で見ることの出来る景色の限界が想い浮かび、心の中がグチャグチャになりました。

そんな世界の片隅の視聴者の心理など知る由もない、世界中の様々な事情や想いを乗せた船が、エッフェル塔まで流れゆきます。

すべてが流れ着いた後で、セーヌ川を馬に跨って疾走し始める、顔の見えない鋼鉄の女性騎士。

これがすごく印象的で。

思わず、ジャンヌ・ダルクの言葉をググりました。

One life is all we have and we live it as we believe in living it. But to sacrifice what you are and to live without belief, that is a fate more terrible than dying.

Joan of Arc

私たちに与えられた人生は一度きりであり、私たちはそれを信じるように生きます。しかし、自分自身を犠牲にして信念を持たずに生きることは、死ぬことよりも恐ろしい運命です。

ジャンヌ・ダルク

そして、駆け抜けて上陸した全身メタルの騎士の歩みに引き寄せられるように、やがて世界がひとつにまとまっていく。

夢がありますね。

【後半】気になるセリーヌ・ディオンの登場

聖火を運んでいたのも、顔のない、名もなき人。

エッフェル塔型の舞台の上で、その聖火も、レジェンドなオリンピアンの手に渡り、再びセーヌ川へ。

時刻と方角から考えて、ルーブル美術館に向かわない手はないという期待は裏切らず、しかし聖火リレーを通して多様性が表現され、最後は「今」の主役の選手たちに火が委ねられる。

こうした多様性の表現を嫌がる人達も少なくないけれど、それは裏返せば、別の誰かが同じ気持ちを抱いている。

駆け抜ける鋼鉄の騎士として先導してくれるのが、国際的な舞台のアートの役割なのかもしれません。特にヨーロッパは強いですね。

そして、モチーフはともかく、重々しくて動かないように見えた、最後の「それ」がパリの空に浮かび上がった時、思わず涙が出てきました。

その背後に煌めくエッフェル塔から流れはじめる音楽。

この文脈だから、すぐにわかりました。

セリーヌ・ディオンが歌っている。

難病について

たまたま最近、Amazon Primeで、難病で活動休止中の彼女のドキュメンタリーを観たんです。

カナダ出身でフランス語ネイティブということも知らず、ラスベガスでショーをやっているかタイタニックかくらいしか知りませんでしたが、闘病中の難病の症状が衝撃的で。

ドキュメンタリーでは、彼女にとって日常であろう、音楽の舞台裏の仕事で、「脳に負荷がかかりすぎた」として、全身が硬直する発作が映し出されていたんです。

コロナ後遺症でも脳疲労で筋肉が硬くなって痛むことがよくあるので、少しばかりはその辛さが想像出来る気がします。

だから、とても大西洋を越えて大舞台で歌えるとは思えませんでした。

それが…

大雨のパリの空の下で、
大舞台のフィナーレで歌っている。

「勇気を与える」とは、オリンピックでよく使われる言葉ですが、セリーヌ・ディオンの姿はまさにそれで。

感動して泣いていたところに、
さらに涙溢れる感動でした。

では、このへんで。

お読みいただき、ありがとうございました。


Art Brings Strengths
強く生きるために



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