間取の考え方~低層地域の家(斜線検討で考え中)
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
今日は今考えている間取りについて書いていきます。
低層地域
詳しくは建築用語集に書いていますが、家を建てようとしている敷地が何の用途地域かによって色々な制限がかかってきます。
住居系の中でも制限が特に厳しい『低層地域』
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域があります。
この地域の何が厳しいかってまずは斜線制限なのです。
今回間取りを検討している地域が第一種低層住居専用地域で斜線制限が厳しく間取りを考えるのに斜線制限から考えないといけないほどです。
斜線制限
主にかかってくる斜線制限は
道路からかかってくる道路斜線制限
北側隣地からかかってくる北側斜線制限
です。
道路斜線制限
とは道路の対側から建築予定の敷地にかかってくる斜線制限で、用途地域によって1.5寸勾配、1.25寸勾配があります。
これは道路の日照や採光、通風を確保して圧迫感を和らげるための制限です。
北側斜線制限
とは北側隣地から5mまたは10m立ち上げて規定されている勾配でかかってくる斜線制限で、道路斜線制限と同じく北側の隣地の日照や採光、通風を確保するための制限です。
低層地域の斜線制限が厳しいのは住環境を守るためです。
ちなみ北側斜線制限は行政庁で『高度斜線制限』としてさらに厳しく制限を指定している地域もあります。
今回検討している地域は大阪府豊中市で『高度斜線制限』の方が厳しいのでそちらで検討していきます。
ちなみに建物を擬人化するとイメージはこんな感じ。
分かりやすく伝えたかったのか、書いてみたかっただけなのかはさておき。
こういう事です。
斜線制限を考慮して間取り作り
今回間取りを考えている敷地は北側隣地がほぼ真北なのでこの『高度斜線』が厳しいです。
とりあえずどれぐらいの大きさの間取りが入るか建ぺい、容積などからボリュームを出していきます。
そして斜線でどこまで削られるかを検討していきます。
敷地いっぱいに間取りを入れると当然のように北側からの斜線ががっつり2階に影響してきます。
2階部分を結構桁落ちにするか部分的に欠いて下屋かバルコニーにする必要がありそうです。
桁落ちすると屋根勾配を高度斜線の勾配と同じ6寸でかけて検討したので一番天井の低い部分だと1.5m以下になっていきそうです。
今回の敷地の間口が狭いので桁落ちも使いつつ考えて行かないと2階がほとんど間取りにならない事が分かりました。
たたき台の間取り図
そんなこんなで斜線制限を検討しながらも間取りを考えて、たたき台になる間取り図を作ってみました。
斜線制限で2階の北側部分を桁落ちにするので、階段の位置が悩みます。
北側に持ってくることもできず。
南側に持ってきたらさらに廊下に面積をとられ、真ん中部分は部屋にならないし・・・
でリビングダイニングを分断するようにスケルトン階段で真ん中にもってくる間取りを考えてみました。
ですが、キッチンの配置や水回りの配置、LDKの採光など色々悩む部分がまだ多い間取りです。
過去に考えた間取りを引用して考え直し
間取りを考え直す時に数多く間取り図を書いているとそういえば過去に似た敷地条件で書いた間取りあった気がするなと過去の間取りを見漁っていました。
すると過去の記事にも登場した間取り図。
間口3600 2階建ての間取り『トップライトで採光を確保』
この間取り図を流用できそうだなという事になりました。
今回の間口は4050は取れるとのもう少しゆとりあるように変更できるので斜線を考慮しても上手く納まりそうです。
さいごに
今週はこんな感じで斜線制限の影響がある敷地の間取りの考え方について書きました。
こちらの間取りはこの後も検討してまた完成したら記事にしようと思いますのでまた経過を楽しみにしていてください。
街中を歩いていてあの建物なんでそんな屋根の形になったんだろうと思う建物をみかけませんか?
大体この斜線制限の為、苦肉の策でその形にせざるを得なかったと思ってもらえれば面白いかと思います。
間取りをするにはやっかいな制限でありつつ、周辺環境を守るために必要な制限なんです。
今週もありがとうございました。
また来週もよろしくお願い致します。
今後も間取りも気になって方はよかったらフォローとスキをよろしくお願いします。
左巴建築設計事務所 さわ。