間取りの考え方~二世帯住宅を考える
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
今週は、『二世帯住宅』について考えようと思います。
ここ最近ちょこちょこ、ご依頼の頂く『二世帯住宅』
『二世帯住宅』とは文字通り二つの世帯が同じ屋根の下で住まう住宅の事です。
二つの世帯とは主に親世帯、子世帯が多いですね。
また一概に『二世帯住宅』と言っても様々です。
二世帯住宅のパターン
完全独立型
玄関から始まり、住宅設備も全て2個以上。
完全に2戸の住宅がただ引っ付いた二世帯住宅です。
このパターンのメリットは各世帯のプライバシーを守りつつ近くで暮らせることです。
子世帯と親世帯との生活リズムが合わない事もあります。
そんな時もお互いに気にせず必要な時だけ助け合える近さなのがメリットだと思います。
同居型
完全独立型に対して同居型は真逆で一つの家の中で二世帯が暮らす住宅です。
基本は住宅設備やLDKも共有で個室だけ親世帯、子世帯の各々が必要な数だけ確保するタイプです。
このパターンのメリットは建築費を抑えて二世帯住宅にできる事です。
やはり住宅の建築費でウエイトを占めているのは水周りなどの住宅設備です。
完全独立型ですとその分はほぼ2倍必要になるわけなので、同居型の場合はそこを安くできるのは大きなメリットだと思います。
それでもちょっと気兼ねなくお茶ぐらい飲めるようにと親世帯の個室にミニキッチンを付けたり、家族が増えるのでトイレや洗面所を多くしたりすることがあります。
一部共用型
完全独立型と同居型のいいとこどりをしたのが一部共有型です。
二世帯の生活スタイルに合わせて、ここは共用でいいけれどここは別がいいと柔軟に考えたパターンです。
大きく分けてこの3パターンで二世帯住宅の間取りを考える事が多いです。
同居型の間取図
同居型の二世帯住宅の間取です。
玄関はひとつでその他の水周りも共有ですが、洗濯置場が2か所と洗面台は洗面ボール二つを採用、さらに子世帯の2階にも手洗いよりもしっかりした洗面台を設置。
将来お子さんが出来た時にも水周りが混みあわなくていいですね。
また同居型ですが、親世帯の個室はリビングも兼ねた個室で一人で過ごしたい時にも十分過ごせる事ができる広さを確保しました。
収納の確保
個室に備えたウォークインクローゼットも親世帯ので収納がしっかり納まるように考え、子世帯は2階部分にファミリクローゼットを家族の収納を1か所にまとめ室内干しからの洗濯動線をよくしました。
同居型でも音に配慮
将来子世帯に子供が出来た時など、親世帯と生活スタイルが変わった時の音問題を気にされていたので、親世帯部分の上階には部屋が来ないようにも工夫しました。
一部共用型の間取図
何を共用にするかですが、一番多いのは水周りです。
お風呂と洗面所は一緒でもいいという二世帯住宅の参考の間取図はこちら。
さらにLDK共用の参考の間取図はこちら。
どちらの間取図も共用部分を中心に考えています。
平屋でも2階建でも二世帯の中心に共用部分を配置する事でどちらからもアクセスしやすい動線になります。
ただしどちらもそこそこの敷地の広さが必要ですね。
では狭小住宅や3階建で二世帯住宅を考える場合の一部共用型二世帯住宅の参考間取図はこちら。
1階親世帯、2階、3階を子世帯で考えました。
こちらは玄関、シューズクローク共用型の間取図です。
二世帯分の玄関収納を確保するために広めのシューズクロークを配置しました。
1階の親世帯はダイニングキッチンと個室を繋げて使えるように間仕切りを設置しました。
独立型は何で繋ぐかを考える
独立型は独立した世帯をどう繋いで二世帯住宅にするか考えてみました。
各世帯の四角い箱に見立ててを程よく繋ぐために、バルコニーや中庭などの外部空間で繋ぐ間取の形を考えてみました。
これはこれで面白い間取図になりそうなので、今度時間がある時に続きとして考えてみようと思います。
さいごに
先日講習会で世帯構造の変化で世帯人数が段々と減ってきているという話を聞きました。
世帯人数が減ってきているからこそ、また二世帯住宅という選択肢が増えてきているのかなと思いました。
これからさらに注目が集まりそうな二世帯住宅の間取図について色々考えてみる余地はありそうですね。
今週もありがとうございました。
左巴建築設計事務所 さわ。
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