沢田マンション
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
2022年今年の秋に行った高知徳島旅行の最後の記事を年末になる今日まで書かずにほったらかしていました。
ずっと気になっていたので書く事にします。
その他の徳島高知旅行の記事はこちら。
『沢田マンション』
県道から一本入った『はるやま』の裏手にありました
思いの外横に大きく、全体像を撮るのが難しかったです。
見た感想は・・・
建築物通り越してアート???
外から見ても増築に増築を重ねているので建物としてどうなっているのやら・・・
とりあえずこのスロープが何階につながっているのか?
外から外観写真を撮っているとおじいさんが自転車スロープを駆け上っていきました。
家の前まで自転車でいけるのか??
沢田マンションの歴史
1971年に建築に関する知識のない夫婦が『沢田マンション』に着手。
当時役所からは
「強度に文句は言わないが、手数料の用意が出来たら許可は取ってくれ」
とのことだったそうです。
寛容というか、適当というかそんな時代に着手したわけです。
今では考えられない話です。
当初は「10階建て・戸数100戸」の構想が現在では現在は地上5階建て・戸数約60戸(一部6階建て)になっているそうです。
(それでもなかなかの大型建築物です)
違反建築物とは
まず前提として、ある一定規模以上の建築物を建築する前に行政の許可『建築確認申請』が必要になります。
『沢田マンション』はその『建築確認申請』が出ていない為『違反建築物』になります。
『違反建築物』となった場合は私有財産権の問題、入居者の居住権の問題などが発生してきます。
過去に度重なる行政指導や工事中止命令などの軋轢の歴史でもあったそうですが、現在では住民で自主防災組織を結成し、年に1度の避難訓練を行うなどして行政との関係も概ね良好だそうです。
へ~良好なんだ!!とびっくりしてしまいますね。
大阪で建築士をしているからこの建物がまかり通っている事自体びっくりなんです。
まず大阪の市役所でよく聞く発言
『あそこはあれでいけてるのにうちはなんであかんね!!』
という輩発言。
そう、法律でダメ!って言われることも他がやってたら何で!?って文句言いたくなるのが関西の人間。
(決めつけたら怒られるかな??)
そういう意味でこの建物が大阪ではなく、高知だから建っていられるんだと思いました。
あとは、構造的不安ですね。
10階建てにならなくても、5階建て一部6階建てなわけです。
地震国の日本でシロートが造った5階建てに住む勇気がありません。
1階に住むも、最上階に住むのも怖い・・・
でも実際に住んでいる人が100人を超えるので不安ではないのか?それも了承済みで住んでいるのかと思いました。
入口から見た写真にはお店の看板も多くありました。
住まいだけではなく、店舗として借りれるようですね。
観光スポット化
高知の『九龍城』と『サグラダファミリア』とも言われている『沢田マンション』です。
この際もっと観光スポット化してみてもいいのでは??
とも思いました。
実際に見に行くと住まう人もいる個人所有地なので勝手に中にはいるわけにもいきません。
帰ってから調べたらオーナーさんに許可を得たら中の見学もできるようです。
私が見に行ったこの日は天気も良くて、青空に白い建物と緑の植物が映えてアートと思えば面白い建物でした。
(あくまで建築物として認めたくない私がいます)
さいごに
なかなか記事にできなかった『沢田マンション』の記事を年内ギリギリかけてよかったです。
なかなか書けなかったのは自分の中でこれは建築物として認めていいのか、どう書くべきなのかという建築士というちっぽけなプライドのせいで悩んでいました。
悩んでいた割には思ったまま赤裸々に書きました(笑)
さて残すところ、今年もあと一日です。
明日は『間取りの考え方』まだ何を書くか悩み中ですが、明日もよろしくお願いいたします。
こんなアラフォー女性建築士を応援してみようかな思ってもらえたらフォローとスキをよろしくお願いします。
左巴建築設計事務所 さわ。
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