間取りの考え方~狭小平屋住宅(1)
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
以前こちらの記事で
『狭小住宅の平屋』もありだなと考えていました。
と言いますのも我が家も夫婦二人暮らし(最近猫がふえました!)
最近は夫婦に限らずとも、同性カップルで家づくりされる方もいたり、子育てが終わって二人暮らしに戻るというご夫婦もいます。
『家』そのものがコンパクトに考える時代が来ているのかもと思うことが増えてきました。
我が家でも夫に
『最低どれぐらいの部屋数・面積あれば家として満足?』って聞いてみたら『二人暮らしだし1LDKで十分じゃない?その代わりリビング広いとうれしいけど』って返ってきました。
私としては『それが平屋ならなおいいけどな~』って話から
今週は『狭小平屋住宅』について考えていこうと思います。
狭小平屋住宅のルールしばり
ルールしばりを作って色々な間取りのモデルを作っていこうと思います。
狭小住宅の定義を今回は約25坪程度の床面積とします。
間取りは2LDK(二人暮らし想定)
LDKは約16畳は確保。
収納計画は後から考える前提とする。
以上のルールしばりで考えてみました。
狭小平屋住宅のモデル
凡例
部屋の名称
E:玄関
H:ホール・廊下
WC:トイレ
P:洗面所
UB:浴室
C:収納
LDK:約16畳のLDK
Room:約6畳の洋室(個室)
G:庭
△:玄関の入り口
ピンクの線:部屋の入口
青の線:採光用窓位置
各個室への動線(廊下有or無)
平屋の場合、上下の移動がないので各個室の出入り口は廊下に面するか部屋同士に面するかになります。
左の各個室がLDKに面している間取りは廊下部分に床面積をとられないのでかなりコンパクトにまとめる事が出来ます。
それに対して右の間取りはすべての部屋のサイズが同じでも廊下の分、建物の床面積が大きくなります。
廊下を経由するメリットはプライバシーの確保、生活音の遮断などがあります。
玄関を建物の真ん中に配置してみる
玄関を建物の中央に持ってくることで、プライベート空間(個室)と来客空間(LDK)を自ずと分けることが出来ます。
左の間取り参照
それでもやはり廊下を少なくしようと考えると一部屋はLDKからの出入りが必須になりますね。
右の間取り参照
変形させて考えてみる
真四角に近い形で間取りを考えていたのを変形して考えてみます。
左の間取りは長方形にして、玄関ホールと個室の廊下を分けて考えた間取りです。
最初の玄関から廊下のばす間取りよりはLDKを経由する事で廊下をコンパクトにすることが出来ます。
右側は建物に凹凸をつけることで、個室の彩光を確保したり外観に動きをつける事が出来ます。
庭を利用して彩光を確保する
平屋住宅は平面的に大きくすればするほど中心にある部屋の彩光の確保が難しくなります。
それを解決するために中庭を利用して彩光を確保できる形を考えてみました。
左はLDKと1室は敷地正面から彩光を確保できるので、もう一室の個室を中庭?裏庭?から彩光を確保しました。
平屋ですと建物が低いの小さな中庭でも充分に彩光を確保する事ができます。
洗面所と面する事で家事にも利用できる中庭になります。
右側は敷地の正面に庭スペースを作ってLDKと個室の彩光を確保しています。
道路面から目隠しをするなどすればプライバシーを確保した空間になります。
まとめ 次回予告
以上8パターンの狭小平屋住宅のモデルを考えてみました。
狭小住宅のしばりをつけているので、できるだけ廊下を少なくしたり無駄な空間を作らないように意識して考えました。
来週はこれらのモデルを活用して実際に考えた間取図について書きます。
久しぶりに私たち夫婦の暮らしを想定して2パターンの間取図を考えましたので来週もよかったら覗きにきてください。
今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願い致します。
左巴建築設計事務所 さわ。