間取りの考え方〜名建築から学ぶ間取り「ファンズワース邸」間取り編
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
先週、ミース・ファン・デル・ローエ設計のファンズワース邸の間取りについての記事を書きました。
名建築から今の家づくりに間取りのヒントになる学びがあるのではと思って始めてみた新シリーズです。
今週は先週の記事を元に実際に間取りを考えていきます。
注意:あくまで私個人の見解で、名建築を参考に間取りを作成しています。
名建築ファンからはこんなの名建築の間取りじゃない!というご指摘は是非心にしまっていただき間取り作成の参考記事として楽しんで頂けると幸いです。(一応ね・・・前置きを書かせていただいて・・・)
木造1LDK住宅に置換えた間取り
まずは基本のファンズワース邸の間取りを木造軸組工法で建てる前提で間取りを書いてみます。
鉄骨造から木造にする事でどうしてもガラスばりの間取りではなくなってしまいますね。
そこはある程度想定内なのと、日本では全面ガラスばりの暮らしは地域がかなり限られると思うので、図面下部のみ庭と想定して一面と玄関ポーチ側に開けた間取りとしました。
日本の暮らし方は靴の脱ぎ履きが必要なので、玄関から直接ダイニングにつながり全体を見渡せるワンルームの形状はそのままとしました。
コア部分の水回りは洗面所と脱衣室を分けて、キッチンからも出入りできるように家事動線にも良い組み合わせを考えました。
キッチンにも機能と収納を増やし暮らしやすさを追加しました。
鉄骨から木造に変更しましたので、外周は構造上の壁が必要になりましたが、室内は中央のコアで十分な壁が取れるのでワンルーム形状のままでも構造上問題ないかと思います。
2LDKで個室を区切った間取り
次は個室を壁で区切ってプライバシーを確保できるように考えてみます。
可動家具で個室を2部屋に区切り、入口も2箇所設けて実質2LDKの間取りです。
他は変更なしです。
2部屋にする事で、週末住宅、別荘として使う場合でも2家族で使える想定ができますね。
住宅としても2LDKにする事で色々な想定の暮らしができそうですね。
LDKを一体にした間取り
ではもう少し今の家づくりの形に近づけてみます。
キッチンは独立型よりリビングダイニング一体型のLDKの形にしてみます。
水回りのコアを外壁側に寄せて、ダイニングとキッチンを横並びにリビングを玄関側に配置してみました。
そうする事で、図面下部に想定した庭とLDKがつながる間取りになりました。
個室もしっかり二部屋に分ける事が出来ました。
かなり今の暮らし方に近い間取りになりましたね。
しかし!!!
ファンズワース邸は何処へ??
となるわけですね。
まとめ
ファンズワース邸とは異なる時代と環境の為、何を参考にするか?という事でまったく違う建物にはなります。
水回りをコアとして一塊に配置することやワンフロアーの開放感、そして外部とのつながりを重視する点を取り入れ、今の家づくり環境に合わせた平屋のワンフロアー間取り図を検討してみました。
まぁ結果ファンズワース邸からは離れていってしまったわけですが、名建築の一部を参考にした間取りのネタとして見ていただけたら幸いです。
(だから事前に前置きを書いておいたんですけどね・・・)
以上、名建築から学ぶ間取り第一回でした。
今後どんな建物でまた記事を書くか分かりませんが、是非また読みに来てください。
今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。
左巴建築設計事務所 さわ。
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