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実写版エレン巨人の可動フィギュアを作ってみる

(今回noteにて初めて記事を執筆してみました。
拙い文章ですがよろしくお願いいたします。)






元となった題材からあまりにも乖離し、興行収入や世間の評判、ファンからの印象が非常に悪い映像作品。

けどそんな作品のどこか1コマが心の琴線に触れ、今でも魅了され続けている事が皆さんの中にもあるのではないでしょうか。


僕の場合は

漫画原作の実写映画
「進撃の巨人」
「進撃の巨人エンドオブザワールド」
でした。

今回はこの映画版進撃の巨人についてのお話です。

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

忘れもしない2014年春、スタッフ・キャスト発表が全ての始まりでした。

正直まったく期待してませんでした、エレン巨人が出るなら観ようか…程度です。

それに原作マンガの読者で「別物になるだろうな」とは思っていたので、特撮目当てで映画館に向かったのを覚えています。

実際のところ読み切り版の実写化という内容の方が近く、オリジナルのドラマパートはかなり退屈で退屈で…
眠たい目をなんとか開きつつ終盤へ、ここからが人生の転機でした。

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

なんだこの造形は…!!


そして待ちに待った、エレン巨人爆誕からの無垢巨人を相手に無双の大暴れ!!!!!

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社


こんなにかっこいいモノが世の中に存在するのか…!
そう感じる程に魂が揺らぎ感情が爆発しました…


フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ
TM & © TOHO CO.,LTD.

それと進撃の巨人(原作)の元ネタに
「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」

という人喰い巨人の特撮映画がありまして、
その作品を敬愛していたのもありますが、ここまで心に突き刺さるとは…!

そのまま興奮冷めやらぬ中、午後に後編を梯子し

更なる衝撃を受けることに…

後編の「エンドオブザワールド」は殆どオリジナルストーリーとなっており、先の展開を予測出来ぬままに鑑賞しておりましたが…


(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

鎧の巨人登場!!!!!

新たな着ぐるみ巨人の登場です!
この後も壁の穴を塞ぐために、作戦を決行・対立するのですが…

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

登場人物が鎧の巨人に変身!!!!

からの…

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

エレン巨人覚醒!!!!!

知性巨人 対 知性巨人!!!


(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社


ここで察しました、樋口真嗣監督はやはり

フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ
TM & © TOHO CO.,LTD.
(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会
(C)諫山創/講談社


「平成のサンダ対ガイラ」がやりたいんだな…と

気付いた時にはもう、完全に魅入られてしまいました。



そのあと映画館からの帰路の最中
「ガシガシ動かせる実写巨人が欲しい!!!!!」
という言葉が頭をぐるぐると回り始めました。


そして本題に入ります

その感情に着き動かされるまま、2015年冬にリボルテックシリーズを元に作ったのが上の画像の物です。

再現度はとても低く似ても似つかない出来ですが、遊ぶには十分な代物でした。

それも"いつか"映画のフィルムから写し取ったような、
ハイクオリティなフィギュアが発売すると信じての妥協でした。

けれど…


五年経っても発売してない!!
ガレージキットも作られてない!!

五年間もの間立体化の動きはありませんでした。

その五年の遍歴を振り返るといつも、ある想いが頭を駆け巡るように…

「発売しなかったのなら…!」
「自分で精度の高い可動フィギュアを造ればいい!!」と…

ただ実行に移すには纏まった時間を必要とするので、手を付けず仕舞いでした。



ところが2020年二月某日、七年交流のある知人の方々とワンダーフェスティバルの前夜祭(?)にお招きさせて頂き

画像クリックでカスタムされている方のサイトに飛びます


とんでもなくカッコ良い実写巨人のフィギュアを触らせてもらい、自分の中のスイッチが入りました。

これをきっかけに「もう一度造り直そう」そう決意しました。



まず素体として選んだのが

ULTRA-ACTシリーズより
ウルトラセブンver2です。

以前作った物が所詮エヴァンゲリオン体型だったので、"人体"に近いボディラインを目指します。


まずはセブンの身体を細く削ります。
この後エポキシパテを身体に盛った際、太くならないようにするための下準備です。

この時点で顔を大まかに作っておきました。

髪の毛を大まかに造形。ここだけでも雰囲気は掴めてくるので、先に作って正解でした。


胸を造形…資料が多くて助かりました。
左鎖骨の血管がミソです。


脇腹を造形中…資料は少なめ…

つまようじを使ってひたすら彫刻していきます。


次は背中です。元が着ぐるみなので弛みなどで凹凸が変化しますが、資料を総合して拾えるディテールだけ拾って行きました。


肩から二の腕を造形。

ただここで問題が

ULTRA-ACTシリーズは肩の機構にクセがあり、かなり可動を妨げます。
二の腕の回転軸に三角筋が被さっている為、腕を捻った状態から曲げる事が難しいのです。

なので肩を市販のジョイントで繋ぎました。(先人の知恵)
画像向かって左がそのジョイント、右が無改造です。

右に比べて左がかなり下を向いているのがわかるでしょうか?


かなり肩を上げることが出来るようになりました!
この後同様の改造を片方にも施します。


資料を観察し前腕とお腹を造形、たまに絵に描いてディテールを把握したりもしていました。


パンツ部分から脚も造形開始、血管は少しオーバーに造り起こしました。

この後スーツと見比べて前腕と脛を2mmほど延長し…


両足の造形と拳の改造が完了し、全身手を加え終わりました!


ここからはおまけ?オプションパーツ編です

壁の穴を塞ぐキーアイテムの不発弾を、ジャンクパーツをかき集め自作しました。

他にも…

このプラモデルはというと…

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

エレンが刀として使い、鎧の巨人に一矢報いたプロペラ、と同機体のヘリコプターのプラモなのです!

そのプロペラ(ローター)部を加工し、


持たせられるように!
サイズもピッタリで助かりました…


最後は顎が可動する交換用頭部です。

なぜ2つに別けたかというと…

実写版エレン巨人、実は2種類あるのです。

上はアクション用として使われたスーツのマスクで、眼の隈取りと口内でスーツアクターさんの顔が見えるようになっています。

あと奥歯3本が繋がってます。ラテックスの伸縮性で、中の人の顎の動きと追従させる為のようです。

下は上半身のみのアップ用ギニョール(操り人形)で、表情筋が動き顎が開閉し、眼球が動くようです。


頭部を2つ造ったのはこれを再現するためのこだわり…もとい自己満足です

さて一通り改造が終了しました。
長いようで短いとても充実した時間でした…

ここからは塗装を進めて行きます…ほぼノープランなのでドキドキです。


まずはホワイトの下地材をスプレー缶で塗布、そのあとクリアブルーをスポンジに塗り、スタンプの要領で血管をつけます。


全身に血管をスタンプし終わったら、何種類か肌色系のスプレーをうすーーーく遠くから吹いていきます。
うっすら血管が見えるくらいがベストです。


乾いたらタミヤエナメルのレッド、レッドブラウン、ハルレッドでスミイレ…
かなり雰囲気が出てきました。良い色!!!


瞳や歯、青い血管を塗りつつ光沢トップコートスプレーを満遍なく塗布します。


全身の光沢が乾いたら、

髪の毛をつや消しブラックで塗装。
めちゃめちゃ良い感じです!!!!!


ほぼ完成に漕ぎ着けました!!


ただその前にちょっとした寄り道を…

不発弾が刺さっていたモンゼンの丘のジオラマ風台座を制作しました。
おまけですがなかなか…

さてこれで全ての工程が終了し、ついに五年の時を越えて…




ULTRA-ACT 改造

実写版エレン巨人(ver2)
完成です。












今回は体力や気力を極限まで消耗した改造となりました…
ただその分とても良い物が完成したと自負しています。

元々「発売しないから"仕方なく"作る」というのが原動力となっていたのですが、それ以上の何かを見出せた気がします。

とにかく公式からフィギュアが出るまでは、この激情を手のひらで形にして行きたいですね…。



以上、「実写版エレン巨人の可動フィギュアを作ってみる」でした。

閲覧していただき、ありがとうございました。

追記:髪の部分にフェイクファーを接着し、植毛しました。


中々サイズ感を誤魔化せたかと思います。…以上!





おまけ



次回、実写版鎧の巨人制作へ続く…

(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会  (C)諫山創/講談社

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