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恐竜から宇宙へ、宇宙から音楽へ (1)

6500万年前がどのくらい昔のことだか、想像がつくだろうか。
西暦でさえもまだ2019年だ。そんな2019年ももうすぐ終わる。

たった20年ほど前のことだが、ボクは恐竜が好きだった。
大昔に巨大な爬虫類が同じ地球上をノソノソ歩き回っていたなんて、ロマンだ。
恐竜は三畳紀中期から白亜紀後期まで生息していた。(2億年ちょい前〜6500万年前)

ちなみに好きだった恐竜は、オヴィラプトルという恐竜だった。
恐竜が好きだった人なら「へ?何で?」と思うかもしれない。

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オヴィラプトルが発見された経緯が面白いのだ。
そう、まず説明しよう。

オヴィラプトルの一番最初の化石が、白亜紀後期の地層から卵を抱えた格好で発掘された。その近くには他にも大量の卵の化石があった。
しかも彼の両目はわりかし顔の正面についていた。目が正面にあると物を立体的に捉えられるため、それを処理するための脳も発達していたとも言われている。
それなりに頭がよかった。

それを見た専門家が、「わ、ずる賢いなコイツ。きっと卵を盗もうとしてたんや!」「しかも欲張ってたくさん盗ろうとしたんや!卵ちゃんがかわいそうや!」と言われ、結局ラテン語で「卵泥棒」という意味の名前が付けられた。

オヴィ(ovi) = 卵
 →イタリア語だと "uovo"、フランス語だと "œuf"。似ている。
ラプトル (raptor) = 泥棒
 →イタリア語だと "rubatore"。もともとの言葉は "rubare (盗む)" から来ており、音楽用語の "rubato (盗まれたテンポ=自由に)" にも派生した。

しかし研究の結果、その卵はオヴィラプトル自身の卵だったことがわかったのだ。
何と、自分の大切な卵を守ろうとしたまま、何らかの原因により死んだまま化石になった

うぉ...これぞ感動物語。
何千万年という時を超えて、普遍的な親の優しさを教えてくれた。
結局、このまま恐竜や古代の生き物の世界にズブズブのめり込んでいった。



〜恐竜から宇宙へ、宇宙から音楽へ (1) | 恐竜への郷愁〜

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↑ 当時発見された卵の化石。
元々はプロトケラトプスの卵の化石だといわれていた。

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大井駿
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