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初めての言語への興味

小学校の頃、恐竜がとても好きだった。
この頃の少年は割とハマりやすいものだと思う。

6500万年前までこんなにデカい生き物が同じ地球上を支配していたなんて、実にロマンだ。
デカいとはどのくらいか。
骨は一部しか見つかっていないが、例えばアルゼンチノサウルスという白亜紀後期の恐竜は全長が35mほどある。

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想像もできないような過去が実際に存在したことにとんでもなく魅力を感じてしまい、そこから貪るように図鑑を眺めた。群馬の中里村までも化石を掘りに行った。

海外のものも併せて恐竜図鑑はおそらく10冊ほど持っていたが、そのうちの何冊かに恐竜名の語源が書いてあるものがあった。

いわゆる有名なもので言うと、ティラノサウルス
ティラノサウルス(Tyrannosaurus)は「暴君なトカゲ(爬虫類)」という意味だ。
学名なので言語はラテン語、もしくはラテン語化された古代ギリシア語。
"tyranno" が「暴君」で、"saurus" が「トカゲ」に相当する。

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そして、トリケラトプス
トリケラトプス(triceratops)は「3本のツノがある顔」という意味。
tri = 3つcerat = 角ops = 顔 となっている。

ただただカタカナの羅列かと思っていたが、ここまでちゃんと意味があることを知り、小学生ながらに感心した。

そこからギリシャ語とその意味を書いたノートを作り、自作の辞書を作った。
先生にそれを見せて面白さを伝えようとしたが、なかなか分かってくれなかった。

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↑ トリケラトプス

しかし今、色々な言語に触れてみて、実際にその時の知識と繋がる時がある。

例えばトリケラトプス"tri (3つ)" は、
英語の "three" イタリア語の "tre" フランス語の "trois" に派生し、
イグアノドン(iguanodon)の "don(歯)" は、
イタリア語の "dente" フランス語の "dent" に変化した。
英語で「歯」は "tooth" だが、「歯の」という言葉には "dental" というようにやはり名残がある。

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↑ イグアノドンくん。
一番最初に発見された恐竜。

小学生当時は「こんなこと何になるんだろう、面白いけど」と思って色々書き出していたが、20年近く経った今に繋がるとは思っていなかった。

そして恐竜に興味を持ったこの頃から昔に想いを馳せること、想像することの楽しみを覚えた。
これが後に、(特に過去に書かれた)音楽を演奏する楽しみに繋がる。


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大井駿
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