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木曽熊野ルートS(2) こんな日常が永遠に続けばいい。

8時に起床。結局、数時間しか眠れなかった。今日は1、2時間に一本の路線をゆくので計画を崩すのはリスキーだ。
1月の松本の早朝は引くほど寒い。-5℃とかだった気がする。ヒートテックやロクなアウターも着ずに来るところではない。

松本も軽く観光しておこうと松本城に来てみた。烏城とも呼ばれる漆黒の城は秀吉以前の時代に建てられたものだ。江戸になると白い城になる。松本城は以前に観覧したことがあるので今日は割愛。滞在時間は5分にも満たなかったが、よく晴れていたので借景に北アルプスを望むことができ満足した。

塩尻に移動。ここはおそらく世界でいちばん扉が狭い立ち食いそば屋。立ち食いそばマニアとしては絶対に押さえておきたいポイントだったが、こうして文章にしてみると全然おもしろくない。

塩尻はワインで有名なのだが、その樽の前で三脚を立てて自撮りしてるおっちゃんがいた。僕もスマホで自撮りをするが三脚はいっさい使っていない。地べたか、スマホを立てかけられる高いところに置いてセルフタイマーで撮るので撮れる場所がかぎられてくる。一度三脚を試したことがあったが、フットワークが重くなるのと逆にどこでも撮れてしまい制約がなくなるのがかえって性に合わないことに気づき、すぐさま手放してしまった。

本日の最大の目的地、奈良井宿に到着。中山道の宿場町のひとつで、いまでも江戸の宿場町を保存していることで知られる。前後にけわしい山があるのでここで一息つこうと最大の宿場町として繁栄した。どこまでもこの風景が続くのだからすごい。外国人観光客がちらほら見られた。外国人のほうが、日本の歴史に興味があるのかもしれない。
ほかの宿場町も行きたいところだが、時刻表と眠気の都合で大幅カット。これにて木曽編は終了。天気に恵まれ、日本アルプスの風景を堪能することができた。

愛知県に入ってすぐの駅、定光寺駅にて下車。この廃墟「千歳楼」は、かつては高級旅館として栄えていたが2003年に倒産、廃墟化がすすみ、そこから放火など相次ぎ物騒になっていく。極めつけに2012年には白骨死体が見つかる。オーナーが失踪していたことからも、オーナーなのではないかと噂されるなどして心霊スポットとして有名になった。
外壁には不法侵入や石などの投げ込み防止のための鉄格子がかかっており、ただでさえ奇妙な風情をより助長させる。しかも無人駅だ。駅前にも人がだれもいない。徐々に日が暮れてきたこともあり怖かった。
それにしても、だいぶ統一感のない旅行をしております。


名古屋に到着し、それっぽさを感じたくて手羽先を食べてみる。そのほか店を何軒かハシゴして、20時前には本日の宿となるサウナへチェックイン。
ウェルビー名駅というところ。サウナーからすると”ウェルビー”は有名なのだが、名古屋にはその系列が3店舗ある。今回は"名駅"を選んだ。受付で知ったのだが、3月末に閉館するらしい。最後に来られてよかった。
(と、思いきや、その一週間後にまた訪れるわけだけど。)

ひとしきりととのい、明日の計画を立てて寝ようと思っていたところ、友達(または仕事仲間でもある)から久々に連絡が来て長電話。昨夜、眠れない原因となった妄想企画を話すとおもしろがってくれた。


旅行しながらも、今を生きている。これは旅行記という体裁を取りながらも、日常の記録に過ぎないような気がする。べつに日常が嫌なわけではないけれど、どうしたら非日常にいけるのだろう。なにをもって非日常というのだろう。逆もしかりだ。日常とはなんだろう。
僕にとって日常とは、興味や気分のままにぷらぷら行動し、つねに小さな刺激を受けながら、あーでもないこーでもないと無為な時間を過ごすことなのかもしれない。
だとすれば、こんな日常が永遠に続けばいいと思った。

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