音楽。始まりのきっかけ。 その2

前回のはこちら。
https://note.com/s9f/n/n5848c4266d54?magazine_key=m2da158455936

音楽をほとんど聞いていない生活、楽器ほぼ未経験、知らない人たちとのバンド活動となかなかにハードルが高い状態でのスタート。

そのバンドは、Mr.childrenのコピーバンドだった。
編成はVo&gt/Ba/Drと自分を入れた4人編成。まぁ、ギリギリ出来なくはないかという範囲。そして僕以外はみんな女子で、中学校の同級生らしかった。つまり色んな意味でアウェー(笑)

そこに突然知り合いの紹介で楽器ほぼ未経験の人が来るんだから、向こうも戸惑ったことでしょう。が、こちらもだいぶ戸惑った。

とりあえず、自分にとっての課題は譜面を読む事だった。そして、鍵盤楽器を選んだ理由にもあった「色んな音が出せる」というのが自分を苦しめる事にもなっていた。

CDなどの音源というのはオーバーダビングといって音を重ねる作業をしていく。つまり、どんどん音を増やす事は容易な事だ。とくに、ポップスなどは多様な音色が入っている。
バンドなどでコピーする場合、鍵盤楽器にそれが割り当てられている事が多く、ピアノやオルガンは然り、ストリングスやブラス、SEなどの音まで鍵盤パートに書かれている事がある。

しかし、アマチュアバンドで鍵盤が2人も3人もいるなんて事はそうそうなく、1人でこれらを処理しなくてはいけない。それを音楽を聞いてこなかった&ほぼ演奏経験なしの僕が1人でやるというのは、まぁ想像を超える重圧な訳で。

そこで自分がとった行動は、「曲の分析をする」という事だった。
演奏練習するのは後回しにして、自分がその瞬間に弾けるのは一つの音色だと割り切り、音源を聞いてその時に一番目立っている楽器の音や曲の雰囲気を作っている音を聞き分け、それを練習すれば全体の印象は変わらないだろうという結論からだった。

これは後で気づいて幸いな事だったんだけど、僕は耳が良いらしい。
音の聞こえ方というのも個人差があり、視覚よりも人との違いがわかりにくいので他の人と比較するのは難しいが、音を聞き分けたり小さな音が聞けたり音のズレを感じたりというのが比較的良いみたい。

そのため、前述した「曲の分析」という作業の中で音源を聴きながら何が目立つのかなど聞き分けるのは全く苦ではなく簡単に出来た。そうやって、音を聞き分け自分が弾くべきパートを拾いながら譜面に記していってその部分を練習するという日々が始まっていく。

これも耳の良さが役だったんだと思うけど、音源の演奏と自分の演奏を比較して合っているか合っていないか、合っていない場合なにが合っていないのかというのを聞き分ける事が出来たので練習するのにも効率が良かった。
なんでもそうだけど上達のコツの1つは「(目標とするものとの)違いがわかる事」だと思う。
ズレに気付ければ修正は出来る。気付かない人はそれが出来ない。当たり前のことなんだけど重要。

こういった作業を繰り返していった結果、別なところに才能が開花していった…

自分の演奏を棚に上げていうのもなんだけど、他のパートのミスに気づく割合が増えていったのだ。最初は自分の演奏をする事に必死だったのが、ある程度弾けるようになると余裕が生まれ周りの音が聞けるようになった。また、自分の演奏だけではカバーしきれない音色が出始めて、曲の再現度を高めるためには増員が必要だと気付きはじめた。

とくにMr.Childrenはサウンドプロデューサーが鍵盤奏者という事もあり、多くの音色が使われていたし、ギターももう1本ないと薄っぺらいサウンドになってしまう。音源と自分たちの演奏との違いが具体的にわかるからこそもどかしい気持ちが強くなっていった。

そのもどかしさを解消するべく、自分の友達に声をかけギタリストとトランペット兼パーカッションを追加。これで一歩音が近づいていくイメージが出来た。

この頃、並行して簡単なライブアレンジなんかにも手を出し始めた。
曲と曲をどう繋げるか。曲が終わって次のカウントが始まってというのはライブ感に欠けるので曲終わりと始まりを繋げられないか考えるようになった。

ここでちょっとした勘違いが生まれ、その後の道を決める事が起きた。


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