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アル・キンディと競馬占星術4

こんにちは。今回もご訪問ありがとうございます。

アル・キンディ(Al-kindi)。9世紀アラビアの大学者にして、翻訳者グループのリーダーとして、当時のアッバース朝カリフの依頼を受け、シリア語やギリシャ語で書かれた多くのギリシャ哲学書や学術本をアラビア語に翻訳し、自身も様々な分野の学術書を執筆した事で知られています。

西洋占星術好きな私の中では占星術の書物を多く書き遺した研究者、というイメージです。
第7代カリフ、アル・マアムーンの宮廷に出入りするようになり、当時の宮廷占星術師マ・シャア・ラー(Mashaallah)とウマー・アル・タバリ(Umar al-tabari)の死後(西暦815年頃)、宮廷に入った占星術師サール・ビン・ビシュ(Sahl ibn Bishr)の下で、専門的な作業をするようになったそうです。

キンディの著書「Forty chapters」は11世紀の著名な占星術師アル・リジャル(Al Rijal)やアル・カスラニ(Al-Qasrani)、アル・ビールーニー(Al-biruni)らが大いに参考にし、17世紀英国の天才占星術師ウィリアム・リリー(William Lilly)も初めての英語による古典占星術の教科書として名高い「クリスチャン・アストロロジー第1書&第2書」のP303に「結婚に関するアルキンドゥス(Alkindus:ヨーロッパではal-kindiをこう呼んでいました)」というタイトルで、キンディの技法を紹介しています。

「Forty chapters」は2011年ベンジャミン・ダイクスというアメリカの先生がラテン語版からの英訳本「The Forty chapters of al-Kindi」を出してくれました。誠に偉大です。偉業を果たしてくれました。皆さん中古本がまだ出回っている間に買いましょう。お勧めします。

では今回は「The Forty chapters of al-Kindi」P263の36章の1の続きからご紹介していきます。

さらに時間のルーラーシップを自ら主張する星がどれかを、注意深く探してください。それは[勝つ]馬を表します。

そして第2[時]のロードはその次の馬を,第3[時]のロードは第3の馬を,残りの時間のロードは残りの馬を,どのような順位であったとしても示すからです。

これ、おわかりいただけますかね…
時間のルーラーシップってなんだよ?って話になりますよね。どうしても。

ご説明します。

時間って7惑星に支配されているんですよ。
7惑星とは1.土星、2.木星、3.火星、4.太陽、5.金星、6.水星、7.月
の事です。

週の曜日ってあれ、意味わかります?日曜、月曜、火曜って。
日曜って太陽が支配する日って意味なんです。
月曜とは月が支配する日って意味なんです。
火曜とは火星が支配する日って意味です。
以下水曜=水星、木曜=木星、金曜=金星、土曜=土星が
それぞれ支配しているんです。

何を言うとんねんって感じですか?
お気持ちよく分かります(笑)

この考えは吸収すると言うか、飲み込むのにお時間が要ると思うんですけど
もうこれは受け入れていただくしかない、古代からある理論なんです。

惑星が日も時も支配するって考えるんです。
で、何で土星が1で木星が2で火星が3で、になっているのか。

惑星の並びはこのように決まっているからです。
土星が1番で木星が2番、3番火星、4番太陽、5番金星、6番水星
ラストの7番目が月です。
この順番の事をカルディアン・オーダー(Chaldean order)って言います。
そうなんですこのように決まっているんです。
ええ、ガチガチに。


えっと、この辺にしときますか?(笑)

じゃまた来週。

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