大荒れG1番外編/単勝1.1倍馬はなぜ負けた。
こんにちは。
JRAの大荒れG1レースについて、どの様なチャートだったのかを調査する企画「JRAの大荒れG1を振り返る」を5回ほど連載させていただきましたが、今回は番外編という事で、2003年6月25日20時20分発走(※公式記録では20時15分発走となっていますが、私の資料では20時20分から21分の間にスタートしたと書かれています。昔の地方競馬は発送予定時間を5分10分越える発走はザラでした。)大井競馬場メインレース第26回帝王賞(JpnI)のスタートチャートを見ていきたいと思います。
2002年の大井盛岡Jpn1を連勝、年末の東京大賞典(G1)も逃げ圧勝、翌年フェブラリーS(G1)、アンタレスS(G3) 連勝と当時ダート界の帝王に君臨していた4歳牡馬ゴールドアリュールが、得意の大井で3つ目のJpn1を狙い参戦してきたレースです。
ゴールドは当然のように単勝1.1倍に支持されました。結果は?11着敗退。今まで負けても5着までと掲示板を外さなかった馬が、驚きの大敗を喫しました。
レースは4番人気が勝ち、2着は2番人気。1.1倍が馬券外に飛んだとは言え、人気上は驚くほどの荒れレースとも言えない結果でしたが、馬連6150円とまあまあ付きました。
では本チャートを見ていきましょう。
牡牛サイン15.45度にある月は欠けていくモード。下弦の月を超えて二十六夜月。下弦の月の数日後に見られるさらに欠けた状態になっています。
1番人気馬を表す星はアセンダントのロード土星。土星は6ハウス、蟹、太陽の傍、と占星術上では「最悪の詰め合わせ」みたいな感じです。
土星を苦しめ、悩ませ、困惑させる暗示のセットです。
蟹サインは土星のデトリメント(Detriment:有害、損害)サインです。本チャートの土星は蟹サイン2.45度にある。ということは土星は蟹サインにあると「有害と損害をもたらす」場所にいることになります。あんまりよくないんです土星にとっては。
しかもこの星、ディグニティが全くないペレグリン(Peregrin:放浪、流浪)状態ですので、土星の基本的な調子と言うか状態だけ見るなら、まあ最悪なのです。
また古典占星術ではジョイハウスという概念があります。これは惑星があるハウスにあるとジョイ(Joy:喜び)になり惑星を元気づける、そのハウスと向かい合うハウスにあると楽しくないハウスになり、よろしくないとする考え方なのですが、土星の場合は12ハウスが土星を喜ばせるジョイハウスと言われています。では12ハウスと向かい合う6ハウスは?逆なので喜ばしいどころか、いつもイライラさせるハウスと考えるのです。
このチャートの土星は更にマイナス要素が増えました。
更に、土星の傍に太陽があります(蟹サイン3.30度)。太陽は灼熱の炎のかたまり。炎の塊が土星のすぐそばにある。土星はどうなる?占星術では薪ストーブの中に顔を突っ込まされているようなもの、と捉えるのです。
これをコンバスト(Combust:燃える、燃やす)と言います。占星術の暗示の中でも最凶レベルです。
以上3つの凶暗示がアセンダントのロード土星を襲い、1番人気は馬券外に沈みました。
ゴールドアリュールはレース後の検査で喘鳴症(ノド鳴り)があることが判明。翌月引退しました。