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アル・キンディと競馬占星術5

こんにちは。今回もご訪問ありがとうございます。

アラブ初の哲学者と称される9世紀の碩学アル・キンディ(Al-kindi)。哲学、政治、数学、医学、音楽、天文学など多くの著書を手掛け、占星術の分野においても「On the stellar rays」「The Forty chapters」などの著書が現代まで残っています。また9世紀インド、ペルシャ、アラブ、エジプト等多くの国々の王に呼ばれ中近東全域を旅した、当時最も有名だった占星術師アブ・マシャー(Abu Ma'shar)に占星術を教えた人物としても知られています。

アメリカの古典占星術師および翻訳家ベンジャミン・ダイクス(Benjamin N. Dykes)は「Forty chapters」の英訳本「The Forty chapters of  al-Kindi」を2011年に出版してくれました。
ダイクス先生の偉業に敬意を払いつつ、P263 36章 競馬について(On Horse Racing)の項のいくつかをご紹介させていただく連載記事は5回目に入りました。

前回は36章その1. 象徴星と概説、より
「さらに時間のルーラーシップを自ら主張する星がどれかを、注意深く探してください。それは[勝つ]馬を表します。そして第2[時]のロードはその次の馬を,第3[時]のロードは第3の馬を,残りの時間のロードは残りの馬を,どのような順位であったとしても示すからです。」

この文章について「時間のロード」という概念のお話の続きをさせていただきます。すみませんが4から続くお話ですのでまだ読んでらっしゃらない方は前回の記事を是非ご覧ください。

7惑星は曜日を支配します。
土星は土曜日を支配する惑星です。木星は木曜日、火星は火曜日、太陽は日曜日、金星は金曜日、水星は水曜日、月は月曜を支配する惑星となります。

1.土星 2.木星 3. 火星 4.太陽 5.金星 6.水星 7.月
惑星にはこの順番が与えられています。
カルディアン・オーダー(Chaldean order)と言います。

古代、1日の始まりは日の出からでした。土曜日が始まるのは土曜の早朝からという事になります。その始まりの時間は「土星時」となります。
日の始まり、第1時は曜日支配星が担当するのが基本的な概念です。

よって土星日土星時が土曜の始まりで、次の時間は木星時、以下火星時、太陽時、金星時、水星時、月時と時間担当惑星がカルディアン・オーダー順で移り変わっていきます。これをプラネタリーアワー(Planetary hours)と呼びます。

日の出から日の入りまでの時間帯を12で分けます。
例えば土星の日、土曜日だった場合、第1時は土星となります。
以下2時木星、3時火星、4時太陽、5時金星、6時水星、7時月、8時土星、9時木星、10時火星、11時太陽、12時金星
ここまでが昼の時間帯です。太陽の日の出から日の入りまでを12分割したのがプラネタリーアワーの考え方です。

続いて日の入り後から日の出までの時間帯を出していきます。13時水星、14時月、15時土星、16時木星、17時火星、18時太陽、19時金星、20時水星、21時月、22時土星、23時木星、24時火星、ここまでが夜の時間帯、夜を12分割して時間を7惑星に割り振っていきます。そしてここまでの24時間で土曜は終了します。

日の出1時太陽、なぜって?カルディアン・オーダーの並び的に火星の次は太陽になるから。土曜の次の日、日曜は太陽が支配、そして日曜の1時も太陽が支配となるのです。

聞いた事のない考えで戸惑われている方もおられると思います。
曜日とは惑星が支配する日、という意味だととりあえず覚えていただいて、
時間も惑星が支配するもので、カルディアン・オーダー順に時間の支配星が移り変わっていく、ということも覚えておいていただけると、とても嬉しいです。

で、ホラリー占星術てのがあるんですよ。

西洋占星術って誕生日時でチャートを作ってあーだのこーだの言うもの、と
思っておられる方、多いと思います。

それは専門用語でネイタル占星術って言うんです。
ネイタルチャートとかバースマップとか言うんです。

ホラリー占星術とは質問者、つまり占星術師の所に相談に来るお客様の事ですね、そのお客が

「私、競争馬の馬主やってるんだけど、明日下ろすうちん所の新馬はレースに勝つかなあ?」

とか具体的な質問をされた時に、占星術師が出すチャートの事をホラリーチャートと言い、これによって占う占術をホラリー占星術(Horary astrology)って言うんです。

ホラリーチャートは「今」占い師が占っている場所の惑星の配置図を出します。
お客のネイタルチャートは使いません。


ここまでにしときましょうか。
また来週。









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