美味しいコーヒーの抽出理論
ども。今日はスタバの豆、ケニア深煎りを飲みながら書いているぽっぽです。
初めて書いた記事でどうして美味しくなるのかの解説の記事を書いていなかったので今回は解説編です。
今回の記事は上記の記事を読んでいないと何を解説しているのか判らないと思いますので、興味のある方は是非記事を読んでからこちらの記事も読んでみて下さい。
一応、初心者さん向けの記事になりますので、中・上級者の方々は温かい目で読んで下さい。
小出しにしても仕方が無いのでまず共通の結論から書きます。
コーヒー豆はそもそも「美味しい成分」も「美味しくない成分」も同時に持ち合わせています。
要するに、「美味しい成分」を出来る限り抽出しつつ、「美味しくない成分」を出来る限り抽出しない事で美味しいコーヒーを淹れる事が出来るようになると言う事です。
※インスタントコーヒーに関してはすでに抽出された物なので、最大限元に戻すと言う考え方です。
インスタントコーヒー編
インスタントコーヒーは手軽に飲める事が醍醐味なのに何故わざわざそんな手順を踏まなきゃいけないんだと思う方もいらっしゃると思います。
私が言いたいのはたとえインスタントコーヒーであっても、もう一段階美味しくなる可能性を秘めていると言う事だけです。
ちゃんとスケールで分量を量り、インスタントコーヒーの粉を水でいったん溶いてからお湯を注ぐ。
ある意味で増えるのは正味30秒程度のたったこれだけの事です。
では何故そんな事をするのか。
当たり前ですが、インスタントコーヒーはそもそも一度コーヒー豆からコーヒーを抽出し、大体2通りの乾燥工程を経て粉にされています。
説明書に書いてある粉とお湯の分量がインスタントコーヒーになる前に美味しく抽出されたコーヒーの分量と言う事です。
あと、インスタントコーヒーにはでんぷんが含まれています。
急に熱いお湯をそのままインスタントコーヒーに注ぐとでんぷん質が先に糊化を始めます。
片栗粉や小麦粉にそのままお湯を注いで混ぜるとダマやゲル状になりますよね?それです。
いくら混ぜても糊化してしまったでんぷん質の中身に閉じ込められてしまった粉は溶け残ります。
要するにお湯にインスタントコーヒーの成分が溶けられないままの粉が残った状態でコーヒーを飲む事になると言う事です。
薄く感じたり粉っぽく感じるのはこのせいです。
お湯を注ぐ前に先に水でインスタントコーヒーの粉を溶いておく事ででんぷん質が水の中に均等に広がり、インスタントコーヒーの成分が十分にお湯に溶けやすい準備状態になります。
最後に、何故注ぐお湯の温度は90℃前後が良いのか。
それはコーヒーの香り等の成分は多くが揮発性である為、湯温が高過ぎると揮発して成分が飛んでしまうので、レギュラーコーヒーを淹れる時と同様の90℃前後がおすすめと言う事です。
ドリップバッグ編
ドリップバッグ編では普通に淹れるのではなく、浸漬式での淹れ方をご紹介しました。
その理由ですが、記事を見て実践してくれる方のカップの大きさや深さが判らないと言うのが一番の理由です。
ただ、せっかくのドリップバッグなので、ちゃんとフィルターも活用しようと思い、このレシピを思い付きました。
まず、お湯が沸いたら抽出量をサーバー(計量カップ)に注ぐ訳ですが、この時点でお湯の温度は一気に下がり、素材によりますが95℃前後程度まで落ちるはずです。
温度は92℃~93℃程度が一番理想的なので焦らずゆっくり次の工程に移って頂ければちょうど良い塩梅になると思います。
温度が落ちたお湯にコーヒーの粉を投入する事で過抽出を防止し、優しく粉をスプーンの背でお湯に沈ませる事でコーヒーの粉全体から均等な抽出を促します。
ここでグルグルと雑に混ぜてしまうと抽出が進み過ぎて雑味が大量に出てしまうので絶対ダメです。
浸漬式は透過式とは違い、新鮮なお湯が毎回粉に触れる訳ではないので自然と時間経過とともにコーヒーの粉から成分が出難くなります。
浸漬を開始してから3~4分程度で雑味が出始めるので、3分程度経過したらフィルターで濾す直前に軽く撹拌してあげる事で濃度が均一になり、安定して美味しい味を出せると言う事です。
ちなみにドリップバッグに使われるフィルターはほとんどが不織布だと思いますが、ペーパーフィルターとは違い、フレーバー豊かなコーヒーオイルもかなり透過しますので、ねっとり滑らかなで濃厚な質感のコーヒーになります。
ドリップバッグは様々な形状がある為、お使いになっているカップによっては透過式で淹れているうちにいつの間にか浸漬式になっているような状態になってしまったり、お湯の量が定まりにくいという欠点を無くしたレシピになります。
ハンドドリップ編
ハンドドリップをすでにやられている方は大体の道具をお持ちだと思うので必要最低限の道具を書かせて頂きました。
私自身、コーヒーを始めた当初はコーヒーを淹れると言うだけでスケールやタイマーなんて大袈裟だと感じていましたが、安定した味を出すには必須のツールです。
何故いつもより美味しくなるのかと言う理由はとにかく雑味を徹底的に減らすと言う事に限ります。
コーヒー豆の焙煎度合いに応じた適切な湯温でのお湯の使用
抽出後半に出てしまう雑味を減らす為の抽出時間制限
コーヒーの粉(豆)を体積ではなく重量で計る(計量スプーンはメーカーによって量が違う為)
私の場合、上記の事を徹底しただけで、冷めても美味しく飲めるコーヒーに変わりました。
コーヒーを豆で買っている人向けにハンドピックの記事を書きましたが、その理由も書いておきます。
ハンドピックとは買ってきた豆から欠点豆を取り除くと言う事ですが、何が欠点でどう駄目なのかが解らないと取り除く気にもならないと思います。
実際私はケチなのでモッタイナイ精神が働いてしまい初めは抵抗がありましたが、ちゃんと理由を知る事でヤル気になりました。
具体的にどのような豆が欠点豆と呼ばれ、何故取り除く必要があるのか説明します。
欠けた豆・潰れ豆
精製や運搬、焙煎中等の過程で踏まれて潰れたり欠けてしまった豆。
形が他の豆と異なっていたりする事で焙煎時に豆への火の通りが他の正常な豆と比べて不均一になり、狙った焙煎度とは違う焼け具合になって風味を損ないます。
生育異常豆・貝殻豆
遺伝子の異常等によって、うまく成長出来なかった豆や貝殻の様な形をした豆です。
歪な形になり、味わいもえぐみや青臭い風味を持ちます。
虫食い豆
虫食いの穴がある豆です。
こちらも、風味に重大な悪影響を与えます。
焼けていない豆、焼け過ぎの豆
これは言うまでも無く、正常な豆であっても他の豆と比べて明らかに焼けていなかったり、焼け過ぎて焦げてしまっている豆です。
どこかに引っかかってしまってうまく焼けなかった豆や、前回焼いた豆の残りが混入してしまったとか様々な理由があると思います。
青臭い匂いが入ってしまったり、焦げ臭くなったり苦み等も強く出てしまう場合もあります。
以前の記事にも書きましたが、粉にされてしまうと判らないので、店によっては上記の様な欠点豆も一緒に挽かれてしまう事があると言う事を覚えておきましょう。(挽く前にハンドピックをお願いしても絶対やってくれません。豆で買った人が自らハンドピックをして知る事が出来る美味しさがあります。)
一概には言えませんが、私の経験上平均して100g=1,000円オーバーの豆を売っているお店だと機械を使用・併用するお店もありますが、焙煎前、焙煎後の最低でも2回はハンドピックされていて、豆面がとても均一で欠点豆がほとんど無く綺麗なコーヒー豆を買える事が多いと思います。
どんなお店でも100%完璧と言う事は無いので、コーヒー豆を買ってきたら一度バットに広げて欠点豆を取り除きましょう。
ほぼ安く買ってきた豆(店)ほど欠点豆は反比例して多くなるので、だんだんとコーヒー豆を買うべきお店が定まってきます。(経験談)
以上で上記の記事では取り上げなかった解説編が終わりとなります。
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