どんな時にアニメーションを使うの?アニメーション表現が適した商品・サービスなど、具体例を挙げて解説
どんな事柄がアニメーションに適しているかご存知ですか?何となくアニメーション表現が採用されている訳ではなく、やはりちゃんとした理由があります。この記事は「なぜアニメーション表現が採用されたのか?」という疑問の答えにもなっています。「えっ!そうなの?」と思われた方にはとても有益な情報になるのではないでしょうか。
普段から多くのアニメーションを見ていますが、よくアニメーション表現が使われている商品やサービス、事業など、思いつく限りの項目を洗い出しました。そしてわかりやすいように分類しましたので、1つずつ見ていきましょう!
この記事を書いている私は、アニメーション制作をして4年ほど。
キャラクターアニメーションを中心にアニメーション制作をしています。個人デザイナーとして活動し、多数の制作実績があります。
アニメーション向き事柄1:撮影できないもの
3つに大きくグループ分けしたのですが、まずは撮影できないものから。簡潔に言うと「目に見えないものや形の無いもの」がこの分類に当てはまります。
そもそも肉眼で見えないもの
また空気中の臭いが消えていく様子を表したい場合、アニメーションでは臭いを形で表現し、消えていく様子を伝えることは可能です。この場合は、実写+アニメーションの合わせ技も考えられるかと思います。テレビCMでは、煙などを後から加えたり、3DCGアニメーションを使用していたりするのを目にします。
例えば「植物が二酸化炭素を吸収して、酸素を放出する様子を撮影してください。」と言われてもおそらく無理ですね。
内部のもの
撮影する方法はあるのかもしれませんが、小型カメラが必要だったり、カットして断面を見せる必要があったりと、簡単ではないでしょう。
車や家電など機械の内部は、3DCGアニメーションで表現しているものをよく見かけます。アニメーションなら、透明にしたり部品を動かしたり、自由に見せることができます。肉眼で見えないものとの組み合わせになりますが、体内で脂肪が燃焼される様子、または薬が効く様子を表現するとなると、実写では不可能なレベルの話になってきます。
形のない商材や事業
最近ではこのグループのアニメーションが一番多いと思います。例えば保険サービスや、“〇〇システム”のような仕組みやフローが商品や業務となるものなど様々ありますが、最も代表的なものがアプリやクラウドサービスなどのITサービスです。
IT技術を使用したサービスは、スマホやパソコン上での操作が中心になり、裏で何が起こっているかわかりにくく、実写だけだと伝わらない場合があるからです。CMの場合は実写でも制作できると思いますが、少し詳しくサービス説明をしようとすると難しくなることが多いのではないでしょうか?
その中でも特に体系的なサービス紹介する場合は、アニメーション表現がうってつけです。例えばIOTを活用したサービスなんかが当てはまります。
抽象的、精神的なもの
考え方やイメージを伝える場合は、実写かアニメーションかどちらか合うものを選んで制作することになります。ブランドのイメージを手描きイラストを使用したアニメーションで表現したり、モーショングラフィックスでかっこよく表現したりすることもあります。
理念やビジョンなどは、実写も多いですが、実写では表現が難しくアニメーションを採用することもあります。最近では社外だけでなく、社内向けにビジョンをアニメーションで制作したものも目にするようになりました。
アニメーション向き事柄2:撮影が大変なもの
撮影しようと思えばできるのですが多額の費用がかかるケースもあり、コスト面からアニメーションを採用する場合もあります。遠方だったり、スタジオのセットが必要だったり、実写だとコスト面で何かと頭を悩ませることがあるのではないでしょうか?そもそも撮影に行けない場所もあります。
規模が大きなもの
規模が大きな事業や複雑に展開している事業の案内動画を制作する際、撮影が大変だったり、様々な場所へ行って撮影する必要があったりと、何かと手間がかかるかと思います。そんな場合はアニメーションの採用も1つの方法として考えられます。
例えば、発電事業の解説動画や、世界中で展開している事業案内など、規模の大きな事業やサービスをわかりやすく紹介するのでしたらアニメーションは最適です。
商品配送システムや生産管理システムなど、体系的な事業やサービスを紹介する場合も、アニメーション動画は力を発揮します。
複雑な内容のもの
例えば「海外から食品を輸入する手順」を動画で説明するとします。食品の種類によって申請事項が異なるので法律や規制を調べて、必要な申請書類を準備して、場合によっては検査が必要で…といった複雑な内容になり、実写で表現しようとすると困難です。
このように複雑な内容を説明したい場合、アニメーションを使うとわかりやすくなります。情報を整理して、見やすい順序にし、図等を加えることで、すぐに理解できる内容の動画になります。
「中古マンション購入のポイント」というような、要点をまとめた説明動画もアニメーションが有効です。
ストーリー
例えば創業時のストーリーを交えて会社案内動画を実写で作りたい場合、まずイメージに近いキャストを探したり、また撮影スタジオでセットを準備したりと大変です。創業が大昔となると、衣装にもこだわりたくなり…大企業でないと難しいのではないかと思います。
ドラマ仕立てもサービス案内も同様ですが、キャラクターに動きを付けたアニメーション以外にも、漫画をスライド形式で使用したアニメーションも多く見かけます。
アニメーション向き事柄3:伝わりにくいもの・わかりにくいもの
アニメーションの“表現が自由自在”という特性を生かして、わかりにくいものを理解しやすくしたり、なかなか見てもらえないような難しい内容の動画も受け入れてもらいやすい形にすることができます。このような特性を最大限に生かせるのがこれらの項目です。
イメージしづらいもの、難しい内容のもの
イメージしづらいものは色々あるかと思うのですが、具体例を挙げると「特殊な機械部品」「換気設備」といった普段目にすることがなく、見てもどのような働きをしているかわかりにくいものです。特定の同じ業界内なら伝わるのかもしれませんが、これがBtoC商材であったり、一般の方への認知を上げようとしたりするとなると難しい問題です。
また研究結果や専門知識だとか難しい内容を一般の方に向けて解説する場合も、普通に伝えていては理解してもらえません。
マニュアル動画や学校教育用の学習動画もこのグループに入ります。わかりやすい図説をデザインしたり、興味を持って見進めてもらえるような工夫も考えることができます。またマニュアル動画やHow-To動画は、もちろん実写がわかりやすいことも多いですが、余計なものを写したくない場合や、図説やイラスト表現の方がわかりやすい場合はアニメーションを採用します。
このような問題にもアニメーションは力を発揮します。商品にデフォルメを加え親しみのあるデザインで表現したり、わかりやすい図説で矢印などの要素も加え説明したり、キャラクターに説明させる演出をしたりと、様々な工夫ができます。
図表や文字
この項目は上と少し被るのですが、文字だけや数値データだけで見せる場合には、インフォグラフィックスやモーショングラフィックスと言われる手法のアニメーションで制作します。
株主総会で使われるようなIR動画は、売上などの数値を示すことが多いためこのインフォグラフィックスが使われることがあります。
また最近では歌詞をメインにアニメーションさせるミュージックビデオも非常に増えてきています。
演出が必要なもの
最後に“演出が必要なもの”と実写にも当てはまるような項目なのですが、例えば「会社案内を作りたいけれど、撮影してもわかりにくく見せたいものが無い」というような場合、表現が自由自在なアニメーションが有効です。見る人にどのようなイメージを持ってもらいたいかを明確にし、テイストを考えアニメーションを制作します。
また「CMやイベントのオープニングで目を引くような演出がしたい」というような際にも、実写とは違う演出ができますし、また実写+アニメーションという合わせ技も考えられます。
その他にもゲームや玩具といったもともとアニメーションと親和性の商品もあります。
まとめ
アニメーション表現に適した事柄を出来るだけ多くピックアップしてまとめてみたのですが、如何でしょうか?どんなことがアニメーションに適しているのか理解できて今後のお役に立てばうれしいです。一通り挙げれたと思うのですが、また違うものを思いついたら随時加えていこうと思います。
この記事を見て「アニメーションで制作しよう!」と思われた方は、制作依頼も受け付けていますので、一度ご相談頂ければと思います!
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