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藍染カレンというアイドルがいたこと。

私の最推しで初めて好きになったアイドルが卒業した。
といってももう1ヶ月経つのだが。
私と交流がある人にとっては私がどれだけアイドルが、ZOCが、藍染カレンが好きだったか知っていることだろう。
ZOCはシンガーソングライターの大森靖子がプロデューサー兼メンバーを務めるアイドルグループである。
何かと世間を騒がせたり、時には炎上騒動を起こしてしまうグループ。
元メンバーには戦慄かなの(現femme fatale/悪魔のキッス)、香椎かてぃ(現Haze/悪魔のキッス・KATY)、鎮目のどか(現iLiFE!・那蘭のどか)等錚々たるメンバーがいた。
そんなZOCを初期から支えてきた孤高の存在である紅の戦士・藍染カレンが卒業。
もちろんZOCのファンからしたら衝撃的なニュースだったし、名前しか知らないという人も驚いていたように感じた。

藍染カレン

私が彼女に出会ったのは何がきっかけだっただろう。
もはやそれすらも覚えていないほど前から大好きだった。
恐らく「断捨離彼氏」のMVだったような気がする。
始めはそのMVに出ていた東海オンエア見たさにYouTubeで検索をかけた。
一際目立つ赤髪、長い手足としなやかなダンス、端正な顔立ち、伸びやかな歌声……彼女から目が離せなかった。
そこからどんどんと私はZOCの沼に沈んでいった。
そのときは香椎かてぃと藍染カレンの2人(ぞめてぃ)を推していたのだが、2021年2月8日の武道館でかてぃは卒業。
ぞめてぃを見ることはできなくなった。
新メンバー加入、炎上、活動休止、改名……
挙げればキリがないほどZOCはある種話題になっていた。
そんな中でも藍染カレンはZOCで居続けていた。
過去のメンバーが守って、大切にしてきたこの場所をずっとずっと離れなかった。
気がつくと初期メンと言われるようなメンバーは、大森靖子と藍染カレンの2人しか残っていなかった。


初めてその姿を生で見たときを私は鮮明に覚えている。
渋谷の屋上でのリリイベ。
都内に行くのも初めてで慣れない街中に緊張しながら向かっていた。
土地勘も全くない中でなんとか会場に到着。
大好きなあの娘をこの目で見た瞬間私は「ああ、生きててよかったな」って、心から思えた。
彼女の歌声に何度救われたか。
特典会でも緊張で口が回らなくてたどたどしすぎる私の話を真っ直ぐな目で見ながら、聞いてくれた。
私は「藍染カレン」という存在に救われていたのだ。

その日から私はバイトで稼いだお金を切り崩しながら時間的に余裕があるときにはライブやイベントに足を運ぶようになった。
まさか推しの卒業が待ち受けているなんてことは思いもしなかったが、心のどこかでいつかそんな日がやってくるのだろうなと思っていたのでなるべく行けるような日は行こうと心がけていた。


彼女のメンバーカラーはFIGHTER RED(赤)。
紅の戦士とも呼ばれている。
その名の通り、どんな言葉を浴びせられようとも最前線で事務所ごと引っ張っていく姿がとてもかっこよかった。
世間に負けないように戦いながら、ファンに音楽を届けてくれる。
それはTOKYOPINKに所属しているどのメンバーもそうだろう。
その中でも音楽をステージからひとりひとりに向けて大切にぎゅっとしていたのは藍染カレンなのではないだろうか。
大森靖子の背中を1番近くでずっと隣で見続けていたカレンだからこそ表現できるものがあって惹かれるものがある。


私の中の紅い炎を灯していれたのは間違いなく藍染カレンがいたからで、出会うことがなければここまで強く生きていなかったなと思う。
出会ったときとは身の回りの環境が私もカレンもまるで変わってしまって、ときには流されそうになったけれどいつでも音楽で迎えに来てくれた。
どんな嫌なこととか死にたいなって思ったときとかあったとしても、藍染カレンという存在こそが私の生きる理由となっていた。
私がアイドルを好きになるなんて思っていなかった。
けれどこんな最高なアイドルを卒業まで見届けることが出来て好きになることが出来て本当に良かった。
ZOC・藍染カレンは、紅の戦士の名に相応しく真っ直ぐに真摯にアイドル活動を終えた。
そのアイドルの名を私は一生忘れることはないだろう。


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