外部院試受験(東大薬修士) 連載#2 (B3 5月〜3月の記録)
はじめに
今回から数回に分けて、外部院試受験を決めたときから合格までの勉強、日常生活について書いていきます。今回は院試説明会に参加したときのことや、有機化学の基礎的な勉強は何をしていたかを中心に時系列で綴っていきます。
2023年5月
東大薬の院試説明会に参加した。自大学で研究活動が始まれば他の大学のラボを見られる機会はないだろうから、行けるうちに行きたいと思っていた。しかし一人で見知らぬ研究室に乗り込む勇気はなかったため、絶好のチャンスに違いなかった。このときは、ピンとくる研究室があれば深掘りすればいいし、なければ他の大学を探すか内部からの進学でもいいという気持ちでいた。
院試説明会とはあるが、実際のところ院試に関連する内容はあまりなく、各研究室3分ほどの紹介とその後の見学がメインだった。見学は2時間強、時間的に2つの研究室に行くことができた。どちらの研究室にも5〜6人のB3が他大学(東京理科、慶應など)から訪問しており、彼らとラボ内の案内を受けたり説明を聞いたりした。最初に訪問した研究室Aでは教授と直々にお話しすることができた。他大学からの学生を歓迎しており、雰囲気はとても良かった。その次に訪問した研究室Bでは助教らと対話した。デスクがない(外部からの受け入れはほぼ無理)と言われたが(それなら全体の紹介のときに言ってほしいものだ)、ラボの見学はさせてもらえた。見学終了後、研究室Aが強く印象に残っており、秋頃に再度訪問することを決める。
2023年9月
1ヶ月ぐらい前にアポをとり、個人的に研究室Aを訪問した。教授から研究内容についての説明を受け、いくつか質問(学術的な内容は難しかったためラボ生活の流れや院試についてがほとんど)もした。この質問はネットで検索して参考にしながら事前に作成していた。学生の方にラボ内の案内を再びしてもらい、TOEFLや院試の相談をした。連絡先もそのときに交換させてもらった。①自分が目指す最終ゴールと研究室が目指す方向性が一致していたこと、②博士課程への進学が大多数であり設備だけでなく切磋琢磨できる環境という意味での研究環境も整っていること、などの理由からこの研究室を志望することに決めた。
2023年10月〜12月中旬
対策は何もせず、バイトと学生実験に忙殺されていた。本当に何も記憶にない。
2023年12月下旬〜2024年1月末
ボルハルト・ショアーの17章(カルボニル)から復習を始めた。深い理由はなく、カルボニル関連の反応は多彩だから基礎は早めに定着させたほうがいいと思ったためである。本文を読みながら練習問題を解き、章末問題を一通り解いた。このとき、「各反応を関連づけて説明できるか?」とか「勘違いが起こりそうな部分はどこか?」など、自分をとことん疑いながら進めていった。平日やバイトがある日は疲れ果てて何もできなかったが、無理に勉強しようと追い込むことはしなかった。その代わり、余力があるときはいつでも勉強できるよう、ボルハルトの下巻(重い…)と演習ノートは常に持ち歩いていた。
2024年2月〜3月
1.学習面
ボルハルト9章(アルコールの反応とエーテルの化学)→11章(アルケンの合成)→13章(アルキン)→14章(アリル位の反応、ペリ環状反応)→15章(ベンゼンと芳香族性)の順で取り組んだ。当初の計画ではカルボニルの流れで18章以降を先に進めようとしていたが、17章の章末問題を解いたときに前の章の知識が足りなさすぎると思ったため、アルコール付近に戻って章立て通りに本文を読んでいくことにした。12章(アルケンの反応)が飛んでいるのは、①アルキンをやれば大体わかると思った、②もしアルケン特有の反応があってもどうせウォーレンでやるだろうしとりあえず早く上下巻全体を1周してしまいたい、の2つの理由からである。なお、章末問題を全部解いていたらウォーレンを一生始められないことに9章を終えた段階で気づき、本文の精読と練習問題を解くにとどめることにした。
2.バイトと勉強の両立(?)
この春休みがバイトに注力できる最後の機会だと思い、普段の塾バイトに加えてバレンタイン・ホワイトデー限定の短期アルバイトをした。多いときはこのバイトに週30時間以上を費やし、もはや学生よりはフリーターに近い生活を送っていた。慣れない接客業で疲れまくっていたが、昼ご飯休憩の約1時間はほとんどボルハルトの問題演習に充てた。バイト先への移動時間も長かったため、”知っておきたい有機反応100”や大学の授業資料を読んでセルフレクチャーをしていた。
3.所属学科における研究室配属
すべては東大薬に受かって第一志望の研究室に行くため!!ということでホワイトゆる有機系の研究室を志望し配属が決まる。なお、配属にあたって専門科目等を加味した成績順位を知ることができたが、あまりの低さに仰天した。まあ授業出て話聞くのも大嫌いだったし?レポートもカスみたいなのしか出してないし?そもそも履修した授業数も少なかったしな…受かったらなんでもいいよね、うん、ということで自分を納得させて心の平穏を取り戻す。
おわりに
TOEFL iBTの話をしてなくないか?ということですが、B4になるまで何も対策をしていませんでした。自分の英語力を過信してのことですが、出願間際に大慌てすることになります。これについては次回以降触れます。
次回の記事はB4の4月〜7月第1週(院試休み前まで)の予定です。卒業研究が思うようにいかず多少苦しい日々ですが、1〜2週間以内に投稿することを目標にします。ここまで読んでいただきありがとうございました!