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最新の消費支出と実収入動向を読み解く
総務省統計局が発表した家計調査
2024年5月分 (2024年7月5日公表)最新データから
最新の消費支出と実収入動向を読み解く
消費支出の変動
消費支出は個人消費の実態を示す重要な指標です。総務省統計局の「家計調査」に基づくデータは、二人以上の世帯を単位として集計されています。以下は、2021年から2023年までの年平均および2024年の月次の消費支出の変動です。
二人以上の世帯の消費支出(実質)
2021年: 0.7%
2022年: 1.2%
2023年: ▲2.6%
2024年に入ってからの月次データでは、以下のように消費支出が変動しています。
2024年2月: ▲0.5%(前年同月比)、【1.4%】(前月比、季節調整値)
2024年3月: ▲1.2%(前年同月比)、【1.2%】(前月比、季節調整値)
2024年4月: 0.5%(前年同月比)、【▲1.2%】(前月比、季節調整値)
2024年5月: ▲1.8%(前年同月比)、【▲0.3%】(前月比、季節調整値)
このデータから、2023年に大きく減少した消費支出は2024年も依然として不安定な状況が続いていることが読み取れます。特に5月のデータでは前年同月比で1.8%の減少を示しており、家計の厳しさが続いていることがうかがえます。
実収入の動向
勤労者世帯の実収入は、名目値と実質値の両方で示されます。
勤労者世帯の実収入(名目、< >内は実質)
2021年: ▲0.7% (<▲0.4%>)
2022年: 2% (<▲1.0%>)
2023年: ▲1.5% (<▲5.1%>)
2024年の月次データでは、以下のような変動が見られます。
2024年2月: 0.7%(前年同月比、名目)、<▲2.5%>(実質)
2024年3月: 3%(前年同月比、名目)、<▲0.1%>(実質)
2024年4月: 2.3%(前年同月比、名目)、<▲0.6%>(実質)
2024年5月: 6.4%(前年同月比、名目)、<3.0%>(実質)
特に5月には、前年同月比で6.4%の大幅な増加を示しています。実質収入の減少も続いていましたが、5月に実質収入が3.0%の増加を示し、回復の兆しが見えています。
消費支出の不安定さ
2024年に入ってからも月次データでの変動が続いており、特に5月の▲1.8%の減少は、家計の購買力や消費意欲が低下していることを示唆しています。
実収入の増加と実質収入の回復
勤労者世帯の名目収入が増加している一方で、実質収入は依然としてマイナスの状態が続いていましたが、5月には3.0%の増加を示し、回復の兆しが見えています。
今後の見通し
回復の兆しが見えたとはいえ、物価高による節約志向、消費支出の不安定さが続いています。そのため、実質収入回復の影響は限定的と考えられます。
2024年も依然として家計は不安定な状況が続いていることが読み取れます。