入社式・研修⓪その2

新大阪駅に到着し何か得体の知れない恐怖と違和感を感じ取った私は本社のある大阪駅に向かうためにJRへと乗り継いだ。

ここで、大阪をあまり知らない読者のために言っておくと、新大阪駅と大阪駅は一緒だと間違われることが多いが別の場所にあるのだ。新幹線が止まる駅が新大阪で新幹線が通っていないのが大阪駅である。ちなみに梅田と大阪は隣接しておりほぼ同じようなものだ。と、ここまで大阪という文字を打ちすぎたせいで大阪がゲシュタルト崩壊してきたので大阪駅の説明はここまでにしておこう。

そんなこんなで5分ほど電車に乗り大阪駅に到着したのだが、周りを見渡すと私と同じようにスーツ姿でキャリーケースを転がしている若人が大勢いた。
「同志よ、共に日本を明るくしていこうや」
そう心の中で呟きながら脳内で全員とグータッチをし(決してジャイアンツファンではない)
徒歩で本社へと向かった。

本社に到着した私は緩んでいたネクタイを締め、ワイヤレスイヤホンを外そうとしたのだが、なかなかうまくとれない。手が震えているのである。
「これが武者震いってやつね、なるほど」
と、私は小さく呟き(多分隣におったギャルに聞かれていた)
まるで大蛇丸のもとに向かう時のサスケのような決意に満ちた顔で門をくぐった。

本社に入り応接室へと通された私は、心臓をバクバクと弾ませながら(あいみょんもびっくりのBPM200)ドアを開けた。そこで同期との初めての対面である。
デイリーマンションに住むために前日入りしたのは自分含めて3人。2人とも東京人である。
比較的人見知り気質な私は、一言目なにを発すればいいのか頭をフル回転させ、絞り出してこう言った。
「みんな今来たんすか〜?」
完全にコミュ障の奴である。友達作り検定なるものがあったとしたら完全に赤点不可避だ。

そんなクソみたいな入りをしたものの意外にも打ち解けることができ、夜ご飯を一緒に食べお酒も飲みながら明日からがんばろかーという感じで楽しく研修0日目を終えることができた。

飲み会の内容だったりデイリーマンションについてなど語りたいことは山程あるのだが、いつまで経っても本題に行けそうにないので、またそのうち機会があれば話すとしよう。

では入社式・研修①に続く。

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