入社式・研修⓪

来たる4月1日、それまで学生として悠々自適な生活を送っていた私はついに新社会人としての一歩を踏み出した。
それまで養われていた身から自分で賃金を稼ぎ生活する立場へ、あまり実感はないが大きな変化である。新たな環境での生活に対して私は期待と一抹の不安を胸に秘め、新品のスーツに袖を通して会社へと向かったのである。

と、ここまで社会人初日の心境について書き出したはいいが、これを書くにあたってまずは働きはじめる前日、3月31日の事を伝えておく必要があると感じた。いわば社会人0日目である。やはり千里の道も一歩から、いや、0歩からだ。クラウチングスタートをきるまでにどのような準備をしていたのか、これがタイムに大きく直結するものである(陸上競技の経験は0である)

大学を卒業し、実家に帰省していた私はそれまで一人暮らし時代のお世辞にも健康とはいえないゴミのような生活を見直し早寝早起きと食事の改善を行い、社会人になる準備を行なっていた。特に早寝早起きに関しては22時就寝、6時起床という警察学校もびっくりの規則正しい生活をしていた。いまどき小学生でももうちょい遅く寝るだろう。完全に更年期のおっさんの生活である。

そんな生活を1ヶ月ほど続けて遂に迎えた3月31日、学生最後の日である。
私は翌日から行われる研修、入社式のため大阪へと向かった。家から羽島駅までの送迎をイタリアンのシェフである友達のA君に依頼した。時間があったので駅近くのスタバで時間を潰しながら最後の麻雀をし(A君には一回たりとも上がらせずとばしてやった)、時間がきたので羽島駅に向かい岐阜の街並みと麻雀でボコボコにいかれて不貞腐れてるA君にしばしの別れを告げた。

新幹線の車内では別れを惜しみながら遠ざかる街並みを見て改札の前で手を振ってるA君のパンツを思い出していた。めちゃくちゃパンツ見えてたな〜中学生みたいなパンツ。

そんな感じで新大阪駅に到着したのだが、駅に降り立った時にあることに気づいた。
「何か雰囲気が違う」
思わずそうつぶやいてしまうほどに異様な雰囲気を感じ取った私はとりあえず便意を催しトイレへと向かった。
便座に座りながらいつもなにも感じなかった新大阪駅に恐怖感を感じた理由を頭の中で整理し、
「なるほど、これが社会人ってやつか」
と意味のわからない解釈をしてかっこつけなが屁をこいた。

ここから研修期間に住む予定のデイリーマンションの鍵を本社に受け取りに行くのだが長くなってしまったので次に行くとしよう。

では、入社式・研修⓪その2へと続く

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