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新潟県内の凧合戦を比較してみた

新潟県内の凧合戦といえば新潟市の白根の大凧合戦が有名だが、県内には見附市・長岡市でも凧合戦が行われていることを知ったので、各資料館に足を運び調査した。この記事では白根と見附・長岡の凧合戦の比較を行った。

~白根大凧合戦の概要~

白根大凧合戦は毎年6月の初旬、第一木曜日より翌週の月曜日の5日間、 新潟市南区の中ノ口川を挟んで、 畳24枚分の大凧や1,200枚を超える巻凧が合戦を繰り広げる。 町中が凧合戦一色となる5日間。 老若男女が垣根を越えて、 勇ましく合戦に向かう光景は迫力を感じる。
起源は1737年に、「殿様より拝領した凧を揚げたところ対岸の家屋に落下し、屋根を損壊、これに怒った対岸の住人が更に大きな凧を作り、わざと落として屋根を壊して仕返しをした」という説が最も有力である。その説を基に、現代では、信濃川の支流、 中ノ口川(川幅約80m)の両岸に陣取った東軍(白根側)と西軍(西白根側)が凧を揚げるところから勝負は始まる。 揚がった凧を空中で絡ませ、 川面に落下させる。 自軍の凧綱と敵軍の凧綱を絡めて引き合い、 相手の綱を切ると勝利という祭りだ。

~見附市今町・長岡市中之島大凧合戦の概要~

見附市今町・長岡市中之島大凧合戦は、毎年6月の第一土曜日より翌週の月曜日の3日間、中之島大橋の下流、刈谷田川堤防上で中之島地区と対岸の見附市今町地区との間で行われる。掛け声とともに、畳約8枚分の大凧が空を舞う伝統行事で、こちらも迫力を感じる祭りだ。
起源は、約360年前、信州の旅人の紙商人がこの地で凧揚げをしたことが始まりと言われており、その後、天明に時代は移り、堤防の地固めの一策として、刈谷田川をはさんで凧揚げをしたのが現在の大凧合戦だとされている。

~凧合戦比較~
使用する凧
○白根

白根の大凧は縦7メートル、横5メートルの畳24畳大で、合戦凧としては世界最大級である。竹の骨組みに和紙を貼ってあり、鼻緒と呼ばれる揚がり方をコントロールする長さ30メートル程の細めのワラ縄42本と引き合い用の直径2.5センチ程の麻製の揚げ綱(元綱:モトイト)が付いている。巻凧は縦2.8メートル、横2.2メートルの畳5畳程度の六角凧である。元綱と4本の鼻緒が付いている。ちなみに巻凧の名称は、凧を収納する際に、縦骨を抜きくるくると巻き取るところから由来する。

 ○今町・中之島
「百枚張り」と呼ばれる六角凧
美濃紙100枚を使うほど大きなもので、大きさにして、縦4.3メートル、横3.2メートルもある。これは約畳8畳分の大きさである。

~比較を行った結果~

比較を行った結果、どちらも祭りの始まりは同じ時期であり、「越後凧合戦習俗」として新潟県文化財に指定されている。合戦の勝敗の決定の仕方はどちらも糸を絡ませて凧を川に落とすという方法であるが、祭りの規模には大きな差があると感じた。白根大凧合戦のほうが凧の種類が多く、サイズも大きい。さらに、揚げられる凧の数にも大きな差がある。開催日数も白根大凧合戦のほうが長くなっており、白根大凧合戦のほうが祭りとしての規模が大きい。しかし、どちらも新潟の歴史を象徴する伝統行事であるため、今後も伝統を守り、続いていってほしいと思う。

~おわりに~

白根大凧合戦は大迫力の大凧が次々に揚がる様子を楽しむことができる。さらに、出店なども多く出品するため、凧合戦以外の部分でも魅力があり、老若男女が楽しむことができる。見附市今町、長岡市中之島大凧合戦では、白根大凧合戦に比べれば迫力には劣るが、趣があり、白根大凧合戦とはまた違った楽しみ方をすることができるため、両方とも訪れてみることをお勧めしたい。

#nuis新潟取材

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