農家の生の声、TPPに懸念。

世間で大きく物議を醸している太平洋パートナーシップ協定(以下では、TPPと記載する。)であるが、テレビ等でよく耳にするのは評論家の意見である。実際の農家はTPPに対しどのように考えているのか。今回は新潟県聖篭町でさくらんぼ農業を営んでいる本間氏にTPPについてどのように考えているのかインタビューを行った。

〇まず、TPPとはなんなのか。
外務省ホームページによれば「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定とは,オーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国及びベトナムの合計12か国で高い水準の,野心的で,包括的な,バランスの取れた協定を目指し交渉が進められてきた経済連携協定です。」とされている。
 また、TPPの効果について農産品に関する記述では、外務省の環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉概要(PDF)によると「農産品の重要5品目を中心に関税撤廃の例外を数多く確保しつつ、全体では高いレベルの自由化。」とされている。上記の5品目とは米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビ(砂糖)のことである。
「農産品の重要5品目を中心に関税撤廃の例外を数多く確保」とされているが、米の場合には、無関税の輸入枠が用意されており、アメリカでは年間5万トン13年目以降には7万トン、オーストラリアでは年間6000トン13年目以降には8400トンになる予定である。

〇TPPに懸念。
 今回、インタビューを行った本間氏はTPPによって日本は「食の格差社会」になるのではないかと懸念を示している。現在、日本ではTPPによって安く輸入されてくる海外の作物に対する対抗手段として、付加価値をつけて高品質の作物を提供するのが主流となっている。これが続くと自然と日本の作物の価格は高騰し、上流階級と一部の中流階級の人々のみが日本の質の高い作物を口にできなくなる(食の格差社会になる)のではないかと本間氏は言う。

 では、安いが質の低い作物を食べることは、悪いことなのか。本間氏に伺った。
 本間氏によると、牛や豚には抗生物質やホルモン剤などの薬が多く投与されており、それらの牛や豚を食べた人間が抗生物質の効果が効かなくなるなど、人体にも影響を与えることがあるという。作物の場合でも、上記の例と同じように大量の農薬を使った安い作物を食べた人間が何らかの影響を受けるのでないかと本間氏は懸念を示している。

出典:外務省ホームページhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/
    環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉概要(PDF)   http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000022863.pdf
    NHK NEWS WEB いまさら聞けないTPP 基本がわかる19のカード
    https://www3.nhk.or.jp/news/imasaratpp/article06.html

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